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【スノーフレーク決算みどころ】新CEOと生成AI強化で株価続伸なるか(Snowflake)

【スノーフレーク決算みどころ】新CEOと生成AI強化で株価続伸なるか(Snowflake)

本記事では、クラウド技術を活用したビッグデータの保管・分析サービスを提供する米スノーフレーク(SNOW)の2023年11月-24年1月期の決算を振り返り、5月22日に控える2024年2-4月期決算の見どころを解説します。スノーフレークの株価は年初来で約13%下落していますが、直近1ヶ月では11%上昇。オプション市場は決算発表後に約±16%の変動を織り込んでいます。前期の振り返り:CEO交代発表と期待はずれの見通しで株価急落2月28日に発表された2023年11月-24年1月期決算では、売上高が前年比32%増、EPSは2.5倍と市場予想を上回る結果となりました。しかし、2024年2-4月期見通しが市場予測を下回り、さらに最高経営責任者(CEO)のフランク・スロートマン氏の退任が発表されたことから、時間外取引で株価が24%下落しました。売上高:$7.75億(予想:$7.61億)EPS:$0.35(予想:$0.18) フランク・スロートマン氏は取締役会長に就任し、新CEOには元グーグル広告部門責任者のスリダール・ラマスワミ氏が任命されました。ラマスワミ氏は、AI担当シニアバイスプレジデントを務めており、同社がAI戦略を強化する姿勢が伺えます。2-4月期の注目点:業績見通しとAI戦略の動向収益予測の上方修正はあるか2024年2-4月期のスノーフレークの「売上高予想は$7.87億、EPS予想は$0.18」となっていますが、多くのアナリストから予想を上回る決算が期待されています。過去2年間、同社は予想を毎回平均 2.9%上回る業績を報告しています。平均目標株価は$206です。生成AI投資で収益増加なるかスノーフレークは、直近急速に生成AI領域を強化しており、市場の関心はAI戦略の動向とそれに伴う業績見通しの変化と想定されます。3月18日には、NVIDIA との提携を拡大し、エンタープライズ向けフルスタック AI プラットフォームを提供することを発表。4月24日には、独自のエンタープライズ向け大規模言語モデル(LLM)「Snowflake Arctic」をリリースしました。Snowflake Arcticは、企業利用に最適化されており、オープンモデルと費用対効果の高さが特徴。研究利用と商用利用を認めるApache 2.0ライセンスの下で提供されているため、研究者や開発者は自由にアクセスをして、既存のソリューションを改良し、新たな機能を追加することが可能となっています。また、LLMのトレーニングと推論のコストを大幅に削減し、企業がAI機能を自社のシステムに組み込む際の初期投資を軽減しています。AI関連での買収にも進めており、スノーフレーク公式記事で紹介されているNeeva、Streamlit、Applicaに加えて、5月17日にはDeepMind、Google、Meta の研究者によって設立された「Reka AI」の買収交渉が報道されました。ただし、Reka AIの買収交渉は決裂したとブルームバーグにより報じられています。焦点は決算後のクラウドサミットかスノーフレークは、6月3-6日にユーザーカンファレンス「Snowflake Data Cloud Summit 2024」の開催をし、アナリストらは6月に開催されるアナリスト・デーとサミットに向けて、株価が上昇すると予想しています。同社はCloud Summit 2024 において、「エンタープライズ AI、アプリ、データの未来を明らかに」「スノーフレークの歴史の中で重要な瞬間を迎える」とプレスリリースで公表しており、同社の方向性について、投資家により明確なイメージを提供すると考えられています。オープニング基調講演ではラマスワミ氏とNVIDIA CEOのジェンスン・フアン氏の対談も予定されています。

【エヌビディア決算みどころ】データセンター部門の成長が焦点に、Blackwellに関する新情報はあるか(NVIDIA)

【エヌビディア決算みどころ】データセンター部門の成長が焦点に、Blackwellに関する新情報はあるか(NVIDIA)

本記事では、半導体大手のエヌビディア(NVDA)の2023年11月-24年1月期の決算を振り返り、5月22日に控える2024年2-4月期決算の見どころを解説します。エヌビディアの株価は年初来で約90%以上上昇しており、S&P500のなかでもトップパフォーマンスの銘柄となっています。オプション市場は決算発表後に約±9%の変動を織り込んでおり、決算の内容によっては株価が史上最高値を更新する可能性があります。前期の振り返り:AI 需要持続で過去最高収益を達成2月21日に発表された2023年11月-24年1月期決算では、売上高が前年比3.7倍、純利益は8.7倍と市場予想を上回る結果となり、時間外取引で株価が10%上昇しました。売上高:$221.0億(予想:$205.5億)EPS:$5.16(予想:$4.61) セグメント別では、売上高の8割以上を占めるデータセンター部門が、生成AIの「推論」処理に使う画像処理半導体(GPU)の需要が拡大し、売上高前年比5倍と成長を大きく牽引しました。ただし、10月に発動された米国政府の中国へのAIチップ販売制限の影響を受け、中国市場での販売が前年比では約2倍の成長となりますが、前期比で半減。24年2-4月期についても同様の落ち込みが見込まれ、輸出ライセンス不要のデータセンター関連製品を開発を進めていることが明らかになりました。また、アナリストたちが注目する半導体の供給制約について、サプライチェーンの改善を発表されました。2-4月期の注目点:5-7月期の見通しと新GPUの最新情報5-7月期の業績見通しが焦点に2024年2-4月期のエヌビディアの「売上高予想は$245.3億、EPS予想は$5.58」と売上高が前年比3倍となる好業績が期待されています。また前四半期のガイダンスから、売上総利益率についても76-77%と引き続き高い水準が予想されています。ただし、市場のエヌビディアへの期待を踏まえると、好業績は既に株価に織り込まれており、5-7月期の業績見通しや株価に織り込まれていない新情報が焦点となることが想定されます。平均目標株価は$1035です。鍵はデータセンター部門の成長データセンター部門は、依然として決算の注目になります。特に、エヌビディアの最大顧客であるMicrosoft、Alphabet、Meta Platformsなどのビックテックは、直近の決算において軒並みAI競争で設備投資額が過去最高に達したと発表したことから、アナリストの予想を大きく上回る可能性も指摘されています。また、中国市場については低迷する可能性が高いものの、予想を上回るデータセンターの成長と堅実な予測が見られれば無視される可能性もあります。Blackwell による長期的な成長見通しはNvidiaは、3月18-21日の年次GPU テクノロジー カンファレンス (GTC) で、生成AIに特化した最新GPUアーキテクチャ「Blackwell」プラットフォームを発表しました。Blackwellは、同社が市場で最高性能のAIチップと述べる Blackwell GPU、大規模言語モデル(LLM)推論用の新しいTensorコア、新しいアクセラレータを備えており、コストとエネルギー消費を従来の1/25に抑え、数兆パラメータのLLMによるリアルタイム生成 AI を構築および実行を可能にします。この製品のリリースにより、NVIDIAは2025年および 2026年度も2桁成長を達成する期待が高まり、アナリストらは2024年後半に発売予定のBlackwellシリーズのパイプラインや粗利益への影響といった最新情報にも注目しています。

【ターゲット決算みどころ】小売大手の業績回復に注目!オンライン販売強化で持続的成長なるか(TGT)

【ターゲット決算みどころ】小売大手の業績回復に注目!オンライン販売強化で持続的成長なるか(TGT)

