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出金はいつしたら良い?長期資産形成を成功させるためのコツ
資産運用で利益が出ると、「利益を確保して出金したい」「損失が出る前に売ってしまいたい」と感じる方も多いかもしれません。しかし、長期的に資産を増やす観点から考えると、短期的な利益確定には慎重な判断が必要です。以下に、出金を検討するときに思い出したい、資産運用を成功させるための3つの重要なポイントを詳しく説明します。1. 利益確定によるデメリットを理解する資産がプラスに転じると、売却してその利益を確定したくなるものですが、長期的に資産を成長させるためには、短期の利益確定にはいくつかのリスクとデメリットがあります。税金が発生する資産を売却して利益が出た場合、約20%の税金が利益から差し引かれます。その結果、再投資する際の元本が減り、資産を成長させるための複利効果も小さくなります。長期的な運用を目指すのであれば、売却せずに資産を保有し続けることで、税金の支払いを先送りし、資産が複利で成長する恩恵を最大限に受けることができます。タイミングの見極めが難しい短期的な利益確定では、相場の上昇・下落を予測して適切なタイミングを見極める必要があり、これはプロであっても容易ではありません。売却した後に相場がさらに上昇することも多く、保有し続けていれば得られたはずのリターンを逃してしまう可能性が高くなります。こうした理由から、長期的な視点で持ち続けるほうが、安定した成長を期待できます。複利効果を失う複利の力は、長期的に資産運用を続けることで最大限に発揮されます。利益確定によって出金を繰り返すと、その都度複利効果が断たれ、最終的なリターンが小さくなりがちです。資産を保有し続け、再投資することで「利益が利益を生む」サイクルを活かすことができ、長期的に安定した資産成長が期待できます。たとえば、10年間5%の複利で運用した場合、元本は1.63倍になりますが、毎年の利益確定があるとこの成長は抑えられます。出金の判断は慎重に行い、複利の力が長期的に働くことで資産を着実に増やしていくことを意識しましょう。2. 出金は「本当に必要なときに、必要な分だけ」に留める資産運用の基本方針として、出金のタイミングを「資金が本当に必要なとき」に限定するのが賢明です。急な出費や緊急の資金が必要な場合には、必要な額だけを引き出し、残りの資産はそのまま運用を続けることが、資産成長を最大化する上で大切です。出金をこのように「必要最小限」に留めることで、資産が運用される時間を長く保ち、最終的なリターンを大きくすることができます。3. 短期の相場変動を気にしすぎない資産運用をしていると、短期的な相場変動によって一喜一憂しがちですが、こうした変動に過剰に反応することは、長期的な成長の妨げになりがちです。人間は、「利益があるうちに確保したい」「損失をできるだけ避けたい」という心理が強く働くため、少しでも相場が上昇すると利益確定したくなり、逆に下落すると早めに売却したくなる傾向にあります。しかし、こうした感情的な反応が続くと、資産運用の本来の目標である「長期的な資産成長」に悪影響を及ぼす可能性が高まります。たとえば、過去30年間で米国株(S&P500指数)は平均年率8%で成長してきましたが、年ごとのリターンはプラスとマイナスの変動がありました。長期的に見れば、リーマンショックやコロナショックのような大きな下落も、運用を続けることで回復し、その後の成長を享受することができたケースが多くあります。まとめ:出金は生活の必要ベースにして、長期目線の運用を続ける資産運用で利益が出たときに出金したくなる気持ちは自然なものですが、長期的な資産成長を目指すなら、短期的な利益確定は慎重に検討すべきです。「本当に必要なときに必要な分だけ出金し、それ以外は淡々と運用を続ける」ことで、資産が複利の恩恵を最大限に活かして成長しやすくなります。短期の変動に囚われず、計画に沿った運用を続けることで、最終的な資産成長が期待できるでしょう。
移管してもなくならない?意外と知られていない「NISA口座移管」の真実
本記事では、意外と知られていない「NISA口座移管」の仕組みを徹底解説していきたいと思います。NISA口座移管のポイントは、①NISA口座はニーズに合わせて毎年異なる金融機関で開設できる、②一度NISA口座で投資した資産は口座移管してもずっと非課税(実は「移管」してもNISA口座はなくならない)、③政府が金融機関横断でNISA残高を把握するので複数開設しても安心、という3点になります。NISA口座移管のポイントNISA口座はニーズに合わせて毎年異なる金融機関で開設できる「NISA口座は1人1口座」というイメージが強いかも知れませんが、実は「1年間でNISA口座で取引できる金融機関は1つだけ」が制度の正しい説明になります。「NISA口座は1年に1金融機関」なので、毎年NISA口座を移管して、異なる金融機関でNISA口座をいくつも開いていくことも制度上は可能です。NISA口座を利用する金融機関を移管(変更)する理由としては、①「A証券会社で口座開設したが何を買って良いか分からなかったので、もっと分かりやすいB証券会社に移管する」②「C証券会社でおまかせ運用にNISAを使っていたが、個別株も取引したくなったのでD証券会社に移管する」③「E証券会社ではいま投資したい商品がないので、F証券会社に移管する」といったものが考えられます。一度NISA口座で投資した資産は口座移管してもずっと非課税NISA口座は自由に移管できるとして、次に出てくる疑問は「NISA口座を移管した場合、既に投資した資産はどうなるのか?」だと思います。結論から言うと、NISA口座で一度投資した資産は生涯ずっと非課税です(2024年からの新NISAの場合)。つまり、投資した資産から支払われる配当も非課税ですし、売却した際に出てくる利益も非課税です。NISA口座を移管するためには、現在投資しているNISA口座を「廃止」する必要がありますが、これには「勘定廃止」と「口座廃止」の2パターンがあります。「勘定廃止」はNISA口座と残高を残したまま、現在利用中の金融機関でのNISA投資をやめる(=別の金融機関に移管する)もので、この場合だとNISAで投資した資産は引き続き非課税のままとなります。「口座廃止」はNISA口座そのものを廃止するので、現在利用中の金融機関にNISA口座と資産は残りません。「口座廃止」をしたい場合、基本的にはご自身でNISA口座にある資産を売却いただく必要があります。上記から、NISA口座移管の際に「勘定廃止」を選べば、既にNISA口座で投資した資産は非課税のまま以前の金融機関で保有できます。政府が金融機関横断でNISA残高を把握するので複数開設しても安心NISA口座は毎年移管できて、移管することで既に投資した分の節税メリットが失われることがないことまでは分かった上で気になるのが、色々な金融機関でNISA口座を作って投資して、それを忘れてしまうことがないかという点かと思います。前提として、NISA制度の重複利用を防止するため、政府は個人をマイナンバーで紐付けて非課税適用を把握しているので、税務署(国税庁)には誰がどこでNISA口座を開設しているかという情報があります(なので、仮にどこでNISA口座を開いたか忘れても税務署に聞けば教えてくれます)。