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【テスラ決算みどころ】ロボタクシーの動向とエネルギー事業に注目(TESLA)

【テスラ決算みどころ】ロボタクシーの動向とエネルギー事業に注目(TESLA)

本記事では、テスラの2024年1-3月期の決算を振り返りつつ、7月23日に控える2024年4-6月期発表の見どころを解説します。同社の株価は一時S&P500種構成銘柄の中で最も悪いパフォーマンスでしたが、前回決算から70%以上上昇し、見事V字回復を果たしています。前期の振り返り:3期連続の予想未達も株価上昇4月23日に発表された2024年1-3月期決算では、中国メーカーとの価格競争やEV需要の伸びの鈍化を背景に、予想を下回る売上高と利益になりました。営業利益率についても平均車両販売価格の低下から、前年同期比半減となる5.5%に低下しました。売上高:$213.0億(予想:$222.7億)EPS:$0.45(予想:$0.49) しかし、低価格モデル車の投入時期を2025年前半に前倒すと発表されたことで、株価は時間外取引で9%上昇しました。メディアからは「モデル2」と呼ばれ、2万5000ドルの販売価格と予想されていますが、実際に同格帯での発売が実現されれば競合メーカーの提供する格安EVと競合する可能性があります。また、ロボタクシーアプリ「CyberCab」のUIをプレビュー公開しました。テスラは2019年の投資家向け技術説明会にて、運転支援機能「フルセルフドライビング(FSD)」を搭載した完全自動運転車をリース販売し、テスラ提供の配車サービスプラットフォームに登録することで、オーナーカーをロボタクシーとして人々と共同利用できる構想を発表しました。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「テスラが自動運転を完成させると信じられなければ、テスラに投資すべきではない。我々はそれを実現する」と決算説明会で述べ、自動運転技術への自信を示しました。4-6月期の注目点:ロボタクシーの動向とエネルギー事業2024年4-6月期のテスラの「売上高予想は$243.3億、EPS予想は$0.61」、目標株価は203.8となっています。販売台数改善もEV市場の競争は激化テスラが7月2日に発表した、2024年4-6月期の納車台数は前年同期比4.8%減の44万3956台と2四半期連続でマイナスとなりましたが、市場予想の5%減ほど悪くなく、1-3月期の38万6810台を大きく上回ったことから、株価上昇を後押ししました。​しかし、米国の電気自動車(EV)市場におけるテスラのシェアは49.7%と四半期の市場シェアが初めて50%を下回りました。市場シェアの低下は、テスラがEV市場での優位性を失いつつあることを示しており、市場での競争激化に直面しています。ロボタクシーとFSDの最新情報はあるか一方、投資家はテスラを単にEVメーカーと評価することをやめ、自動運転タクシーの可能性を一部織り込みつつあります。アーク・インベストメント・マネジメントのキャシー・ウッド最高経営責任者(CEO)は、自動運転タクシー市場規模を8〜10兆ドル(約1267〜1584兆円)と位置付け、テスラのようなプラットフォームプロバイダーが半分を占めると見通しを示しています。7月11日、「ロボタクシー」の発表を当初の予定である8月8日から10月に延期することが報道され、株価は8%下落しましたが、その後2営業日で回復しています。また、FSDの採用率にも注目が集ります。FSDの価格は月額99ドルのサブスクリプションまたは8,000ドルの一括購入で、FSDから安定的した収益が得られれば、テスラの利益率とキャッシュフローは大幅に改善されることが期待できます。エネルギー生成・貯蔵事業が急成長7月2日、テスラのエネルギー生成・貯蔵部門は、第2四半期に9.4GWhのストレージ製品を展開し、前年同期比154%増加したことが発表されました。エネルギー事業の粗利率は25%と収益性が高く、テスラはエネルギー事業が着実に利益の源泉になっていると説明しています。モルガン・スタンレーは大型蓄電池を製造するエネルギー工場が完全に稼働すれば、テスラ車100万台を販売するのと同等の利益を生み出す可能性があると見積もっています。日本においてもエネルギー事業の拡大に向けて、テスラモーターズジャパンは5月20日付けで社名を「Tesla Motors Japan」から「Tesla Japan」へ変更しています。マクロ経済は追い風かまた、アメリカの金融市場で米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しが強まっていることから、自動車ローン金利の低下を通じてテスラの販売や利益率の追い風になる可能性が指摘されています。さらにトランプ政権が誕生し、EV購入に対する連邦税控除の廃止や関税の引き上げを実施すれば、テスラが恩恵を受ける可能性が高くなっています。

【アルファベット決算みどころ】YouTube・クラウドの好調つづくか(GOOGLE)

【アルファベット決算みどころ】YouTube・クラウドの好調つづくか(GOOGLE)