小売業界を代表する大手企業、ターゲット(TGT)の2024年度第1四半期(2月~4月)決算が5月22日に発表されます。前年同期比で増収増益が予想され、小売業界の回復傾向が鮮明になるかに注目です。投資家や業界関係者は、パンデミックからの消費者需要の回復と、それに伴う小売企業の業績改善に大きな関心を寄せています。ターゲットは、流行の最新トレンドに合わせた商品を、他社と比べて手頃な価格で販売することを強みとしています。1990年代に全国的な評判を得て以来、同社の売上高は3倍に成長し、米国トップクラスの小売業者としての地位を確立しました。現在、2,000以上の店舗を運営し、1,000億ドル以上の売上高を誇ります。都市部と郊外に展開する店舗は、裕福な消費者層をターゲットにしています。前期の振り返り:決算は増収増益、年間でも過去最高益出典:Target Corporation Reports Fourth Quarter and Full-Year 2023 Earnings前回(2023年度第4四半期)決算では、増収増益を達成し、年間でも過去最高益を更新しました。売上高は前年同期比1.7%増の319億ドル、営業利益は60.9%増の1.9億ドル、純利益は57.8%増の13.82億ドルと大幅な増益となりました。売上総利益率も25.6%と前年同期の22.7%から大きく改善。これらの好調な数字は、マークダウン(値下げ)の減少、物流コストの削減、売上が好調な商品カテゴリーの構成比の高まりによるものであり、同社の戦略的な取り組みと市場における優位性を示す結果となっています。ターゲットの2023年第4四半期は、小売業界全体が厳しい環境下にあるにもかかわらず、力強い業績を示しました。売上高と客数は2四半期連続で改善傾向を見せ、同社の戦略的取り組みの効果が表れています。また、店舗での受取、ドライブアップ(車で来店し、駐車場で注文した商品を受け取ることができるサービス)、Shiptなどのセイムデイサービス(当日配達)は、全売上高の10%以上を占める重要な収益源となっており、特にドライブアップの成長が顕著でした。これらのサービスが四半期で13.6%増加したことは、変化する消費者ニーズに対応したターゲットのオムニチャネル戦略の成功を示しています。さらに、GAAPベースの調整後の1株当たり利益は2.98ドルと、前年比57.6%の大幅な増加を遂げ、市場予想の上限を大きく上回る結果となりました。この予想を上回る業績は、ターゲットの収益性改善への取り組みと、効果的なコスト管理の結果であると言えるでしょう。また、ターゲットは株主還元にも積極的で、過去53年間にわたり増配を続けており、「米国株配当王(50年以上連続で配当を増やしている優れた銘柄に与えられる呼称)」の一角を占めています。過去3年間で17.61%の配当成長率を示しており、株主への価値還元に対する強いコミットメントがうかがえます。予想配当利回り2.75%は同セクター内で競争力があり、投資家にとって魅力的な投資先といえます。2-4月期の注目点:収益性改善の進捗に注目ターゲットの2-4月期決算では、以下の点が注目されます。1. オンライン販売の成長持続性前期好調だったオンライン販売の勢いが持続するかどうかが注目されます。行動制限の緩和に伴い実店舗の客足は戻りつつありますが、オンラインで育んだ顧客基盤は今後も成長ドライバーになり得ます。オンライン事業への投資を継続しつつ、実店舗とのオムニチャネル戦略をいかに進化させるかが問われるでしょう。2. 物価高の影響と価格戦略物価高騰により、生活必需品を中心に需要の冷え込みが懸念されます。その一方で、ターゲットは「低価格」を看板に掲げる小売業として、値上げを抑えシェアを拡大するチャンスです。適切な価格設定とプロモーション施策によって、業績への悪影響を最小限に抑えられるかが焦点となります。3. 収益性改善の進捗ターゲットは、オンライン事業の拡大に伴うフルフィルメントコスト(オンライン注文の受注、ピッキング、配送などに係る運営コスト)の増加などから、収益性の低下が課題となっています。前期は物流の合理化や不採算店舗の閉鎖などに取り組みました。今後は、コスト効率化と収益性改善の取り組みについても注視したいところです。ターゲットは、2024年により大きな成長を目指しています。CEOのブライアン・コーネル氏は、新店舗の開設、既存店舗の改装、プライベートブランドの導入、迅速な配送を含むメンバーシッププログラムの発表を予定していると述べました。2023年にはインフレの影響で市場シェアをウォルマートなどに奪われましたが、今後の改善に注目です。物価高の逆風下でも顧客第一の姿勢で成長軌道へターゲットは、質の高いプライベートブランド、店舗とオンラインの融合、データ活用によるマーケティングなど、独自の価値提案を強みとしています。変化する消費者ニーズを的確に捉え、店舗運営に反映させる適応力が、今後の成長を左右するでしょう。2024年通期の見通しでは 、比較売上高(既存店舗の売上高増減率を示す指標)は前年並み~2%増、1株当たり利益(EPS)は8.60~9.60ドルを予想しています。成長軌道への復帰に向けて、顧客ロイヤリティプログラム「ターゲットサークル360」の導入、新ブランドの投入、300店舗以上の新規出店と既存店舗のリモデルなど、積極的な施策が打ち出されています。サプライチェーンの強化と効率化にも取り組み、販売、来店客数、シェアの回復を図る方針です。物価高という逆風下でも、「お客様第一」の経営理念の下、中長期的な成長を目指すターゲットの戦略に注目が集まります。オムニチャネル戦略の深化と差別化により、小売業界をリードする存在としてのポジションを強化できるかが問われているでしょう。バリューと新商品の投入で顧客の獲得を目指す同社の取り組みは、業界のトレンドを左右する可能性を秘めています。

【Google I/O 2024】AIアシスタントからGoogle検索とAndroidの進化まで、重要発表総まとめ

【Google I/O 2024】AIアシスタントからGoogle検索とAndroidの進化まで、重要発表総まとめ

本記事では、2024年5月14日に開催されたGoogleの年次開発者会議「Google I/O 2024」の主な発表内容を紹介します。目次Google I/O 2024での発表内容会話型AIアシスタント 「Project Astra」Google検索の進化 「AI Overview」Googleフォトの新機能 「Ask Photos」AndroidのAIアップデート 「Gemini Nano with Multimodality」、「Circle to Search」映像や画像を生成するAI 「Veo」、「Imagen 3」新AIモデル「Gemini 1.5 Flash」、「Gemma 2」、「PaliGemma」「Gemini for Workspace」のアップデートGoogle I/O 2024での発表内容去年は同社の大規模言語モデル「Gemini」が発表されましたが、本年は様々なAI機能の強力なパイプラインが披露され、同分野におけるリーダーシップを再び確立しようとするグーグルの姿勢を示したものとなりました。例年の Google I/O とは異なり、ハードウェアに関する発表や予告はなく、AI一色。基調講演で「AI」が言及された回数は120回以上となりました。会話型AIアシスタント 「Project Astra」Google I/O前日の5月13日、OpenAIは音声や映像理解に強みを持つマルチモーダルモデル「GPT-4o」を発表し、人間のように自然な会話を行う様子が披露されたことで大きな話題を呼びました。同様にGoogle I/Oでは、映像や音声を理解しタイムラグなしに会話可能なAIアシスタント「Project Astra」が披露されました。AstraはGoogle レンズを強化したもので、デバイスのカメラを通して周囲の物体や様子を理解し、それらについて会話することができます。デモ映像では、スピーカーの部品名に関する質問に答えたり、クレヨンを認識した上で韻を踏んだ文章をつくったり、コンピューター画面のコードを読み取って分析しています。これらの機能の一部は今年後半に追加される予定です。また、スマートフォンだけでなく、スマートグラスでのデモも紹介され、新たなウェアラブルAI製品の登場を示唆しました。AIとシームレス連動する新型デバイスの需要については、Metaが何年も前から述べていますが、Googleがサムスン電子やQualcommと複合現実(MR)プラットフォームの開発に取り組んでいることを考慮すると、Googleも次世代デバイス分野に参入する可能性は考えられます。ただし、Googleの広報担当者は「動画で示されているメガネは、GoogleのAR チームによる機能研究のプロトタイプで共有できる発売計画はない」と語っています。Google検索の進化 「AI Overview」Google検索向けのAI機能「AI Overview」も公表されました。AI Overviewは、リサーチから計画、ブレーンストーミングまで、気になったことを検索ボックスに入力すると、AIが関連検索結果をまとめて表示してくれます。これは昨年5月からSearch Labsを通して、実験的にユーザーに提供していたAI検索機能「Search Generative Experience(SGE)」が名称を変えて一般機能になったもので、試験運用でAI Overviewを利用するとユーザーはより多くの検索を使用し、その結果に対する満足度が向上することが明らかになっています。Googleの検索責任者リズ・リード氏は、「Googleがあなたの代わりにググってくれる」と基調講演で語りました。例えば「布製のソファをどう掃除したらいい?」という検索に対して、AI Overviewは掃除の方法や最適な掃除製品を整理して表示します。要約は検索結果の上部に表示されるので、疑問を解消するためにウェブサイトにアクセスする手間がありません。また「Multi-Step Reasoning(マルチステップ推論)」と呼ばれる新機能により、複雑な質問も一度に行うことができます。例えば、新しいヨガスタジオやピラティススタジオをを探したい場合に「ボストンで人気のヨガ教室を見つけて、新規入会割引特典と徒歩での移動時間を教えて」という検索が1回でできます。正しい情報を見つけるだけでなく、ユーザーと一緒に旅行や食事の「計画を立てる」こともできます。米国では、旅行と食事の計画がSearch Labsで既に利用でき、今年後半にはカスタマイズ機能やパーティー、デート、ワークアウトなどのカテゴリも追加される予定です。さらにビデオによる検索も紹介されました。デモ映像では、レコードに針を落としてもうまくいかない様子をGoogle レンズで撮影し、「なぜうまくいかないの?」と検索すると、AIがレコードプレーヤーのメーカーとモデル名を正しく認識し、Web上で操作方法を見つけてくれました。Googleフォトの新機能 「Ask Photos」Googleフォトの検索も強化されます。この夏登場予定の新機能「Ask Photos」では、Googleフォトの画像や動画からGeminiが適切なコンテンツをすぐに探してくれます。例えば、「自分の車のナンバープレートは?」と問いかけると、自分の車のナンバープレートが写った写真を探し出してくれ、「娘の水泳の上達を見せて」と問いかけると、娘が泳いている様子やスイミングスクールの証書など関連写真をまとめて、時系列に並べたアルバムを作成してくれます。AndroidのAIアップデート 「Gemini Nano with Multimodality」「Circle to Search」AndroidでのAI機能のアップデートも共有されました。スマートフォン向けAI モデル「Gemini Nano」がマルチモーダルに拡張され、テキストだけでなく、写真や音声、映像から情報を引き出し、内容を要約したり、関連する質問に答えたりできるように。Gemini Nanoはデバイス上にあるため、ネットワーク接続がない場合でも機能し、情報を完全にプライベートに保つことができます。今年後半のPixelから、最新モデルのGemini Nanoが導入される予定です。Gemini Nanoの活用事例として、米国では詐欺電話を警告する新機能もテストされています。この機能は、入金の依頼やパスワードなどの個人情報の要求といった詐欺に関係する会話パターンを探知すると自動的に通話を中断し、電話を切るよう促す警告を表示します。詳細は今年の後半に紹介される予定です。また、今年1月に発表されたジェスチャー検索機能「Circle to Search」(かこって検索)に学習支援機能が追加されました。ユーザーが行き詰まった問題に丸つけると、物理学や数学を解くための段階的な手順が表示され、問題を解くことができます。今後、記号式、図、グラフなどを含むさらに複雑な問題も解けるようになる予定です。映像や画像を生成するAI 「Veo」、「Imagen 3」今回の基調講演開始前には、ミュージシャンのマーク・レビレットによって、テキストから音楽を生成するAIツール「MusicFX」のDJモードが披露されましたが、「Google Labs」で開発された新たなクリエイティブツールのデモも発表されました。動画生成AI 「Veo」動画生成AIである「Veo」を利用した映像生成ツール「VideoFX」が新たに発表されました。テキストを入力するだけで、1920×1080ピクセル画質の動画を生成する機能をもち、必要に応じて60秒超えの長い動画を生成することも可能となっています。最近では、OpenAIの「Sora」をはじめ、解像度の高い動画を作れる動画生成AIツールが多数発表されていますが、10秒以上の動画を生成できるAIは限られています。将来的には、Veoの機能の一部を「YouTube ショート」などにも導入する予定とされています。画像生成AI 「Imagen 3」テキストから高解像度の画像を生成する画像生成AIツールには「ImageFX」には、画像編集コントロールと画像生成モデル「Imagen」の最新バージョンである「Imagen 3」の追加が発表されました。編集コントロールはユーザーからの要望が多かった機能で、画像内の特定の部分をブラシでなぞると、その部分のみを簡単に編集ができます。Imagen3は、写実的な風景から質感豊かな油絵や奇抜な粘土細工のシーンまで、幅広い形式やスタイルで高品質の画像を生成できるように設計されています。また、以前のバージョンと比べ、プロンプトを理解する能力が大幅に向上し、生成画像に不要な乱れが発生しすることも少なくなっています。責任ある生成 AI の推進上記の生成AIツールは、Labs.Googleにて体験またはウェイティングリスト登録が可能となっています。また、VideoFX、ImageFX、および MusicFX から生成されたすべてのコンテンツには、SynthIDで電子透かしが入れられます。この電子透かしは肉眼では識別できませんが、画像データを分析するソフトウェアで検出できるピクセルレベルの透かしを残すようになっており、ディープフェイクやフィッシングなどAI生成画像の悪用を検出可能となっています。GoogleはSynthIDをオープンソースのツールとして、今後リリースする予定です。新AIモデル「Gemini 1.5 Flash」「Gemma 2」「PaliGemma」I3つの新しいAIモデル「Gemini 1.5 Flash」、「Gemma 2」「PaliGemma」も発表されています。Gemini 1.5 Flashは、APIで提供される中で最も高速な Gemini モデルで、反応の速さと効率が求められるタスクに最適化されています。Google AI Studioから最大100万トークンでお試し可能で、開発者は登録すると最大200万トークン可能となっています。オープンモデルであるGemmaの新モデル追加も発表され、Gemmaの次世代モデルであるGemma 2とGoogle初のビジョン言語のオープンモデルであるPaliGemmaが紹介されました。PaliGemmaは既に利用可能で画像キャプションや視覚的なQ&Aなどに最適化されています。さらに、Gemini Proがアップデートも同時に発表され、ネイティブでマルチモーダルになり、コンテキストウィンドウを200万トークンに拡張することが明らかになりました。「Gemini for Workspace」のアップデート業務用の生産性向上ツール群である「Google Workspace」については、サイドパネルアシスタントの追加が発表されました。サイドパネルでGemini 1.5 Pro にアクセスでき、チャットを通して、メールや文書の作成をサポートしたり、長い文書やメールのスレッドの要約などができます。また、Google Workspace エコシステム内で設定した特定タスクをこなす「AI Teammate」も紹介されました。Google は、AI Teammateを「一緒に働いた集合的な記憶」として説明しており、グループプロジェクトの進捗やファイルを管理したり、やることリストを作成したり、タスクのフォローアップをしたりしてくれます。公開時期については明言されませんでした。