さらに、新NISA制度では個人の生涯を通じた上限となる買付残高が存在するため、個人の保有残高を政府がクラウドで把握・管理することになります。NISAの生涯残高が上限に達するのは早くても2028年末のため、まだ政府による残高管理は始まっていませんが、2026年を目処に政府のクラウドによる把握・管理が始まるとされています。なので、仮に複数の金融機関でNISA口座を開設・投資して、過去にどこで投資したか忘れてしまった場合でも、政府のクラウドで情報は把握できるので、資産にアクセスできなくなることはないようになっています。NISA口座移管の方法具体的にどのようにしてNISA口座を移管できるかを以下解説します。現在NISA口座を開いている金融機関で「廃止通知書」をもらうまず、現在NISA口座を開いている金融機関にNISA口座を廃止したい旨を伝えて、「廃止通知書」をもらいます。この際、上述したように、既にNISA口座で投資している資産がある場合、資産を維持しつつ「勘定廃止通知書」を貰い、NISA口座を開設したが投資しないでいた場合は「口座廃止通知書」を貰うのがお勧めです。「廃止通知書」は郵送で送られることが多いので、ご自宅で受け取る必要があります。移管する先の金融機関に「廃止通知書」を提出する次に、NISA口座を移管して新たに開設したい金融機関でNISA口座開設の申込みをして、先ほどの「廃止通知書」を提出します。「廃止通知書」が提出できたら、税務署の審査を待って(2週間ほどかかります)、NISA口座の開設が完了します。「廃止通知書」の提出方法は、制度改正があり、2024年からオンラインでも可能になっています。しかし、一部の金融機関では郵送手続きを求められることがあるので、その場合はご自身で送付いただく必要があります。ブルーモ証券では、スマホで「廃止通知書」の写真を撮り、アップロードするだけで提出が完了するようになっています。移管する場合は前年中に作業を終えるように注意「NISA口座は1年に1金融機関」なので、仮にNISA口座を移管しようと思っても、既に元の金融機関でNISA口座を利用していると、その年の間はNISA口座を移管できません。例えば、NISA口座で積立投資を設定していると、1月に元の金融機関のNISA口座にて投資がされた時点でその年はNISA口座が移管できないことになります。NISA制度は、口座移管をスムーズにするため、NISA口座の移管手続きを前年の10月から開始できるようにしています。つまり、移管したい年の1月から積立投資が行われてNISA口座を移管できなくならないように、前年のうちから移管手続きができます。NISA口座を移管される際は、自由に手続きができる「10月〜12月」をひとつのタイミングとして検討されることをお勧めします。ブルーモ証券でも「かんたんNISA」機能を提供ブルーモ証券では、簡単にNISA口座を活用して投資できる「かんたんNISA」機能を提供しており、著名投資家のポートフォリオをコピーしたり、自分の好きな銘柄で組んだポートフォリオで、NISA制度をフル活用することができます。ご関心ある方は、是非以下サイトをご覧ください。
ブルーモで始める、かんたんNISA
本記事では、ブルーモのかんたんNISA機能(2024年10月リリース)の使い方を徹底解説します。かんたんNISA機能を使うと、税金がお得にかんたんNISA機能は、これまで通りブルーモで投資をしながら、自動でNISA口座を活用でき、投資リターンにかかる税金を節約できるお得な機能です。そもそもNISA制度とは?NISAとは、証券会社に通常の口座に加えて特別な非課税口座を開設できる制度で、通常の口座でかかる投資リターンに対する税金を一定の範囲で免除(非課税)してくれます。政府が個人の資産運用を促進するために設けた制度で、非課税になることで何かペナルティが発生するわけではないので、積極的に活用したい制度です。2014年から存在した制度ですが、2024年から非課税期間が無期限化して、非課税枠も広がり、さらに有利な制度となりました。新しいNISA制度の詳細は以下からご覧ください。ブルーモのかんたんNISAの特徴ブルーモのかんたんNISAは、ブルーモでNISA口座を開いていると、自動で投資する際にNISA口座を活用してくれます。自分で選んだ銘柄がNISAの対象外だった場合、目標ポートフォリオ編集画面で分かるので、アプリ内の指示に従って編集を進めれば、NISAに最適なポートフォリオを作ることも可能です。また、NISA口座開設の申込みもオンライン完結ですぐ終わるので、気軽にNISA口座を開くことができます(他の証券会社からNISA口座を移管する場合も全てオンライン)。かんたんNISAの完全活用法まずはアプリから口座開設新規に利用される方は通常の口座開設と同時にNISA口座も申込めます。既にブルーモを利用されている方は、アプリ内のNISAボタンをタップするとNISA口座開設に進めます。口座開設申込みには本人確認書類が必要です。口座開設を申込むと税務署の審査を経て、およそ2週間ほどで口座が開設されますので、しばしお待ちください。NISA口座を他社から移管する場合は、事前手続きが必要なのでこちらをご覧ください。目標ポートフォリオをNISAに最適化次に目標ポートフォリオをNISA最適なものにします。NISA口座の開設完了後に目標ポートフォリオを開いていただくと、NISAに最適化できる場合は表示が出るようになります。アプリの指示に従ってポートフォリオを組み替えると、NISA制度をフルに活用できるNISA最適なポートフォリオが完成します。公式ポートフォリオにもNISA最適ポートフォリオをいくつか用意しているので、そちらをコピーして始めることも可能です。つみたて投資設定をしてNISAをフル活用NISA制度の投資枠を有効活用するには、定期入金・投資が必要になります(つみたて投資枠が定期的な投資のみを対象にするため)。NISA口座を開設して、ポートフォリオをNISAに最適化したら、つみたて投資を設定して、定期的にNISAポートフォリオで投資するようにしましょう。既にブルーモを使っている場合は?新しく投資する分はNISA優先にNISA口座の開設が完了すると(2週間ほどかかります)、新たに入金やリバランスで買付する際、NISA口座を優先して割り付けるようになります。特に追加での設定は不要なので、これまでの投資を継続するだけでNISA口座が使われます。既に投資している分はリバランスの際にNISA口座で買い直します既に投資されている分は通常口座での保管のままですので、そのままではNISA口座が適用されません。銘柄を入れ替えてリバランスすると、新規に買付が発生するので、その取引については通常口座の投資分を売って、NISA口座で買い直すことになります。おすすめはNISA最適化の際のリバランスと、つみたて投資設定既にブルーモご利用中の方におすすめなのは、ポートフォリオをNISA最適化する際に一度リバランスをして、それからはつみたて投資設定で投資いただくことです。既に投資されている金額とポートフォリオによっては、完全にNISA口座での買い直しにならないかも知れませんが、徐々にNISA枠をつみたてと合わせて徐々にNISA枠を埋めていきましょう。今後、既に通常の口座で保有している投資分をNISA口座で買い直す機能も検討中なので、アプリのフィードバックボタンから、是非皆さんご意見を聞かせてください。