【決算サマリー】ウォルマート (Walmart) / シスコ (Cisco) / ホーム・デポ (Home Depot)

【決算サマリー】ウォルマート (Walmart) / シスコ (Cisco) / ホーム・デポ (Home Depot)

本記事では、今週決算のあったウォルマート (Walmart) / シスコ (Cisco) / ホーム・デポ (Home Depot) の決算サマリーをお届けします。ウォルマート (Walmart)ウォルマートの2025年第1四半期決算は、売上高が1615億1000万ドルで前年同期比6%増加し、アナリスト予想の1595億ドルを上回りました。調整後の1株当たり利益(EPS)は0.60ドルで、予想の0.53ドルを上回り、純利益は前年同期の16億7000万ドルから51億ドルに大幅に増加しました。これにより、ウォルマートの株価は一時7%上昇し、決算発表後の取引開始時点で史上最高値を記録しました。ウォルマートのCFO、ジョン・デイビッド・レイニーは、家庭での料理と外食の価格差が広がり、食料品部門の売上が増加していると述べました。また、顧客はウォルマートの利便性を評価しており、特にデリバリーサービスの利用が増加していることを強調しました。CEOのダグ・マクミロンは、売上の成長が販売数量と取引数の増加、そして一般商品での市場シェアの拡大によって推進されていると述べ、これらの結果はインフレによるものではないと説明しました。米国内の既存店売上高は3.9%増加し、特にサムズクラブが4.4%増加しました。グローバルeコマース売上は21%増加し、特にストアピックアップとオンライン注文の配達が成長を牽引しました。ウォルマートの広告事業も24%成長し、特に米国では26%の成長を記録しました。また、Walmart+のサブスクリプションビジネスも二桁成長を達成し、売上と営業利益の成長に寄与しました。ウォルマートは、数百の雇用を削減し、従業員を本社のあるアーカンソー州ベントンビルに移転させる計画を発表しました。この移転は、リモートワークからオフィス勤務へのシフトを意図しており、コスト削減が目的ではないとしています。また、ウォルマートはスマートテレビ会社Vizioを23億ドルで買収し、広告収益の増加を目指しています。市場シェアの拡大戦略として、ウォルマートは一般商品や食料品の分野で市場シェアを拡大しており、特に高所得者層の顧客獲得に成功しています。新しいプライベートブランド「Bettergoods」を導入し、高品質でトレンディな商品を提供しています。さらに、全国で1400以上の店舗を改装し、若年層や富裕層の顧客にアピールする戦略を進めています。ウォルマートの2025年第1四半期決算は、売上と利益の両面で予想を上回り、特に高所得者層の顧客獲得とeコマースの成長が業績を支えました。今年に入ってからの株価上昇率は約22%で、S&P 500の約11%の上昇率を上回っています。シスコ (Cisco)シスコの2024年第3四半期決算は、売上高とEPSの両方で予想を上回る好結果を示しました。売上高が127億ドルとなり、前年同期比で12.8%減少しましたが、アナリスト予想の125億ドルを上回る結果となりました。GAAPベースの1株当たり利益(EPS)は0.46ドルで、調整後のEPSは0.88ドルとなり、予想の0.83ドルを上回りました。売上高の減少は、ネットワーキング製品の売上が前年同期比で27%減少したことによるものですが、これは前年同期にポストCOVIDの半導体不足が解消されたことで売上が急増した影響を受けた比較となります。一方で、2024年3月に完了したネットワーク監視企業Splunkの買収により、4億ドルの売上が追加され、全体の売上を支えました。製品セグメント別の業績では、ネットワーキング部門が90億2000万ドルの売上を記録し、予想の89億5000万ドルを上回りました。セキュリティ部門の売上も4%増加しました。地域別では、アメリカ市場が最も高く、売上が14%増加しました。EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)地域は横ばいであり、APJC(アジア太平洋、日本、中国)地域は3%減少しました。今後の経営戦略として、シスコはネットワーキング、セキュリティ、コラボレーション、オブザーバビリティの各分野での製品ライン強化に注力しています。特に、Splunkの買収により、サイバーセキュリティおよびオブザーバビリティ分野での競争力を強化しています。CEOのチャック・ロビンズは、同社のコアビジネスが正常化しつつあると述べ、CFOのスコット・ヘレンも需要の安定化を強調しました。シスコはまた、株主に対して28億ドルを株式の買戻しと配当金の形で還元しました。アナリストの評価はおおむね良好で、Evercoreのアミット・ダリヤナニ氏はシスコの株価に対して55ドルの目標株価を維持しています。将来的には、シスコはAIインフラストラクチャ市場で10億ドルの売上を目指しており、2026年度の売上成長率は低~中の一桁台を見込んでいます。ホーム・デポ (Home Depot)ホーム・デポの2024年第1四半期決算は、売上高が366億4000万ドルで、予想をわずかに下回りましたが、1株当たり利益(EPS)は3.63ドルで予想の3.60ドルを上回りました。純利益は前年同期の38億7000万ドルから36億ドルに減少しました。消費者は金利上昇により、浴室やキッチンのリフォームなどの大規模なプロジェクトを延期しており、春の購入も遅れました。ホーム・デポのCFOであるリチャード・マクフェイルは、顧客が高金利の影響で支出を控えていると述べ、これが売上減少の主な要因となっています。しかし、顧客は財政的には健全であり、支出を単に延期しているだけであると説明しました。ホーム・デポは、プロフェッショナル顧客をターゲットにする戦略を強化しています。特に、ルーフィング、ランドスケープ、プール用品の専門ディストリビューターであるSRSディストリビューションを18億2500万ドルで買収する計画を発表しました。これは同社の歴史上最大の買収です。ホーム・デポはまた、全国に広がる配送センターネットワークを強化し、プロ向けの屋根材や断熱材などを直接現場に届けるサービスを提供しています。さらに、ホーム・デポは新規店舗のオープンやオンラインおよび店舗での顧客体験の向上に取り組んでいます。技術の導入により、商品が破損していないことを確認し、セルフチェックアウト時の盗難を防止するためのコンピュータビジョンを使用しています。これにより、顧客が必要なときに商品を棚に確保できるようにしています。気候の影響も売上に影響しました。春の販売シーズンでの屋外商品の購入が遅れたため、売上が圧迫されました。しかし、天候が改善するにつれて春の購入が増加しています。ホーム・デポはまた、在庫レベルが過去数年間で最高の状態であり、運送コストが低下していると報告しています。組織化された小売犯罪も依然として課題ですが、減少傾向にあります。今年に入ってからホーム・デポの株価は約2%下落しており、S&P 500の上昇に対して遅れを取っています。