バリュー投資とグロース投資とは?投資戦略の選び方
本記事では、バリュー投資とグロース投資について紹介し、投資スタイルの選び方のポイントを解説します。バリュー投資とはバリュー投資は、ウォーレン・バフェット氏も活用する運用手法で、企業の実態に比べて、株価が割安な銘柄に投資する方法です。優良企業なのに市場が注目していない場合や、悪材料の発表に市場が過剰反応した場合、このような状態になります。特徴低PER(株価収益率)や低PBR(株価純資産倍率)の企業を選定配当利回りが高い企業が多い長期的に安定したリターンを期待経済不況時にも安定感を持つメリットリスクが比較的低い: 割安な株を選ぶため、投資資金が減少するリスクが少ない配当収入: 高配当銘柄が多いため、インカムゲインが得られやすいデメリット成長性が低い: 割安な株は成長余地が少ない場合が多く、大きなキャピタルゲインが得られにくい市場評価の遅れ: 真の価値が市場で認められるまで時間がかかることがあるグロース投資とはグロース投資は、企業の売上高や利益が急速に伸びている企業に投資する方法で、株価の上昇から利益を得ることを目指す投資戦略です。マグニフィセント7銘柄への投資など、グロース株にはITや先進技術を扱う企業が多いです。特徴売上高や利益が急速に伸びている企業を選定配当利回りが低い、もしくは無配当の企業が多い長期的に高いリターンを期待市場の景気拡大時に高いパフォーマンスを示すメリット成長性が高い: 高成長企業に投資するため、大きなキャピタルゲインが期待できる市場のトレンドに乗りやすい: 成長株は市場の注目を集めやすく、短期的にも価格上昇が見込まれる。デメリットリスクが高い: 企業の成長が期待通りにいかない場合のリスクが高い配当が少ない: 利益を再投資に回すため、配当が少ないか無配当の企業が多いバリュー投資とグロース投資の選び方バリュー投資とグロース投資はそれぞれ異なる魅力を持っています。バリュー投資は安定性と配当収入を重視し、グロース投資は成長性と高リターンを狙います。どちらの投資戦略が適しているかは、あなたの投資目標やリスク許容度、市場環境によります。以下のポイントを参考に、自分に合った投資スタイルを見つけてください。1. リスク許容度リスクを抑えたい場合はバリュー投資高リターンを狙い、リスクを取れる場合はグロース投資グロース株とバリュー株を比べると、株価の振れ幅はグロース株のほうが大きいです。つまりグロース投資は「ハイリスク・ハイリターン」、バリュー投資は相対的に「ローリスク・ローリターン」といえます。2. 投資期間長期的に安定したリターンを狙うならバリュー投資中長期で大きな成長を狙うならグロース投資バリュー投資は、長期的な視点で見ると、市場の変動に対して安定したパフォーマンスを示しやすい傾向にあります。一方、成長株は市場の注目を集めやすく、短期間で価格が上昇する可能性があります。3. 市場環境金利上昇局面や経済が後退している時期にはバリュー投資金利低下局面や経済成長が期待される時期にはグロース投資高金利環境下では、既に安定した収益を上げている企業が評価されやすく、配当利回りの高い銘柄が魅力的になるため、バリュー投資が有利になります。一方、低金利環境下では、高成長が期待される企業が資金を調達しやすくなり、株価も上昇しやすいため、グロース投資が有利になります。また、景気が拡大している時期には、企業の業績が全般的に好調となるため、グロース投資が有利です。反対に、景気が後退している時期には、安定した収益を上げている企業や割安な株が見直されやすいため、バリュー投資が有利です。不況時には市場全体が下落することが多いですが、バリュー株は比較的安定したパフォーマンスを示すことがあります。
なぜポートフォリオが投資で重要なのか?作成・運用のコツを解説
ポートフォリオとは、投資を行う株式や債券などの金融資産の組み合わせを意味します。「何に、どのくらい投資するか」という保有したい資産と比率の2つを決めることで、ポートフォリオは作成でき、その資産配分を「アセットアロケーション」といいます。例えば、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)の上場ポートフォリオは、アップルをはじめとする41銘柄で構成されており、上位5銘柄で75%以上の資産配分となっています。なぜ、ポートフォリオが投資で重要なのか?リスクヘッジができる複数の資産・銘柄に資産を分散させて運用することによって、一つの資産の一つの銘柄を保有する場合よりも期待する利益やリスク許容度に近い投資を行うことができます。リスクの異なる資産をどのくらいの比率で持つのか視覚的にわかるようにすることで、いま運用している銘柄でリスクを分散できているか、またリスクの取り方や期待する利益が自分の利益に見合ったものになっているかを確認することができます。ポートフォリオの違いによるリスク度合いの変化については、以下の動画をご覧ください。始めのうちは高いリターンを求めてリスクの大きい資産を運用していた人も、生活の変化によって、リスクの低い資産を多く持って資産をできるだけ減らさないようにしたいと考えるようになるかもしれません。そうした際にもポートフォリオがあると、持っている資産とその比率から「この資産をもう少し増やしておこう」「代わりにこれはもう少し減らしてしまおう」といったことを考えやすくなります。どうやってポートフォリオを作ればいいの?ポートフォリオに正解はなく、投資のゴールやリスク許容度、投資のスタイルに応じて様々な組み合わせのポートフォリオを作ることができます。特に以下のようなポイントは、あなたならではのポートフォフォリオを作るヒントになるでしょう。1. 投資対象の特徴を理解する投資をするにあたっては、株式や債券、不動産等、様々な資産に投資をすることができます。また、例えば株式の中でも特定の会社の株式に投資をするのか、それらを組み合わせたETFに投資をするのかによって将来的な利益もリスクも大きく異なります。例えば、一般的に株式は比較的将来的に大きな利益を期待できる一方でリスクが大きく、反対に債券は将来的に期待できる利益は小さい一方でリスクも小さいと言われています。2.リスクの分散度合いを理解する一般的にはより多くの銘柄を保有することで、リスクは分散できると考えられます。しかしながら、仮に多くの銘柄を保有していたとしても、必ずしもリスクを分散できていない可能性もあります。例えば、あなたが仮に銀行の株式を3つ保有していた場合には、もちろん一つの銀行の株式を保有する場合よりもリスクを抑えた投資を行うことができますが、銀行の業界全体で株価が下がった場合には、あなたの資産もその分減ってしまいます。銀行の他にもエネルギーやヘルスケア等他のセクターの会社の銘柄を保有しておくことで、よりリスクを分散することができます。このように、業種や地域、さらには資産を分散して投資できているかをみることによって、リスクを分散できているかどうかを確認することができます。あなたならではのポートフォリオを作成するのに困った時は、専門家や著名な投資家が実際に作成しているポートフォリオや、あなたの身の回りの人が作成しているポートフォリオを参考にしてみることをお勧めします。ポートフォリオを作ったあとはどうすればいいの?ポートフォリオとは、「一回作ったら終わり」というものではなく、継続的に見直しをしていく必要があります。資産配分が目標に沿っているかどうかを確認仮に株式を50%、債券を50%のポートフォリオを作成したとします。始めのうちはあまり大きな変化はありませんが、時間が経って、例えば、株式の値段が上がり、債券の値段が下がることで株式が70%、債券が30%のポートフォリオになってしまうことがあります。この場合にはあなたが当初想定していたリスク許容度とは異なるポートフォリオを保有してしまうことになります。そのため、始めに作成していたポートフォリオに合わせて保有する資産を調整する必要があります。このように、当初想定していたポートフォリオと実際に保有しているポートフォリオがずれてしまった時に、売買を行うことによって再度資産の比率を当初想定していた比率に調整することを「リバランス」といいます。リバランスをすることで、当初想定していたポートフォリオを継続的に保有し続けることができます。投資戦略の調整また、生活環境の変化等によってポートフォリオの見直しも必要になってきます。最初は大きな利益を求めてリスクの大きい資産を多く持っていたとしても、生活が変化し、投資のゴールやリスクの許容度も変化すると、それに合わせてリスクの小さい資産の比率を増やしたりと、あなたの生活に合わせてポートフォリオ自体を変える場合も出てきます。ポートフォリオを作成し、投資をした後も、ポートフォリオの運用状況や生活の変化に応じた投資のゴール、リスクの許容度を定期的に見直していけると良いでしょう。
【徹底解説】FRBとFOMCの基礎知識と投資家が注目すべきポイント
FRBの動向は金融市場に大きな影響を与え、FOMCの発表内容を理解することは投資判断において重要な材料となります。本記事では投資家が抑えておくべき、FRBとFOMCの役割や注目すべきポイントについて詳しく解説します。目次FRBとはFOMCとはFOMC参加者の投票権と金融政策スタンス四半期に1度公表される「経済見通し」と「ドットチャート」FRBとは米連邦準備制度理事会(FRB, The Federal Reserve Board)は米国の中央銀行に相当する組織で、1913年の連邦準備法成立により設立されました。FRBの主な役割は「雇用の最大化」と「物価の安定」で、米経済の情勢を判断し、適切な金利政策を実行することで経済の安定と成長を図ります。また、全米12地区の連邦準備銀行(地区連銀)の業務を監督する権限を付与されており、日本でいうと日本銀行と金融庁の役割をあわせ持つ組織になります。FRBは7名の理事から構成され、うち議長1名、副議長1名、金融監督担当副議長1名が含まれます。理事は大統領が任命し、上院議会の承認を得て就任します。FOMCとは連邦公開市場委員会(FOMC, Federal Open Market Committee)は、FRBが開催する米国の金融政策を決定するための会合です。FOMCは通常年に8回開催され、2024年の開催日程は以下のとおりです。2024年のFOMC開催予定1月30-31日3月19-20日4月30-5月1日6月11-12日7月30-31日9月17-18日11月6-7日12月17-18日FOMC参加者の投票権と金融政策スタンスFOMCの会合では、参加者19名(FRB理事7名と地区連銀総裁12名)のうち理事7名と地区連銀総裁5名が政策決定の投票権を持ちます。理事とニューヨーク地区連銀総裁は、常に投票権を持つ常任メンバーですが、残りの4名の地区連銀総裁は、輪番制により1年の任期となります。政策決定は多数決で決まるため、「タカ派、ハト派」と呼ばれるFOMC参加者の金融政策スタンスを把握することが重要になります。タカ派は金融引き締め寄りの政策を支持する人のことを呼び、反対にハト派は金融緩和的な政策を支持する傾向がある人のことを呼びます。2024年のFOMCで投票権を持つメンバーの政策スタンス<常任メンバー>パウエル議長:中立ジェファーソン副議長:ハト派バー金融監督担当副議長:中立ボウマン理事:タカ派ウォラー理事:中立クック理事:ハト派クグラー理事:ハト派ウィリアムズニューヨーク連銀総裁:中立<メンバー>メスタークリープランド連銀総裁:中立バーキンリッチモンド連銀総裁:中立ボスティックアトランタ連銀総裁:タカ派デイリーアトランタ連銀総裁:中立FOMCの経済見通しと「ドットチャート」FOMCの終了後には声明文が発表され、3月、6月、9月、12月の会合では「経済予想サマリー(SEP, Summaru of Economic Projections)」という経済見通し資料をあわせて発表します。これはFOMC参加者の経済予想を集計したもので、実質GDP成長率、失業率、インフレ率、政策金利の見通しの要素を含みます。これらの予測は米経済の情勢を示し、金融政策の方向性を示す重要な指標です。なかでも、米国の短期金利であるFF(フェデラルファンド)レートの水準を点として図示した、「ドットチャート」からは利上げ/利下げ幅を予測できることから市場からの注目が高くなっています。3月会合で発表されたドットチャート(出典: FOMC)例えば、3月のFOMCで示された政策金利の見通しでは年内利下げ回数は3回でしたが、ドットプロットに着目すると19人の参加者のうち約半数の9人が利下げを2回以下に留めており、FFレートの上振れと利下げ期待の後退リスクを予想できます。また、ここでFOMC参加者の政策スタンスを理解していると、それぞれのドットが誰かと考えることができ、誰がスタンスを変更すると政策決定に大きな影響があるか(利下げ見通しに慎重なタカ派姿勢が中立派のメンバーに波及すると、利下げが遠のくなど)検討をつけることもできます。FRBがどのような政策方針を示すかを市場はあらかじめ予想して、相場に織り込んでいます。この予想と実際の結果に大きな差分があると、市場が大きく動く要因となります。FRB動向について、より理解を深めたい方は以下の経済指標解説記事もぜひご覧ください。経済指標は、連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を決定する際の重要な情報源であり、パウエル議長をはじめとするFRB高官は「米政策金利の次の動きはデータ次第で判断」と繰り返し発言をしています。
米国経済の先行きを読み解く、重要経済指標の見方