【ウォールマート決算みどころ】高所得層向け戦略の効果は?非小売事業にも注目(Walmart)

【ウォールマート決算みどころ】高所得層向け戦略の効果は?非小売事業にも注目(Walmart)

本記事では、世界最大の小売企業であるウォルマート(WMT)の2023年11月-24年1月期の決算を振り返り、5月16日に控える2024年2-4月期決算の見どころを解説します。ウォルマートの株価は年初来で約13%上昇しており、S&P500を上回るパフォーマンスとなっています。前期の振り返り:予想上回る売上増とビジオの買収発表2月20日に発表された2023年11月-24年1月期決算では好調な年末商戦を受け、売上高が前年比5.7%増、営業利益は同13%増となりました。過去10年超で最大となる9%の増配も発表され、時間外取引で株価が上昇しました。売上高:$173.4億(予想:$170.81億)EPS:$1.80(予想:$1.65) セグメント別では、ウォルマートUS、ウォルマートインターナショナル、サムズクラブ 3 つの部門すべてで売上高が増加しました。また、ジョン・デイビッド・レイニー最高財務責任者(CFO)は、「この四半期に最も貢献したのは、年収10万ドルを超える世帯の所得層だった」と高所得層の顧客が収益の増加に貢献したことを決算会見で明らかにしました。そのほか、スマートテレビメーカーのビジオ・ホールディングを23億ドル(約3460億円)で買収する計画も発表されました。買収はウォルマートの広告部門「ウォルマート・コネクト」の強化が狙いとされています。広告部門は成長性も利幅も大きく、ウォルマートが注力して拡大している部門です。2-4月期の注目点:インフレ影響と非小売事業の成長性インフレの恩恵を受けるか高所得層のさらなるシェア獲得なるか非小売事業の成長はどれくらいかコスト削減の影響はインフレの恩恵を受けるかインフレ圧力により消費者心理に陰りが見えるなか、アナリストらは「低所得層の消費者はプライベートブランドの買い物を続け、高所得層の消費者は節約の一環としてウォルマートでの支出を増やし、トレードダウン(より安いものを買おうとする消費動向)の恩恵を受けるはず」と同社の低価格戦略が奏功することを予想しています。2024年2-4月期のウォルマートの「売上高予想は$159.5億、EPS予想は$0.51」、平均目標株価は$65.9です。高所得層のさらなるシェア獲得なるかウォルマートの中心的な顧客は低・中所得層の消費者でしたが、近年は年収 10 万ドル以上の世帯が増加しており、同社はより多くの高所得層の顧客を維持し、引き付けることを目指しています。消費者データの分析から、顧客層やその他の変数に基づいて店舗をグループ化し、特定の消費者グループのニーズに対して店舗に特定の商品を取り揃えるという「クラスタリング」と呼ばれる戦略に加えて、より高所得層の顧客を引き付けるために店舗の一部を改装すると3月に発表しました。また4月末には、グルテンフリーなどの健康への配慮を備えた「Bettergoods」と呼ばれるプレミアム食品のプライベートブランドも投入しています。Bettergoodsの商品数は300品目にも上り、約7割の商品が5ドル以下とお値打ち感を訴求しています。非小売事業の成長はどれくらいかウォルマートは売上と利益の大半を米国の店舗から得ている一方、広告事業などの非小売事業も成長させています。ウォルマートの広告事業は、2023年に28%成長し、2024年は収益に占める割合がさらに増加すると予想されています。 直近では、ビジオの買収計画に加えて、ディズニーと提携し、広告主がウォルマートの顧客データを活用して、ディズニー+やHuluを含むディズニーのストリーミングのターゲティングを強化できるようになると発表しました。コスト削減の影響はウォルマートは過去1年間、一部分野でコスト削減に努めてきました。4月30日には、過去5年間に開設した51のヘルスケア施設をすべて閉鎖し、オンライン診療事業も停止することを発表しました。これは昨年、ヘルスケア事業の拡大を目指し、2024年末までにクリニックを75か所開設する計画からの方針転換となりました。今後は眼鏡やコンタクトレンズを扱うビジョン・センター3000カ所と店舗内に構える薬局4600カ所に重点を置きます。同社広報担当は、ヘルスケア施設は今後30-90日以内に閉鎖する公算が大きいと説明しました。診療所の閉鎖に伴う損失額の見通しについては公表を控え、5-7月期のガイダンスへの影響に注目が集まります。また5月14日には、社内で数百人を削減し、大部分のリモートワーカーに企業拠点への異動を要請する計画を発表しました。ウォルマートの最高人事責任者ドナ・モリス氏はスタッフ宛てのメモの中で、「対面で集まる機会を増やすことで、企業文化の強化、従業員のキャリア形成に役立つ」と説明しています。

【ディズニー決算みどころ】好決算で株価続伸なるか、動画配信事業が焦点に(Disney)

【ディズニー決算みどころ】好決算で株価続伸なるか、動画配信事業が焦点に(Disney)

本記事では、ディズニー(DIS)の2023年10-12月期の決算を振り返りつつ、2024年1-3月期発表の見どころを解説します。ディズニーの株価は年初来から約25%以上上昇しており、S&P500やM7のアマゾンやグーグルを上回る好調なパフォーマンスとなっています。5月7日に控える決算発表に先立って、オプション市場は強気に傾いており、ディズニーの決算発表後の変動率は±7.5%と予想されています。前期の振り返り:純利益増と株主還元施策で株価上昇2月7日に発表された2023年10-12月期決算ではコスト削減が寄与し、売上高が前年比0.2%増、純利益は同5割増となりました。2024年9月期中の30億ドルの自社株買い計画や5割の増配も発表され、時間外取引で株価は7%上昇となりました。売上高:$235億(予想:$237.5億)EPS:$1.22(予想:$1.00) テーマパーク事業を含むエクスペリエンス部門の売上高は、前年比7%増、営業利益が同8%増と過去最高を記録しました。香港と上海で、新たなアトラクションを開設したことで、海外パークの入場者が増えました。一方、近年課題となっているストーリーミング事業は、2023年に実施したプラン価格の値上げや広告収入の増加で売上高が伸び、赤字幅を縮小。7-9月期までに黒字化させる当初目標を維持しました。ただし、主力動画配信サービス「ディズニー+」は値上げにより会員数は四半期で130万人減少し、これはアナリスト予想(70万人減)の倍近くの落ちこみでした。そのほか、人気ゲーム「フォートナイト」を開発するEpic Gamesに15億ドル出資し、ゲームコンテンツの開発で協業することが発表されました。具体的には、フォートナイトに新たなディズニーの世界を構築し、プレーヤーがディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ等のディズニーキャラクターと交流できるようになります。1-3月期の注目点:Disney+の収益状況とコスト削減動向ストーリーミング事業の収益状況が焦点かHuluとDisney+の統合成果はパスワード共有対策が実現間近にコスト削減で純利益成長かストーリーミング事業の収益状況が焦点かディズニーは4月3日に開いた株主総会で、アクティビスト投資家であるネルソン・ペルツとの株主委任状争奪戦に勝利しました。これにより、投資家の関心はアイガーCEOの後継者からビジネスの収益性へ戻ります。UBSのアナリストらは、「ストリーミング事業が短期的な上振れの最大の源泉」であり、米国におけるHuluとDisney+の統合がストリーミング利益を押し上げるはずだと指摘しています。テーマパーク事業は、チケット価格の上昇と入場者数の増加により、前四半期同様に緩やかな成長を遂げると予想されています。2024年1-3月期のディズニーの「売上高予想は$221.1億、EPS予想は$1.1」、平均目標株価は$126です。HuluとDisney+の統合成果は4月4日、アイガーCEOはCNBCのインタビューにおいて、ストリーミング事業は2桁の利益率に達する軌道に乗っており、ユーザーのエンゲージメントを高め、プラットフォームに費やす時間を増やすことを優先していると述べました。HuluのサブスクリプションをDisney+に統合したことは非常にうまくいっており、早期にユーザーのエンゲージメントと利用率が向上したと語り、決算発表でより詳細な情報を発表すると明らかにしました。また、ディズニーは解約率を下げ、マーケティングや顧客獲得のコストを削減するためのレコメンデーションエンジンなどの新しいツールに注力することで、ストリーミング事業の全体的なパフォーマンスの向上にも努めると述べました。パスワード共有対策の実現間近にDisney+アカウントにおける不適切なパスワード共有への対策に関する最新情報の発表に注目が集まっています。 Netflixがパスワード共有の取り締まりを実施後にサブスクリプションが増加したように、ディズニーもパスワード取り締まりが行われれば、会員数が増加が見込まれます。コスト削減で純利益成長かディズニーの経営陣は、収益性を改善するために積極的にコスト削減を行っており、2024年後半までに年間 75 億ドルの節約を目指すという目標を掲げています。一部のアナリストは、直近の委任状争奪戦に勝つために、コスト削減で好調な進捗が見られることを予想しています。そのため、前四半期のように売上高が横ばいやわずかな増加しか見られなかった場合であっても、純利益の成長が加速する可能性があります。

【アップル決算みどころ】AI注力で株価回復なるか(Apple)

【アップル決算みどころ】AI注力で株価回復なるか(Apple)

本記事では、アップルの2023年10-12月期の決算を振り返りつつ、2024年1-3月期決算の見どころを解説します。アップルの株価は年初来から約6%下落しており、マグニフィセント7(M7)の中ではテスラに次ぐ悪いパフォーマンスとなっています。5月2日に控える決算ではセンチメントを転換できるのでしょうか?前期の振り返り:増収増益も、中国需要減で売上見通しは低調2月1日に発表された2023年10-12月期決算では、売上高が前年比2%増、純利益は同13%増と5四半期ぶりの増収増益となりました。ただし、香港や台湾を含む中国市場の売上高が13%減となり、引け後の時間外取引で株価は3%下落となりました。売上高:$119.6億(予想:$118.1億)EPS:$2.18(予想:$2.10) 事業別売上高は、全体の約6割を占めるiPhoneが前年比6%増。アプリ・音楽・動画配信などのサービス部門の売上高は同11%増で、全売上高に占める比率は約19%になりました。iPhoneやMac、iPad、Apple Watchなどアップル社製のアクティブデバイス数は22億台を超え、すべての製品セグメントにおいて過去最高を更新しました。決算説明会では、ティム・クックCEOはAIに積極投資をしていることも明らかにし、「2024年後半に取り組みの詳細を発表予定」と述べました。1-3月期の注目点:サービス部門の成長性とAI戦略の動向サービス部門はiPhoneの需要減を補うかAI戦略に関する発表はあるか決算後のイベント、iPhone 16が市場の焦点かオープンソースの言語モデルを公開サービス部門はiPhoneの需要減を補うかアップルはiPhoneの中国市場での需要低迷や規制当局からの圧力など懸念も多く、投資家の期待は他のM7と比較するとそれほど高くありません。2024年1-3月期のアップルの「売上高予想は$90.7億、EPS予想は$1.51」、平均目標株価は$199です。Counterpoint Researchの調査によると、2024年1-3月期のアップルの中国市場でのiPhoneの売上高が19%減少しました。この減少は主にファーウェイとの競争によるものと考えられ、同期間にファーウェイの売上高は約70%近く増加し、アップルが独占していたハイエンドスマートフォン市場のシェアを奪っています。ただし、一部のアナリストは需要環境の弱さはほぼ株価に織り込まれていると考えており、「サービス部門の伸び」と「4-6月期の見通し」に関心を示しています。サービス部門の売上高は2桁成長を維持すると予想されています。また、2月2日に販売された同社初のゴーグル型端末「Vision Pro」の販売状況についても注目が集まっています。アップルは最近、Vision Proの2024年の出荷目標を当初の最大80万台から約40〜45万台に引き下げており、米国での需要が予想より低かったことが示唆されます。AI戦略に関する発表はあるか決算後のイベント、iPhone 16にも要注目アップルは、5月7日に新作製品発表イベント「Let Loose」、6月10日から14日に開発者向けイベント「Worldwide Developers Conference(WWDC)」を開催します。アナリストらはWWDCにおいて、9月に発売される「iPhone 16」そして「iOS 18」を中心としたAI戦略が発表されると予想していますが、決算発表においてもAI戦略に関する進捗や関連情報の発表が期待されます。ポートフォリオ管理会社Stocklyticsの調査によると、アップルは2023年に32社のAIスタートアップを買収しており、これはテクノロジー企業としては最多の数字です。最近では、iPhone 16への生成AI機能の搭載に向けて、オープンAIやGoogle等と協議を進めていることも報道されています。オープンソースの言語モデルを公開また、4月24日にはAppleがiPhone上でも動作可能なオープンソースの言語モデル「OpenELM(Open-source Efficient Language Models)」を公開しました。OpenELMは、Eメール作成などのテキスト関連のタスクで効率的に動作するとされており、iOS 18のアップデートで統合されるのではとの指摘がなされています。

【アマゾン決算みどころ】複数の成長エンジンで、新高値更新なるか(Amazon)

【アマゾン決算みどころ】複数の成長エンジンで、新高値更新なるか(Amazon)

本記事では、アマゾンの2023年10-12月期の決算を振り返りつつ、2024年1-3月期発表の見どころを解説します。アマゾンの株価は年初来から20%以上上昇し、4月11日には2年9ヶ月ぶりに最高値を更新しました。マグニフィセント7(M7)の決算は折り返しを過ぎ、明暗分かれる結果となっています。アマゾンは、4月30日に控える決算で新高値更新となるのでしょうか?前期の振り返り:クラウドとEC好調で大幅な増収増益2月1日に発表された2023年10-12月期決算では、クラウドとECの収益増加とコスト削減が功を奏し、売上高が前年比14%増、純利益は前年比38倍となりました。また、2024年1-3月期についても堅調な営業利益見通しを示し、翌日の株価は7.9%上昇となりました。売上高:$1700億(予想:$1660億)EPS:$1.0(予想:$0.8) 事業別売上高は、中核のインターネット通販事業は好調な歳末商戦が反映され、前年比9%増。外部出品者からの手数料収入や物流サービス収入は同20%増。営業利益の大半を稼ぐクラウド事業の売上高が前年比13%増と、前期の12%増から1ポイント上昇しました。「Amazonプライム」のサブスクリプション収入も堅調に推移し、前年比14%増となりました。また、広告事業の売上高が前年から27%増加し、過去最高の146億5400万ドル(約2兆1500億円)となりました。売上高ベースでは通販事業、サードパーティー手数料事業、クラウド事業に次ぐ第4の事業に成長しています。1-3月期の注目点:成長エンジンと膨らむキャッシュの行方は成長エンジンは力を発揮できるか最大の注目はAWSの成長性小売事業は収益拡大となるか広告収益の躍進は続くのかキャッシュは株主に還元されるか成長エンジンは力を発揮できるか市場関係者は、アマゾンは今年複数の事業で利益率の向上が見込まれる可能性があると想定しており、AWS・小売・広告収入の成長性に注目しています。2024年1-3月期のアマゾンの「売上高予想は$1426億、EPS予想は$0.84」、平均目標株価は$212です。最大の注目はAWSの成長性アマゾン ウェブ サービス(AWS)は、クラウドインフラ市場でシェアトップのプロバイダーであり、アマゾンに2023年の営業利益の3分の2をもたらしました。しかし、一部アナリストからは「クラウド事業の成長が緩やかなため、競合社を前に首位の座を維持できるか疑問が残る」と懸念の声も出ています。2023年10-12月期決算では、アマゾンのクラウド部門の売上高は前年比で13%増加しましたが、マイクロソフトのクラウド部門は30%増加しました。一方で、生成AI需要による上振れの可能性もあります。特にAWS関連において、アマゾンは生成AIの開発支援に多額の投資を行っており、マイクロソフトへの追い上げを加速しています。3月28日、AIスタートアップ企業のAnthropicへ27.5億ドル(約4200億円)の追加投資を明らかにしました。これは、昨年9月に発表した12.5億ドルの投資につづくもので最終的に総額40億ドルの投資となります。AnthropicはOpenAIのライバルとして注目されており、同社の次世代大規模言語モデル「Claude3」はテキストと画像などの組み合わせ(マルチモーダル)に対応し、複数のベンチマークで性能がOpenAIの「GPT-4」やGoogleの「Gemini 1.0 Ultra」を上回るとされています。アマゾンはAWSが提供する生成AIサービス「Amazon Bedrock」を通じて、Claudeファミリーの基盤モデル (Claude 3 Opus, Claude 3 Sonnet, Claude 3 Haiku)を提供することで、顧客体験を強化しました。3月29日には、今後15年間でデータセンターに1,500億ドル(約22兆7100億円)近くを投じる予定も報じられました。小売事業は収益拡大となるかアマゾンは中核事業である小売事業の収益性改善にも努めています。2月1日に、AIチャットボット「Rufus」をモバイル向けショッピングアプリに導入しました。Rufusの発表後、アンディ・ジャシーCEOは「Rufusはアマゾンでの顧客体験を大幅に改善します。」とコメントし、今後数年間で数百億ドル規模の収益をアマゾンにもたらすとの見通しを示しました。4月23日には、昨年3都市で試験的に開始していた食料品配達のサブスクリプションが全米3,500都市以上で利用可能となりました。プライム会員は月額9.99ドルを支払うと、Whole FoodsやAmazon Fresh、地元の食料品店からの35ドル以上の注文を送料無料で配達してもらうことができます。有料会員向けの食料品配送サービスは競合のウォールマートやターゲットも導入しており、アマゾンが長年苦戦してきた生鮮食品のカテゴリーでの市場シェアの獲得を期待されています。広告収益の躍進は続くのか投資家はまた、1月29日にアマゾンが動画配信サービス「Prime Video」に広告を導入したことから、広告収入が増加することを期待しています。広告売上高は同社で最も急成長しているセグメントであり、アンディ・ジャシーCEOは、4月11日付の株主宛てのレターのなかで、Prime Videoには月間2億人の視聴者にリーチできる可能性があると述べています。ユーザーは月額2.99ドルを追加で支払うことで、広告なしでの視聴もできます。キャッシュは株主に還元されるか2023年、アマゾンのフリーキャッシュフローは過去最高の320億ドルを記録しましたが、2024年はさらに2倍近くになると予測されています。アマゾンは創業以来キャッシュを事業に投入しており、最後の自社株買いは2022年の100億ドルで、M7各社と比較すると微々たる額となっています。一部のアナリストは、アマゾンが今年中に数百億ドル規模の自社株買いを発表すると予想しています。アルファベットは4月25日の決算発表で、700億ドルの自社株買いと1株当たり0.20ドルの初の配当を実施すると発表し、株価は時間外取引で一時16%上昇しました。アマゾンも自社株買いのサプライズがあれば、株価上昇の後押しとなることが想定されます。