本記事では、主な米国経済指標をわかりやすく解説します。目次なぜ米経済指標が重要なのか主な米経済指標の種類と見方物価動向を見る指標:個人消費支出(PCE)/ 消費者物価指数(CPI)/ 生産者物価指数(PPI)雇用動向を見る指標:雇用統計 / 新規失業保険申請件数景況動向を見る指標:国内総生産(GDP)/ ISM製造業景況指数 なぜ米経済指標が重要なのか経済指標は、連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を決定する際の重要な情報源であり、パウエル議長をはじめとするFRB高官は「米政策金利の次の動きはデータ次第で判断」と繰り返し発言をしています。特に足元の米国経済は、景況感が低いなかインフレ再燃懸念と先行きが不透明なため、経済の状況を反映する経済指標の重要性が一層高まっています。また、コンセンサス予想と結果の差分は株式市場や為替市場などマーケットに影響を与えます。予想はアナリストによる事前予測値で、相場はこの値を織り込みながら推移しています。そのため、重要指標の結果の上振れや下振れに市場は敏感に反応する傾向にあります。主な米経済指標の種類と見方金融政策を除く重要度の高い経済指標には、主に「物価」「雇用」「景況」動向を示す3種類があります。1. 物価動向を見る指標FRBの2大政策目標のひとつは「物価の安定」です。米国の個人消費はGDPの約7割を占めており、その物価動向は米国の景気動向を見るうえで重要視されます。現在のような金融引き締め局面であれば、政策の目的は物価上昇を抑えることにあるので、物価動向を示す指標が予想よりも上振れすれば株価は下落し、下振れすれば株価は上昇しやすくなります。個人消費支出(PCE: Personal Consumption Expenditures)重要度:★★★★公表日:毎月末 夏時間 21:30 / 冬時間 22:30公表機関:米商務省経済分析局(PCEホーム画面に遷移)FRBが物価上昇の判断をする際に重視するのが、個人消費の物価動向を示すPCEデフレータで、四半期毎の FOMC(連邦公開市場委員会)にて参加者の見通しが公表されます。PCEデフレータは個人消費支出の名目値から実質値を割って算出され、消費段階での物価上昇圧力を測る尺度として用いられます。プラスであればインフレを、 マイナスであればデフレを示し、消費者行動の変化を反映します。また、PCE デフレーターから季節性要因を受ける食料品とエネルギー価格を除いて算出した「PCEコアデフレーター」はインフレ度合いを測る指標として、FRBが特に重要視していることで知られています。消費者物価指数(CPI: Consumer Price Index)重要度:★★★★★公表日:毎月15日前後 夏時間 21時30分/ 冬時間 22時30分公表機関:米国労働省労働統計局(CPIホーム画面に遷移)消費者物価指数は物価動向を把握する際に最も重要な指標で、消費者が購入するモノやサービスの価格変動を示す指標です。同月であれば、PCEデフレータよりCPIの発表時期が2週間程早いので、株式市場や為替市場などマーケットの関心が高くなっています。すべての対象品目によって算出される「総合指数」から、季節性要因を受ける食料品とエネルギー価格を除いて算出した「コアCPI」は注目度が高く、エコノミストはインフレ指標として総合指数よりコア指数を重視しています。生産者物価指数(PPI: Producer Price Index)重要度:★★★★公表日:毎月15日前後 夏時間 21時30分/ 冬時間 22時30分公表機関:米国労働省労働統計局(PPIホーム画面に遷移)消費者物価指数が買い手側の価格変動を表すのに対して、生産者物価指数は売り手側の価格変動を表した指標です。米国内の製造業者が出荷した製品の販売価格変動を示す指標で、出荷時点での価格が調査対象のため輸送費や流通マージンなどは含みません。消費者物価指数と同様に、すべての対象品目によって算出される「総合指数」と、食料品とエネルギーを除いて算出した「コアPPI」があります。また、生産者物価指数は商品の流通過程の川上に位置するため、消費者物価指数の先行指標と言われています。生産コストの上昇により起こるコストプッシュ型のインフレが進行している場合は、消費者物価指数と対比させることで価格転嫁の状況が把握できます。一般的に物価の上昇局面ではPPIが上昇し、その後でCPIが上昇していくという経路をたどります。2. 雇用動向を見る指標FRBの2大政策目標のもうひとつは「雇用の最大化」で、FRBが政策金利を検討する際に、労働市場の動向を把握する上で雇用動向のデータを重視しています。データが良好であれば量的緩和の縮小や利上げ観測に、悪化すれば緩和の拡大や利下げ観測につながります。雇用統計重要度:★★★★★公表日:毎月第1金曜日 夏時間 21時30分/ 冬時間 22時30分公表機関:米国労働省労働統計局(雇用統計ホーム画面に遷移)雇用統計は雇用情勢を把握する際に最も重要な指標で、事業調査と家庭調査をもとに雇用情勢を示す10数項目の指標が発表されます。なかでも、注目度が高いのは「非農業部門雇用者数」、「失業率」、「平均時給」の3つの指標です。①非農業部門雇用者数(NFP: Nonfarm Payrolls)非農業部門雇用者数は、労働市場全体の雇用環境を把握するために用いられる指標で、農業部門を除いた民間企業や政府機関に雇用されている就業者数を表しています。前月比での雇用者数の増減が、事前予想値と結果の値が大きく乖離すると、市場は大きく反応します。②失業率失業率は、米国内の16歳以上の働く意思がある失業者を労働人口(失業者+就業者)割って算出しています。失業率は景気に対して遅効性がり、長期的な労働市場の変化のトレンドとして見られることの多いデータです。③平均時給農業部門を除いた主要産業の1時間あたりの平均賃金をまとめたものです。平均賃金が上昇すると、個人消費の増加また企業にとっての労働コストの上昇につながる可能性があるため、景気やインフレ圧力を確認するための指標として注目されています。新規失業保険申請件数重要度:★★★公表日:毎週木曜日 夏時間 21時30分/ 冬時間 22時30分公表機関:労働省雇用訓練局(失業保険申請件数ニュースリリース画面に遷移)新規失業保険申請件数は、前週に失業保険を初めて申請した人数を示した指標です。週次でデータが公表されるため、雇用情勢をタイムリーに把握できる利点があり、雇用統計に約2~3カ月先行するといわれています。特に、雇用統計の算出の対象期間となる12日を含む週の結果は注目度は高くなっています。3. 景況動向を見る指標国内総生産(GDP: Gross domestic product)重要度:★★★★公表日:(夏時間)/ (冬時間)公表機関:米商務省経済分析局GDPは、国内で生み出された財やサービスの生産を通じて一定期間内に生み出された付加価値の総額で、「名目GDP」と物価変動の影響を除外した「実質GDP」があります。四半期ごとに「速報値」「改定値」「確報値」の順で発表され、速報値は該当期間の1ヶ月後、改定値は2ヶ月後、確定値は3ヶ月後に発表されます。最初に発表される速報値が注目されやすく、GDP成長率が前期比での変化の度合いで経済状況を把握することができます。ISM製造業景況指数 重要度:★★★★公表日:毎月第1営業日 夏時間23:00 / 冬時間24:00公表機関:全米供給管理協会(ISM: Institute for Supply Management)ISM製造業景況指数は、全米の製造業約350社の仕入れ担当者へのアンケート調査を基に算出する、製造業の景況を示す指標です。月始めに発表されることから米国景気の先行指標として注目されています。調査項目について、前月比で「改善」、「同じ」、「悪化」の3択で回答結果を集計し、0~100で指数を算出します。50を景気動向の分岐点とし、50を上回れば景況感が良く、下回れば景況感が悪いとみなされます。また、毎月第3営業日に発表される非製造業部門を対象とした「ISM非製造業景況指数」も先行指標として注目を集めます。
新しいNISAとは?