【アルファベット決算みどころ】水面下で動く巨人、生成AIで底力を見せるか(GOOGLE)

【アルファベット決算みどころ】水面下で動く巨人、生成AIで底力を見せるか(GOOGLE)

本記事では、アルファベットの2023年10-12月期の決算を振り返りつつ、2024年1-3月期決算の見どころを解説します。同社の生成AI「Gemini」の不具合など年初来逆風となるニュースが重なり、アルファベットの株価は3月上旬まで低調に推移していましたが、直近では上昇に転じ、4月12日に時価総額2兆ドル超えを果たしました。一部の投資家からは、株価の見通しについて「マグニフィセント7(M7)の他の企業はアルファベットを凌駕している」との指摘もありますが、4月25日に控える2024年1-3月期決算で、その底力を見せることができるのでしょうか?前期の振り返り:全体で増収増益も広告事業に市場は失望1月30日に発表された2023年10-12月期決算では、売上高が前年比13%増、EPSが同56%増と市場予想を上回る堅調な結果でしたが、主力の広告収入が市場予想を下回り、同社の株価は7.35%下落しました。売上高:$863.1億(予想:$852.3億)EPS:$1.64(予想:$1.59) 主力のインターネット広告事業の売上高は前年比約11%増となり、3四半期連続の増収。うち、検索連動広告が同13%増となりましたが、競合の広告収入成長と比べると、メタが同24%増、アマゾンが同27%増と見劣りする結果となりました。InstagramやTikTokでのショート動画の台頭もあり、競合に広告シェアを奪われているのではないかという見方もあります。1-3月期の注目点:広告と生成AIで競争優位性を示せるのか広告収益をどれだけ維持できるか「Gemini AI」の競争優位性を示せるか生成AIソリューションを続々拡充iPhoneへ「Gemini」搭載か広告収益をどれだけ維持できるか2024年1-3月期のアルファベットの「売上高予想は$786.9億、EPS予想は$1.51」ですが、市場予測を上回るかだけでなく、広告収益をどれだけ維持できるかが重要となります。同社は、前回決算の広告売上高が予想を下回ったことを受け、広告事業の成長を押し上げる手段を模索しています。4月4日に、アルファベットによるマーケティング用ソフトウエアを提供する米HubSpotを買収の可能性が報道されました。HubSpotとの提携が実現した場合、顧客関係管理(CRM)ソフトウェア市場においてGoogleのサービスが拡大し、マーケティングや広告に支出する幅広い企業顧客を開拓できるようになります。ただし、米国政府による独占禁止法違反の取り締まりによって実現しない可能性も指摘されています。「Gemini」の競争優位性を示せるか4月9-11日の「Google Cloud Next ’24」カンファレンスにて、同社の大規模言語モデルである「Gemini」を活用した生成AI機能をGoogle Workspaceに導入することや、データセンター向けに自社設計されたArm CPU「Google Axion」とGeminiのアップデート版である「Gemini 1.5 Pro」が発表され、生成AIに大きく力を入れていることが示されました。また、4月16日にはGoogle DeepMindのCEOが、「GoogleはAIに1000億ドル(約15兆円)以上を投じるだろう」と語りました。一方で、生成AIは巨大テック企業が各社注力している主戦場です。アルファベットの出遅れを指摘する声もあり、いかに競争優位性を示せるかが鍵となります。生成AIソリューションを続々拡充Googleがエンドユーザーに提供するAIアプリケーションは、「Gemini」ブランドで統一されており、「Gemini for Google Workspace」、「Gemini for Google Cloud」などのサブスクリプションで提供されています。直近では、Google Drive内のデータセキュリティのためのAI Securityや、ビデオ通話サービスにAI機能を追加するためのAI Meeting and Messagingなど、新しいアドオンを発表しました。これらのアドオンは、一部のWorkspaceプランでユーザーあたり月額10ドルで利用できます。また、Google Workspace向けに「Google Vids」と呼ばれる生成AIを活用したビジネス向けの動画作成アプリケーションを公表しました。動画、ライティング、制作、編集などを行うことでき、デジタルマーケティング用の見栄えの良い動画を簡単に編集して作成できます。特に今回の決算はマイクロソフトと同日であり、マイクロソフトと比較してAIソリューションの差別化を示せるか注目が集まります。iPhoneへ「Gemini」搭載か3月18日、アップルがグーグルのGemini搭載に向け交渉と伝わり、アルファベット株価は6%上昇しました。合意が成立すれば、20億人以上を超えるアップル端末のアクティブユーザーに対し、Geminiを拡大できる可能性があり、重要な優位が与えられます。

【マイクロソフト決算みどころ】AI戦略で躍進は続くのか、Azureの成長がカギに(Microsoft)

【マイクロソフト決算みどころ】AI戦略で躍進は続くのか、Azureの成長がカギに(Microsoft)

本記事では、マイクロソフトの2023年10-12月期の決算を振り返りつつ、2024年1-3月期決算の見どころを解説します。AIブームを背景に株価は昨年57%上昇し、今年は約2年ぶりにアップルから時価総額首位を奪還しました。PER(株価収益率)は約39倍に達し、約20年ぶりの高水準となっています。4月25日の2024年1-3月期決算でも更なる躍進を見せるのでしょうか?前期の振り返り:AI 主導で4半期連続の増収増益1月30日に発表された2023年10-12月期決算では、クラウド部門が全体の伸びを牽引し、売上高が前年比18%増、純利益は前年比33%増となりました。また、Xbox事業を強化するために2023年10月に買収した米ゲーム大手Activision Blizzardの業績が初めて四半期決算で反映されました。売上高:$620.2億(予想:$611.3億)EPS:$2.93(予想:$2.78) サティア・ナデラCEOは「当社のテクノロジーのあらゆる分野にAIを導入することで、新たな顧客を獲得し、新たなメリットと生産性の向上を促進しています」と述べ、OpenAIとの提携の強化および生成AI支援機能「Copilot」の搭載によるOfficeソフトの強化が、市場予想を上回る実績に反映されたと考えられています。2024年第1-3月期の売上高見通しが予想をわずかに下回り、株価は決算発表後の時間外取引で2%下落したものの2日以内に反発しました。1-3月期の注目点:AzureとM365は投資家の期待を超えるか高い市場の期待を超えられるのかクラウド部門の売上成長率と利益率を維持できるか「Copilot」の伸びはどれくらいかCopilotと生成AIに関する最新情報はあるのか高い市場の期待を超えられるのか2024年1-3月期の「売上高予想は$608.4億、EPS予想は$2.81」となっていますが、市場はマイクロソフトのさらなる成長を期待しています。直近の米国株式市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ実現性の低下が意識されて、決算発表で悪材料が見受けられると売られる厳しい動きも。マイクロソフトについても、顧客企業がAIサービスの導入をためらう状況等が示唆されれば、株価にとっては逆風となる可能性があります。現在の平均目標株価は$474です。✅クラウド部門の売上成長率と利益率を維持できるか好調なクラウド部門も企業間の競争の激化により、2023年度の最初の3四半期において売上成長率・利益率が減少傾向にありました。しかし、その後の直近2四半期において、マイクロソフトのAzureは競合のAWSやGoogle Cloudよりも速いペースで成長しており、利益率も大幅に反発。AIによって製品の競争力と価格競争力が向上し、利益率に好影響をもたされた可能性が指摘されており、今後もクラウド部門が高い水準で売上成長率と利益率を維持できるかどうか必見です。✅ 「Copilot」の伸びはどれくらいか1月の決算発表でナデラ氏は、他の同社ソフトウェアと比較してCopilot for Microsoft 365 の導入が速いことを強調しました。利用者数は明らかにされていませんが、Copilotはユーザー1人あたり月額30ドルで提供されており、Officeサービスの平均価格を押し上げる有望な収益軌道が示唆されました。Macquarie Researchはマイクロソフトの企業顧客10%がCopilotを使用した場合、最初の1年で 140億ドルの収益を生み出すと分析しており、ソフトウェア部門の売上成長がどれくらい伸びるのか注目が集まります。Copilotと生成AIに関する最新情報はあるのかマイクロソフトがエンドユーザー向けのAIサービスを積極展開することで他社との差別化を図っていることは知られており、4月23日の決算発表でCopilotと生成AIに関する最新情報が公表されることが期待されています。直近2ヶ月においても、Azure基盤モデルの拡充やAIケイパビリティの強化、新製品の発表が相次ぎ、株価の上昇に寄与しています。1. Mistral AIと提携し、Azure基盤モデルを拡充2月26日には、AIスタートアップ企業Mistral AIとの提携を発表しました。Mistral AIが手がけている大規模言語モデル「Mistral Large」はGPT4に次ぐ高い論理的思考能力を持ち、この基盤モデルがAzure上で利用できるようになります。マイクロソフトは、Azureの顧客を拡大するため、OpenAIだけでなく多様な基盤モデルを提供できるようにする狙いがあります。2.「Microsoft AI」部門を新設・Inflection AIライセンスと契約しAzure基盤モデルを拡充3月19日、Copilotやその他消費者向けAI製品と研究の推進に重点を置く部門を発表しました。トップにはGoogle DeepMindの共同創業者で、米Inflection AIのCEO、ムスタファ・スレイマン氏をを起用し、Inflection AIのメンバーの大半もマイクロソフトに移籍します。 また、ライセンス契約でInflection AIのモデルがAzure上で利用できるようになります。3. 同社初のAI搭載PCを発表3月21日、マイクロソフトは同社初のAI PC、「Surface Pro 10」と「Surface Laptop 6」を発表しました。いずれも最新のインテル Core Ultra プロセッサーを搭載しており、キーボードにAI 支援機能を呼び出すためのCopilotキーが採用されています。このニュースを受けてマイクロソフト株は1%上昇しました。4. AI用のスーパーコンピューターに15兆円投資3月29日には、AI用スーパーコンピューター「Stargate」を含む、1000億ドル(15兆円)規模のデータセンターの建設計画を発表しました。

【メタ決算みどころ】M7のダークホース、さらなる飛躍をみせるか(META)

【メタ決算みどころ】M7のダークホース、さらなる飛躍をみせるか(META)

本記事では、メタ・プラットフォームズの2023年10-12月期の決算を振り返りつつ、2024年第1-3月期決算の見どころを解説します。AIの進歩と好調な広告収益に支えられ、メタの株価は年初来から40%以上上昇し、米国株でトップパフォーマンスを記録しました。4月24日に控える2024年1-3月期決算でも、引き続き力強い成長を維持できるのでしょうか。前期の振り返り:広告好調で4半期連続の増収増益、配当実施も発表2月1日に発表された2023年10-12月期決算では、広告収益の増加と大規模なコスト削減が功を奏し、売上高が前年比25%増、純利益は前年比3倍となりました。あわせて、初の配当実施と500億ドルの自社株買いも発表し、翌日の株価は20%上昇となりました。売上高:$401.1億(予想:$390.2億)EPS:$5.33(予想:$4.96) 中核事業である広告収益は前年比24%の増加となりました。この成功の原動力は、AIを活用した広告パフォーマンスの改善にあります。2023年10-12月期に、Metaのサービス全体で配信された広告インプレッションは前年比21%増加し、広告あたりの平均価格は2%増加しました。これは、消費者にとっては関連性の高い広告が提供され、広告主にとってはキャンペーンの投資収益率を向上することを示します。Meta広告主の大半は、Meta広告の自動化ツール「Advantage+」を使用しており、誰に広告を表示するかやキャンペーン予算の最適化などを自動化することができます。短尺動画「Reels」の収益向上も貢献しました。Reelsは、インスタグラムとフェイスブック上で毎日35億回シェアされており、ユーザーのエンゲージメントが高まっています。また決算発表にて、ザッカ―バーグ氏は「AIとメタバースを発展させるというメタのビジョンは大きく前進した」と述べました。1-3月期の注目点:広告収益の伸びとAI・メタバース戦略の進捗広告収益の伸びはどれくらいかAI・メタバース戦略の進捗はLlama3の詳細発表かインフラ投資の最新情報はあるかスマートグラスにAI機能追加か広告収益の伸びはどれくらいかメタの収益は96%以上を広告事業で稼ぎ出していますが、今年はパリ五輪と米国大統領選挙の年であり、デジタル広告市場に有利なマクロ環境となっています。モルガン・スタンレーによると、オンライン広告の成長率が2023年の8%から2024年には12.5%へと加速すると見ています。さらに、短尺動画機能「Reels」の拡張、Meta広告の自動化ツール「Advantage+」プログラムなど、複数の成長ドライバーがあります。2024年1-3月期のメタの「売上高予想は$360.8億、EPS予想は$4.29」となっていますが、広告収益の持続的な成長が維持されるか注目が集まります。アナリストはメタに対して強気で、平均目標株価は$537です。AIとメタバース戦略の進捗はメタは「general intelligence」の構築とオープンソース化により、誰もが恩恵を得られるようにすることを長期ビジョンに据え、AIとメタバースの開発に長年投資しており、これらの領域からの収益化が進むかが重要です。✅ Llama3の詳細発表か4月18日、メタの次世代大規模言語モデル「Llama3」のスモールバージョンが2つリリースされました。パタメータ数はそれぞれ約80億個と約7050億個で、同規模ではトップパフォーマンスのオープンソースモデルとなっています。約4000億のパラメータを持つ、完全なLlama3モデルは後日のリリースを予定しており、テキスト入力だけでなく画像入力も理解できるマルチモーダルである可能性が高いほか、Claude3や GPT-4と競合できるとのことです。Llama3のスモールバージョンのプロモーションと合わせて、詳細情報が決算発表で説明されるか注目が集まります。✅ インフラ投資の最新情報はあるかメタはコストと外部サプライヤーへの依存を削減するために、昨年にAIチップ「MTIA」を発表しました。4月10日には、後継となる「MTIA」の第2世代チップを発表しています。初代に比べ、処理性能は3倍に改善され、レコメンデーションや生成AIモデルに対応。既にメタのデータセンターで稼働しています。✅ スマートグラスにAI機能追加かメタの経営陣は前回の決算にて、「人々は携帯電話を取り出してボタンを押したり、見たいものに向けたりすることなく、AIとシームレスに頻繁に連動する新しいカテゴリーのデバイスを求めるようになると思います。スマートグラスは、このための魅力的なファクターになると思いますし、メタのAIとメタバースのビジョンがどのように結びついているかを示す良い例です」と述べました。ニューヨーク・タイムズは、4月にRay-BanスマートグラスへのAI機能の追加が発表されると報じられており、製品デモが披露される可能性があります。

【テスラ決算みどころ】株価のV字回復はあるか (TESLA)

【テスラ決算みどころ】株価のV字回復はあるか (TESLA)