NISAとは日本少額投資非課税制度のことであり、一定の金額までであれば投資を通じて利益を得た際にかかる税金が非課税になる制度です。2024年から新しいNISA制度が始まり、金額の上限が大きくなったり、非課税で運用できる期間が無期限になったりとより投資を行いやすくなります。NISAを利用するかどうかによって投資によって皆さんが受け取れる利益の金額が大きく異なるため、まだ投資をしていない人・これから投資をする人もこれを機にNISAについて学んでみましょう。NISAとは投資によって得た利益にかかる税金を非課税にできる制度NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、特定の商品について一定の金額を上限として投資で得た利益分の税金が非課税となる仕組みのことをいいます。イギリスのISA(Individual Savings Account)をモデルにした日本版ISAであり、Nipponの「N」をISAの頭につけた結果、NISAという名称で知られています。通常、投資を行うと得られた利益(上場株式や株式投資信託などの配当金や売買益)に対して20.315%の税金がかかりますが、NISAを利用した場合にはこの税金が0%となります。例えば10万円分投資をした株式が5年後に30万円になっていたとします。通常であればその株式を売却した時には20万円の利益を得たことになり、そのうち約4万円(20.315%)が税金として徴収されてしまいます。しかしながら、NISAを利用して投資をしていた場合には、税金がかからずに20万円の利益をそのまま受け取ることができます。2024年から新NISAがはじまり、より柔軟に非課税での投資が可能にNISA制度自体は2014年から始まっていたのですが、2024年1月より新NISA制度が始まり、現行のNISA制度よりも個人の投資スタイル等に応じてより柔軟に利用可能となります。新NISA制度の主な特徴として、「投資枠の増大」、「運用期間の無期限化」、「保有限度額の設定」が挙げられます。3つの特徴についてそれぞれ詳細に解説します。NISA制度では、投資を通じて得た利益を非課税にすることができる年間の投資金額の上限として、非課税投資枠というものが定められています。現行のNISA制度では年間40万円を上限とするつみたてNISA、または年間120万円を上限とする一般NISAのいずれかを選んで運用していました。 新しいNISA制度では「つみたて投資枠」の年間120万円、「成長投資枠」の年間240万円といった形で上限の金額が大きくなっただけでなく、2つの投資枠を併用して非課税投資枠として利用することができます。そのため、これまで一方のNISA口座を開設して運用を行っていた方も、2つの枠を同時に利用して投資を行うことができます。現行のNISA制度では運用の期限についても定めがあり、つみたてNISAでは20年、一般NISAで5年の運用期間を超えてしまうと、NISAを利用して投資をして得た利益についても課税されてしまいます。しかし、新NISAでは運用期間の定めが無期限となります。そのため、今後はNISAによって投資をした商品をより長く持ち続けることができます。現行のNISA制度では、年間の非課税投資枠と運用期間の定めに基づいて、つみたてNISAでは800万円(40万円×20年)、一般NISAでは600万円(120万円×5年)の保有限度額が存在しており、全体の投資金額を気にすることなく投資を行うことができました。新NISA制度では運用期間が無期限化される代わりに、新NISA制度を通じて投資可能な株式等の限度額が全体で1,800万円(うち成長投資枠は1200万円)と定められました。そのため、新NISA制度では年間の投資額が非課税投資枠の範囲におさまっていたとしても、全体の限度額を超えてしまった場合には超過分の投資額は課税の対象となってしまうため、注意する必要があります。ただし、この保有限度額については新NISAによって投資をしている株式等を売却することで、翌年以降にその保有金額分を再利用することができます。新NISAで投資を始める時には、2つの投資枠の特徴を活かして皆さんに合った投資を新NISAを利用して投資を始める場合には、「つみたて投資枠」、「成長投資枠」の2つの投資枠がポイントとなります。年間の非課税投資枠以外にも保有限度額や投資可能な商品が異なるので、皆さんの投資したい商品や運用方法にあわせて利用を始めることが重要です。つみたて投資枠ではスタンダードな投資信託・ETFに毎月投資しつつ、成長投資枠は自分の運用スタイルに合わせて使い分けるのが良いでしょう。成長投資枠の主な使い方の例として「自分の好きな商品を追加で積立投資する」「まとまったお金を一度に投資する」といったものがあります。また、新NISA制度は「年間投資枠が大きい(最大360万円)」「保有限度額が存在する」ことから、今後はNISA口座内で一部の保有商品を売り、成長投資枠の中で他の商品を購入する(=保有商品のリバランス)取引や、つみたて投資枠での毎月の投資への利用といった、新たな使い方も出てくると考えられます。その他の注意点NISA口座を開設した後、NISA以外の口座で保有している株式等をNISA口座に移すことはできません。同じ銘柄を非課税で運用したい場合はNISA口座にて新規での商品の購入が必要です。NISA口座では売買損失はないものとされ、特定口座や一般口座で保有する他の株式等の配当金や売買益等との損益通算(上場株式を売却して損失が出た場合、利益と損失を相殺出来る「損益通算」という特例)はできません。すでにNISAを利用している場合、2024年1月より現在NISAを利用している金融機関にて自動的に新NISA口座が開設されます。現行のNISA口座で保有している株式等は新NISA制度における保有限度額には含まれず、それぞれ定められた期間(つみたてNISA:20年、一般NISA:5年、ジュニアNISA:5年)非課税での運用を継続できます。
ETFとは?
ETFとは、”Exchange-Traded Fund(上場投資信託)”の略称で、取引所で売買できる株式や債券、不動産などの資産の銘柄を組み合わせた商品のことをいいます。ETFを一つ買うことで、そのETFに含まれる複数の資産の銘柄を同時に買うことができます。それでは、ETFについてもう少し詳しくみていきましょうETFって何?ETFとは、”Exchange-Traded Fund(上場投資信託)”の略称で、名前にもある投資信託の一つです。ここでいう投資信託というのが株式や債券、不動産などの資産の銘柄を組み合わせでできた商品のことをいいます。ETFにはすでに複数の株式等の銘柄が含まれているため、ETFを一つ買うことでリスクがバラバラな資産を一度に買うことができ、その分だけリスクを分散させることができます。投資信託とはどう違うの?ETFというものの他に、「投資信託」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。先ほど話したように、ETFは投資信託の一つであり、ETFも投資信託も、株式や債券、不動産などの資産を組み合わせて投資できるという点では一緒です。しかしながら、ETFは名前にもある通り上場しているため、取引所で取引を行うことができ、取引所が空いている間リアルタイムで取引を行うことができます。また、ETFの場合、特定のインデックス(市場の動きを示す指数のことで、代表的なものとして日経平均株価やS&P500といったものがあります)とそのまま連動するように組み合わせられた商品が多く、通常の投資信託と比べてコストが低いことが多いです。※投資信託は、適切な資産の組み合わせを保有するために専門家が運用・管理しているため、一定のコストがかかります。このコストは、あなたが投資信託を保有している間、保有している投資信託から自動的に支払われています。どんなETFがあるの?ETFは、あくまでも資産の組み合わせであり、その組み合わせ方には様々な種類があります。インデックスETF: 特定のインデックスに連動するように株式を組み合わせたETFで、代表的なものとして米国の株価指数であるS&P500に連動したETFがあります。他にも先進国や新興国を含めた市場の株価指数に連動したETFなど、様々なインデックスに応じたETFがあります債券ETF: 債券ETFとは、債券で構成されたETFです。債券は国、地方の公共団体、会社などが発行するため、国の発行する債券(国債)を専門にしたETFのように債券の発行体ごとのETFや、それらを全て組み合わせたETFがありますセクターETF: セクターETFとは、特定の業種(セクター)に絞って投資をするETFです。特定の業種に絞って投資をしているため、その業種の成長に連動した利益を期待することができます。例えば、米国株では、金融やヘルスケア、ハイテク、エネルギー等を含めた計11のセクター別のETFがあります他にも、高い成長が見込める株式を組み合わせているグロースETFや割安な株式を組み合わせるバリューETF、不動産ETF、金ETFなどといった様々なETFが存在します。
株式とは?