本記事では、テスラの前期の決算を振り返りつつ、2024年1-3月期決算の見どころを解説します。テスラは4月23日に、2024年1-3月期決算の発表を予定していますが、同期の株価成長率は29%下落とS&P500種構成銘柄の中で最も悪いパフォーマンスとなり、逆風に立たされている状況です。今回の決算で、V字回復を図ることはできるのでしょうか?前期の振り返り:EV需要減速と度重なる値下げで予想未達1月24日に発表された、2023年10-12月期決算では予想を下回る利益と売上高、そして2024年の販売台数の伸びは鈍化すると発表されたことで、株価は翌日の取引で12%下落し、時価総額にして約800億ドル(約12兆円)が吹き飛びました。売上高:$251.7億(予想:$258.7億)EPS:$0.71(予想:$0.73) アナリストの業績予想を下回るのは2四半期連続で、営業利益率は前年同期比ほぼ半減となる8.2%に低下しました。利益率への影響については、複数の報道がなされています。平均車両販売価格の低下ピックアップトラック「サイバートラック」の生産立ち上げコストAIを含む研究開発費用の増加競合メーカーとの競争が激しさを増すなか、テスラは1年以上にわたり度重なる値下げを行ってきました。値下げにより販売増を達成したものの、利益率は圧迫され、既存の大手自動車メーカーと同程度となりました。ただし値下げは一旦終了し、3月下旬から4月にかけて北米で1000ドル、欧州で2000ユーロの値上げを実施しています。また、ギガファクトリー・テキサスで次世代車両の立ち上げに取り組むため、2024年の販売台数の伸び率は2023年に比べて著しく低くなると予告しました。2023年の納車台数は前年比38%の大幅増加となりましたが、テスラは複数年にわたり年平均の伸び率を50%と見込んでいました。1-3月期の注目点:「自動運転」実現の兆しを見られるのか3期連続の予想未達となるのか株価を押し上げる新たな材料は発表されるのか✅ FSDとロボタクシー事業は自動運転の実現を確信したのか✅ 低価格モデルは予定通り2025年に投入されるか✅ インド市場への新規参入を発表か3期連続の予想未達となるのか4月2日に発表された、2024年第1-3月期の納車台数は前年同期比8.5%減の38万6810台と予告通りの販売台数減少となりました。事前のアナリスト予想ではEVの需要減速と競争激化を考慮し、平均44万3027台と予想を下方修正しましたが、市場予想を12%下回る結果となりました。2023年11月末から「サイバートラック」の出荷が始まりましたが、マスク氏の「キャッシュフローに大きく貢献するようになるには少なくとも1年半かかる」という過去の発言もあり、現状はまだ全体の業績に大きく影響しないと想定されています。調査会社のマークラインズによると、サイバートラックの販売台数は2024年2月末時点で1000台にとどまっています。納車台数発表の翌日、テスラの株価はマイナス4.9%と急落。さらに、アナリストたちによる第1四半期決算の業績下方修正が相次ぎました。株価は販売鈍化を織り込まれてきたものの、不十分だったことが示された結果となりました。4月23日の決算発表で、下方修正された市場予測を上回る業績や見通しを示せるかが鍵となります。2024年1-3月期の「売上高予想は$228.6億、EPS予想は$0.47」となっています。株価を押し上げる新たな材料は発表されるのかまた、業績悪化を打ち消すようなポジティブな材料が発表されるかも焦点になります。直近では注目に値する報道が相次いでいます。✅ FSDとロボタクシー事業は自動運転の実現を確信したのかマスク氏は3月25日、運転支援機能「フルセルフドライビング(FSD)」を搭載可能な全ての米国車に対して1カ月間無償で提供し、米国の従業員に対して納車前にFSDのデモや説明を義務付けたことを発表しました。従来、FSDは有料オプションとして1万2000ドル(約180万円)で提供されていますが、トライアル期間終了後は月額99ドルのサブスクリプションも可能となっています。FSDは利用者から収集される走行データの蓄積により開発を加速しています。FSD利用者の増加は多様なデータが集まり、さらなる開発の進展が見込まれます。また、マスク氏は4月5日(米国時間)に、Xに「テスラのロボタクシーを8月8日に発表する」との投稿をしました。テスラは2019年の投資家向け技術説明会にて、FSDを搭載した完全自動運転車をリース販売し、テスラ提供の配車サービスプラットフォーム「TESLA NETWORK」に登録することで、オーナーカーをロボタクシーとして人々と共同利用できる構想を発表しました。マイカーを使用しない時間帯に、テスラのアプリでボタンをタップすると自分の車両を共有車両として追加でき、ロボタクシーとして稼いでもらえることができ、さらにタクシーの運賃でリース費用の一部を賄うことができるとしています。ロボタクシー実現には最低でも自動運転レベル4が必要となるが、現状のFSDは運転手の負担を一部軽減する程度のADAS(先進運転支援システム)にとどまっています。ただし、マスク氏は2週間毎にFSDのアップデートを公表すると述べており、4月下旬もしくは5月に大幅な機能向上を予告しています。これら一連の発表を受け、「テスラはソフトウェアサービスによる新たな収益の柱を構築しようとしている」、「FSDの完全自動運転実現の道筋が見えたのではないか」など様々な見方がなされています。決算発表にて、何かしら自動運転の実現について良好な進捗が発表された場合、株価を押し上げる材料として好感される可能性が高いです。✅ 低価格モデルは予定通り2025年に投入されるか2023年10-12月期決算説明会では、低価格EVを2025年後半に投入する計画が発表されましたが、モデル仕様や明確な販売時期は明らかになってません。メディアからは「モデル2」と呼ばれ、2万5000ドルの販売価格と予想されていますが、実際に2025年の生産目標と同格帯での発売が実現されれば競合メーカーの提供する格安EVと競合する可能性があります。しかし、予定通りの生産に関しては疑問も投げかけられています。テスラは新モデルを発売する際、最初に示したスケジュールから数ヶ月、ときには数年遅れて納車しています。サイバートラックも2019年の発表当時、2021年の納車開始を予定していましたが、実際には2年遅れの納品となりました。4月5日ロイターの「低価格モデルの開発中止」の報道を受け、テスラの株価は一時6%超下落となりました(直後に開発中止は、マスク氏からXで否定されました)が、低価格モデルの生産開始時期がずれ込むことがあれば、同様の株価の低下が予想されます。✅ インド市場への新規参入を発表かマスク氏は4月22日の週にニューデリーでモディ首相と面会を予定しており、これとは別にインド市場への進出と20-30億ドル規模のEV工場建設について発表される可能性があると報じられています。インドは中国とのギャップを縮めるべく、EVなど重要な分野の製造業を強化するために多額の補助金を割り当てています。この動きに関しても、インド政府が3年以内にインド現地工場でEVを生産開始する企業に対して、EVの関税を引き下げる税制優遇を発表したことに続くものです。

50年以上、連続増配を続ける銘柄?

50年以上、連続増配を続ける銘柄?

ブルーモで新たに取扱いを開始した、「ヘルスケア」・「小売・生活必需品」セクター関連の5銘柄をご紹介します。Abbott Laboratories (ABT) Danaher (DHR) Colgate Palmolive (CL)Mondelez International (MDLZ)Target (TGT) 実は、このなかに50年以上一貫して増配を続ける配当成長株が3銘柄含まれるのですが、皆さまご存知でしょうか?ヘルスケアヘルスケア関連銘柄として、Abbott Laboratories (ABT) とDanaher (DHR) を追加しました。✅ Abbott Laboratoriesは、医療デバイスやジェネリック医薬品等の事業を展開する、グローバルヘルスケア企業です。投資管理会社のPolen Capitalは、2023年第4四半期の投資家向けレターの中で「長期的な成長見通しに変化はないにもかかわらず、株価は割安になっており、この成長企業のポジションを追加する魅力的な機会となっている。」と述べています。昨年12月、Abbott Laboratoriesは7.8%増配し、52年連続の増配を記録しました。✅ Danaherは、グローバルに展開する大手医療機器サプライヤーで、特にライフサイエンスと診断分野での強みが際立っています。戦略的買収による事業の成長に重点を置いており、直近では、医学研究用の抗体や試薬などを製造・販売するAbcam社を買収し、2023年の総収益が0.5%増加しました。小売・生活必需品小売・生活必需品関連銘柄として、Colgate Palmolive (CL)、Mondelez International (MDLZ)、Target (TGT) を追加しました。✅ Colgate Palmoliveは、口腔ケア衛生市場の世界的リーダーであり、パーソナルケア、ホームケア、ペット用品の分野で世界中の家庭に愛される製品を提供しています。近年は、スキンケアブランドの買収を複数完了し、プレミアムスキンケアのポートフォリオを拡大しています。Colgate Palmoliveは、62年一貫して増配を続けており、先月末に新たに四半期配当の4.2%増額を発表しました。✅ Mondelez Internationalは、オレオ、リッツをはじめとする世界中で愛されるスナック製品を製造・販売する企業です。特に、チョコレート、ビスケットカテゴリに重点を置き、長期的には収益の約90%をこれらのカテゴリーから生み出す予定です。✅ Targetは、アメリカ合衆国を中心に展開する大手小売業者で、衣料品・家電・食品など幅広い商品を高品質・低価格で提供することで知られています。ピックアップサービスや配送サービス、eコマースプラットフォームの強化に注力し、株価は2022年10月初旬に底を打って以来75%以上上昇しています。また、過去55年間にわたり一貫して配当を増加させてきました。

利下げ開始時点でパフォーマンスの良い市場セクターは?

利下げ開始時点でパフォーマンスの良い市場セクターは?

皆さま、過去8回の連邦準備理事会の利上げサイクルにおいて、利下げ開始時点でパフォーマンスの良かった市場セクターをご存知でしょうか?Goldman Sachsが2024年1月14日に公表した顧客向けレポートによると、1番目は「ヘルスケア」セクター、次いで2番目は「生活必需品」セクターとなっています。この2セクターは景気変動の影響を受けにくく、業績が安定していくる「ディフェンシブセクター」として伝統的に位置付けられています。2024年3月のFOMC経済見通しにおいて、FRBは年内3回の利下げを想定していることが示されました。そのような環境を踏まえ、ブルーモではユーザーが運用時にコピーできる公式ポートフォリオに新たに「ヘルスケア」と「小売・生活必需品」のセクター特化ポートフォリオを追加しましたのでお知らせします。ヘルスケアヘルスケアポートフォリオは、医薬品・医療機器・医療サービスに関連する企業を集めています。構成銘柄はS&P500 ヘルスケアセクターの時価総額上位10銘柄を抽出しており、「バンドエイド」で知られる医薬品大手のジョンソン・エンド・ジョンソンやファイザー等の銘柄が含まれます。ポートフォリオの構成比率は各銘柄均等配分の10%となっています。近年、ヘルスケアセクターでは肥満症治療薬関連銘柄が注目を集めており、攻めの一面も見せています。肥満症治療薬の潜在市場は1000億ドル規模と言われ、ヘルスケアセクター時価総額首位の「イーライリリー」は、肥満症薬の利用拡大への期待から過去1年間で株価が約2倍に急騰しました。今年はバークシャーハサウェイと並んで、大型ハイテク7銘柄「マグニフィセント・セブン」以外での時価総額1兆ドル(約150兆円)越えを期待されています。小売・生活必需品小売・生活必需品ポートフォリオは、生活に密着したサービスや商品を提供する企業を集めています。構成銘柄はS&P500 生活必需品セクターの時価総額上位10銘柄を抽出しており、洗濯洗剤の「アリエール」や消臭剤の「ファブリーズ」で知られる日用品世界最大手のP&G、コカ・コーラ等の馴染みの深い銘柄が含まれます。ポートフォリオの構成比率は各銘柄均等配分の10%となっています。記事冒頭にて言及しましたGoldman Sachsのレポートにて、同社チーフ米国株ストラテジストDavid Kostin氏は「生活必需品企業の株式はS&P500と比較して割安であり、今は投資する絶好の時期」と述べています。