株式とは投資を行う際に買う資産としてよく買われているものの一つで、実は会社を所有する権利の単位のことをいいます。株式を保有する人は会社の所有者の一人となり、所有者としての権利を受け取ることができます。ここでは株式について説明しつつ、他の資産についてもみてみましょう。株式って何?株式とは、会社を所有する権利の単位のことをいいます。会社は自分たちが活動するための資金を得るために、株式を発行します。企業や個人の投資家たちがそうした株式を買うことで、企業は資金を得ることができます。株式を保有する人のことを株主といい、株主は保有する株式の数に応じて会社の所有権を手に入れることができます。これによって、会社の経営に参加して票を入れたり(議決権)、会社から利益の分配としてお金を受け取ったり(配当金)することができます。株主はこうした所有権を手に入れるために株式を買ったり、一度株式を買った後に会社が成長し、価値が上がった後にその株式を売却することで利益を得たりします。※ブルーモで購入する米国の株式については、議決権を保持することができません株式はどのようにして売買できるの?皆さんがよく耳にする会社の株式は、多くの場合取引所というところで売買を行うことができます(取引所で株式の売買ができる会社のことを上場会社といいます)。取引所では多くの会社や個人からくる注文を受け付け、処理しています。株式の値段(株価)は株式を買いたい人、売りたい人の状況によって決まっていくため、皆さんがたまに目にする折れ線グラフのように、刻一刻と株価が変動しています。ただし、皆さんは取引所で直接株式の売買を行うことはできません。皆さんの代わりに証券会社が注文を受け付け、証券会社が実際に取引所で株式売買の注文を出しています。株式以外にはどんな資産に投資ができるの?株式以外に投資する資産の代表的な例として債券があります。債券とは、国や地方の公共団体、会社がお金を借り入れるときに発行するものです。皆さんは債券を買うことによって国や地方の公共団体、会社はお金を貸していることになります。そのため、お金を貸している間は利子を受け取ることができるだけでなく、国や地方の公共団体、会社が破綻しない限りは最終的な期限が来ると当初借り入れていたお金を全て返してもらうことができます。株式は刻一刻と株価が変動し、会社の成長に応じて高い利益が見込める一方で株価が下がった場合には下がった分だけ損失が生じてしまうという点で、債券は株式と比較すると比較的安定した資産として捉えられています。債券以外にも、不動産や金、暗号資産など、様々な資産に投資することができ、それぞれの資産によってそのリスクや見込める利益が異なります。あなたの投資のゴールやリスクの許容度などに応じて適切な資産を選んで投資をするようにしましょう。
ポートフォリオとは?
ポートフォリオとは、投資を行う株式や債券、不動産等の資産を組み合わせたものをいいます。ポートフォリオは保有したい資産と、その比率の2つを決めることで作成でき、あなたの投資のゴールやリスク許容度、投資のスタイルに応じて、あなただけのオリジナルのポートフォリオを作ることができます。ポートフォリオとは?ポートフォリオとは、投資を行う株式や債券、不動産等の資産や銘柄を組み合わせたものをいいます。複数の資産・銘柄を組み合わせることによって、一つの資産の一つの銘柄を保有する場合よりもあなたの期待する利益やリスク許容度に近い投資を行うことができます。ポートフォリオに正解はなく、あなたの生活や投資のゴールに応じて様々な組み合わせのポートフォリオを作ることができます。なぜポートフォリオを考える必要があるの?ポートフォリオは、あなたの生活等に適した投資を考える上で有効な手段になります。期待できる利益やリスクの異なる資産をどのくらいの比率で持つのか、視覚的にわかるようにすることで、自分の今運用している銘柄でリスクを分散できているか、またリスクの取り方や期待する利益が自分の利益に見合ったものになっているかを確認することができます。始めのうちは高い利益を求めてリスクの大きい資産を運用していた人も、生活の変化によって、リスクの低い資産を多く持って資産をできるだけ減らさないようにしたいと考えるようになるかもしれません。そうした時に、あなたの持っている資産とその比率から「この資産をもう少し増やしておこう」「代わりにこれはもう少し減らしてしまおう」といったことを考えやすくなります。どうやってポートフォリオを作ればいいの?これまでに紹介しているように、あなたの生活環境等によって異なります。そのため、まずは投資のゴールやリスクの許容度、投資スタイルを理解しておくことが重要です。しかし、ポートフォリオを作るには、あなたの投資ゴールやリスクの許容度、投資スタイルに合った資産の銘柄と、その比率を決めていく必要がありますが、特に初めて投資をする人にとってこれは簡単なことではありません。そのため、あなたならではのポートフォリオを作成するのに困った時は、専門家や著名な投資家が実際に作成しているポートフォリオや、あなたの身の回りの人が作成しているポートフォリオを参考にしてみることをお勧めします。特に、以下のようなポイントを見ながら参考にすることで、あなたならではのポートフォフォリオを作るための良いヒントになるでしょう。1. 投資対象の特徴を理解する投資をするにあたっては、株式や債券、不動産等、様々な資産に投資をすることができます。また、例えば株式の中でも特定の会社の株式に投資をするのか、それらを組み合わせたETFに投資をするのかによって将来的な利益もリスクも大きく異なります。例えば、一般的に株式は比較的将来的に大きな利益を期待できる一方でリスクが大きく、反対に債券は将来的に期待できる利益は小さい一方でリスクも小さいと言われています。2.リスクの分散度合いを理解する一般的にはより多くの銘柄を保有することで、リスクは分散できると考えられます。しかしながら、仮に多くの銘柄を保有していたとしても、必ずしもリスクを分散できていない可能性もあります。例えば、あなたが仮に銀行の株式を3つ保有していた場合には、もちろん一つの銀行の株式を保有する場合よりもリスクを抑えた投資を行うことができますが、銀行の業界全体で株価が下がった場合には、あなたの資産もその分減ってしまいます。銀行の他にもエネルギーやヘルスケア等他のセクターの会社の銘柄を保有しておくことで、よりリスクを分散することができます。このように、業種や地域、さらには資産を分散して投資できているかをみることによって、リスクを分散できているかどうかを確認することができます。ポートフォリオを作ったあとはどうすればいいの?ポートフォリオとは、「一回作ったら終わり」というものではなく、継続的に見直しをしていく必要があります。仮に株式を50%、債券を50%のポートフォリオを作成したとします。始めのうちはあまり大きな変化はありませんが、時間が経って、例えば、株式の値段が上がり、債券の値段が下がることで株式が70%、債券が30%のポートフォリオになってしまうことがあります。この場合にはあなたが当初想定していたリスク許容度とは異なるポートフォリオを保有してしまうことになります。そのため、始めに作成していたポートフォリオに合わせて保有する資産を調整する必要があります。このように、当初想定していたポートフォリオと実際に保有しているポートフォリオがずれてしまった時に、売買を行うことによって再度資産の比率を当初想定していた比率に調整することをリバランスといいます。リバランスをすることで、あなたが当初想定していたポートフォリオを継続的に保有し続けることができます。また、生活環境の変化等によってポートフォリオの見直しも必要になってきます。最初は大きな利益を求めてリスクの大きい資産を多く持っていたとしても、生活が変化し、投資のゴールやリスクの許容度も変化すると、それに合わせてリスクの小さい資産の比率を増やしたりと、あなたの生活に合わせてポートフォリオ自体を変える場合も出てきます。ポートフォリオを作成し、投資をした後も、ポートフォリオの運用状況や生活の変化に応じた投資のゴール、リスクの許容度を定期的に見直していけると良いでしょう。
投資とは?
投資とは、広い意味では「将来の利益を期待して何かしらにお金や時間などを費やすこと」です。自分のお金で株や不動産などを買い、将来的に値上がりしたタイミングで売ることで儲けを得るという形で、お金に関して「投資」という言葉を耳にすることが多いかもしれません。しかし、実際には大学受験のために時間をかけて勉強したり、将来の健康のためにお金を払ってジムに通ったりすることも投資なのです。ここでは、お金に関する投資について見ていきましょう。投資って何?投資とは、お金を払って何かしらの資産を買い、将来的な利益を得ることを言います。例えば、皆さんが100万円持っていたとします。このお金は銀行に預けておくことで、100万円のまま持ち続けることができます。しかし、この100万円を「投資する」といった時には、100万円で株式などを買います。投資をした株式の値段が高くなることや、定期的に支払われる配当金というものを受け取ることで、結果的に当初100万円だったものが1年後には105万円、3年後には120万円になることで利益を得ることができます。ここで購入する”資産”というものには株式や債権、ETF、不動産、通貨、ビットコインなどの暗号資産といった様々なものがあり、資産によって異なる特徴があります。投資をするときには、皆さんは自分で”資産”を選んでいくことになります。投資はリスクにならないの?投資というものには、必ずリスクが存在します。皆さんが100万円で買った株式の値段が上がり続けてくれれば良いのですが、残念ながら値段が下がってしまうこともあります。投資をする資産の値段は経済の動向や政治の情勢等、さまざまな要因によって変動するため、絶対に儲かるということはなく、またいつその値段が下がるのかも不確実です。投資をするときは、「将来的に利益を得たい」と思いながら投資をしていくものではありますが、同時に「もしかしたら値段が下がってしまうかもしれない」と理解しておくことも重要です。なぜ投資をするの?ここまで読むと、「リスクもあるかもしれないのになんで投資をするの?銀行に預けておいた方がお金も減らないし安全なのでは?」と考える人がいるかもしれません。しかしながら、皆さんが銀行に預けているそのお金にも実はリスクがあります。投資をする際に買う株式や家(不動産)の値段が下がるかもしれない、と言いましたが、皆さんが預けている日本の円も実は値段が上がったり下がったりしています。円の値段が下がると、皆さんがこれまで100円で買えていたものが、突然110円、120円と高くなってしまうことがあります。最近ではいつ、どこで災害、紛争、会社の倒産が起きるかわからない中で、突然円の値段が下がってしまうことも起こり得ます。このような事態に備えるために、皆さんが持っているお金を全て銀行に預けておくのではなく、株式や債券など、他の資産をいくつか同時に持っておくことで、どこかの資産の値段が下がったとしても他の資産の値段は維持できる、といった状態を作り出すことができます。これをリスク分散といい、投資をすることで、皆さんのお金が減ってしまうリスクを軽減することができます。例えば、あなたがA,B,Cという3つの土地に畑を持っていたとします。ある時、Aの土地で洪水が起きてしまい、作物が全て流されてしまい、Aの土地で育てていた作物が全部なくなってしまいました。もし、この時Aの土地だけでしか作物を育てていないと、あなたは作物を全く収穫できなくなってしまいます。でも、B,Cの土地でも作物を育てていれば、少なくともB,Cの土地の分だけ収穫はできます。どのようにしたら投資を始められるの?投資を始めるには、3つのステップを踏んでいくと良いでしょう。1. 投資のゴールとリスクの許容度を決める投資のやり方は人それぞれで、将来狙いたい利益も、取れるリスクも人によって異なります。例えば、将来に向けて資産を増やしていきたい人や、家を買うための資金を捻出したい人、定年に向けて安定的に資産を守りたい人等、さまざまなゴールがあります。また、ゴールが同じであっても、リスクの許容度も人によって異なります。とにかくできるだけリスクを抑えたい人もいれば、資産を増やすことを狙ってある程度リスクをとってでも投資をしたい人もいるでしょう。まずは、なんとなくでもいいので、何を目的に投資をしているのか、その中でもざっくりとリスクをとにかく抑えたいのか、ある程度リスクをとってもいいのかを決めてみると良いでしょう。投資スタイルを考える次に、あなた自身の投資スタイルを決めていくと良いでしょう。始めるにあたって、どのくらい投資の知識に自信があるのか、自分の総資産のうちどのくらいを投資に回すのか等によって、投資の方法は異なります。これは、投資だけを考えるのではなく、あなたの普段の仕事や生活の状況によって、どのように投資を行っていくのかを決めていけると良いでしょう。例えば、四六時中投資に関する情報を自分で集めながら投資を行って短期的に利益を得たい人もいれば、専門家や身近な人のアドバイスを聞いて毎月、数ヶ月に一度自分の投資の状況を見ながら中長期的に取引を行いたい人、あるいは全てお任せで投資してしまいたいという人もいます。また、手持ちのお金を維持するために預金の10-20%程度を使って投資を回すのか、預金の70-80%程度を投資に回して積極的に投資を行うのかによっても投資の方法は異なります。投資を行うための証券口座を開設し、取引を開始する。投資は、日常の買い物のように、いつでもすぐに行うことはできません。投資を行うには、投資を行うための証券口座を開設する必要があります。証券口座の開設は各証券会社の所定の方法で行うことができます。証券会社によって、投資できる資産や取引の方法等が異なるので、これまでに決めた投資のゴールやリスク許容度、投資スタイルにあった会社の証券口座を選ぶと良いでしょう。証券口座を開設したら、実際に投資を始めることができます。具体的に投資をする資産を選んで購入し、あなたの好きなタイミングで売却できるようになります。投資の始めるにあたっては、必ずしも初めから専門家のように詳しく勉強をする必要はありません。投資には常にリスクがあるということを念頭に置きつつ、まずはあなた自身の方針を決めていくのが良いでしょう。そして、投資は始めてからが大事になります。あなたが当初考えていたゴールやスタイルに合った投資ができているか、また生活の変化等に応じて、投資のゴールやリスク許容度の見直しが必要ないかを定期的に見直していくことが重要です。投資をすると世の中にどのような影響があるの?投資は、あなただけでなく、世の中に対しても影響を及ぼしていきます。あなたが株式や債券、不動産等に投資をする際に支払うお金は、これらを発行する企業や政府のお金となります。これによって、企業はあなたの生活をより良くするための商品やサービスを届けたり、政府が社会保障にお金を費やしたりできるようになります。投資はあなたの将来的な利益を目指すものであると同時に、企業や政府、その先の社会・経済を応援する活動であり、あなたの投資活動によって、社会・経済の好循環を作っていくことができるのです。