本記事では、アルファベットの2024年1-3月期の決算を振り返りつつ、7月23日に控える2024年4-6月期発表の見どころを解説します。同社の株価は年初来から約29%上昇し、S&P500指数の上昇率を上回るパフォーマンスとなっています。前期の振り返り:クラウド好調で増収増益、配当実施も発表4月25日に発表された2024年1-3月期決算では、売上高が前年比15%増、EPSが同62%増と市場予想を上回る堅調な結果でした。あわせて、初の配当実施と700億ドルの自社株買いの追加も発表し、時間外取引で株価は一時13%上昇となりました。売上高:$805.4億(予想:$787.1億)EPS:$1.89(予想:$1.51) セグメント別では、主力の広告事業の売上高は前年比約13%増の616億ドル。うち、Youtube広告が同21%増と成長を牽引しました。グーグルクラウドの売上高は前年比約28%増の96億ドル。同部門の営業利益は9億ドルと4倍以上に成長し、アナリスト予想の6億7240万ドルも大きく上回りました。ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)兼最高投資責任者(CIO)は「AIが当社クラウド顧客にもたらす恩恵にすっかり興奮している。AIソリューションズからの貢献が増えた」と述べました。4-6月期の注目点:AIソリューションとクラウドの成長性2024年4-6月期のアルファベットの「売上高予想は$841.6億、EPS予想は$1.83」、目標株価は196.9です。アナリストらは売上高、利益ともに堅調な業績を期待しており、YouTubeとグーグルクラウドの成長が鍵と見ています。AIソリューションの広告収益への影響は5月14日に開催されたGoogleの年次開発者会議「Google I/O 2024」では様々なAI機能の強力なパイプラインが披露され、同分野におけるリーダーシップを確立しようとするグーグルの姿勢を示したものとなりました。決算発表においても、AIアシスタント「Project Astra」などの最新情報を提供される可能性があり、AI機能がインターネット検索広告事業の収益にどのように貢献するか注目が集まります。一部のアナリストは、GoogleのAI推進がYouTubeのユーザーエンゲージメントの向上と広告収益の効率化に寄与していると指摘しています。ニールセンの6月視聴率調査によると、YouTubeは米国のテレビ視聴時間の9.9%を占め、米国消費者による視聴時間が最も長く、ネットフリックスが8.4%で2位となっています。クラウド部門の好調は続くかクラウド部門は好調ですが、同分野ではアルファベットはアマゾンとマイクロソフトに次ぐ第3位のサービスプロバイダーであり、新たな機会を狙い設備投資を増やしています。7月14日には、クラウドコンピューティング向けのサイバーセキュリティを提供する新興企業Wizと約230億ドル(3.6兆円)の買収交渉中であると報じられています。取引が実現した場合、クラウドコンピューティング分野における取り組みを後押しする可能性があります。4月4日に報道された、HubSpotの買収の可能性については、買収の保留が報じられています。

【米国市場サマリー】米中貿易摩擦の懸念や世界的システム障害もあり、大型テクノロジー銘柄は大幅下落

【米国市場サマリー】米中貿易摩擦の懸念や世界的システム障害もあり、大型テクノロジー銘柄は大幅下落

先週は、大型テクノロジー銘柄からの資金流出が続き、S&P500とNASDAQは週間で4月以来の大幅下落となりました。マクロ経済は好調なものの、トランプ前大統領の再選も含んだ米中貿易摩擦の懸念や世界的なシステム障害がテクノロジー株の下落相場を後押ししました。為替は、日米の要人発言を受けて一時的に円高に振れるも、週末にかけて反発しています。当局の為替介入はなかったとされています。こうした相場下落時のアクションについては以下記事もご覧ください。米国株式市場:大型テクノロジー株からの資金逃避でS&P500とNASDAQは4月以来の大幅下落7月15日(月) 米国株式市場は続伸し、トランプ前大統領の再選観測が強まり、規制緩和への期待が高まりました。FRBが9月にも利下げを始めるとの観測もあり、リスク選好度が上昇しました。FRBのパウエル議長は、米経済が景気後退を回避できるとの見方を示し、第2四半期のインフレ指標には目標回帰に向けた進展が見られたと述べました。暗号資産関連株も好調で、Coinbase Global、Marathon Digital Holdingsが10%以上も上昇しました。再生可能エネルギー関連株や中国企業株は下落しました。Goldman Sachs(GS.N)は2.6%上昇し、第2四半期決算で利益が2倍以上に増加しました。7月16日(火) ダウ工業株30種が終値で最高値を更新しました。6月の米小売売上高が予想を上回り、FRBが景気後退を回避しつつインフレを抑制するとの見方が強まりました。主要3株価指数は全て上昇しましたが、NVIDIAやMicrosoftなどの大型グロース株の下げがNASDAQの上昇を抑えました。UnitedHealth Groupは6.5%上昇し、Bank of Americaも5.3%上昇しました。7月17日(水) S&P 500とNASDAQが大幅安となりました。米中貿易摩擦の激化懸念から半導体株が急落しましたが、ダウ工業株30種は上昇し、3日連続で最高値を更新しました。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は6.8%下落し、NVIDIAやAppleの下落によりNASDAQは2.8%下落しました。FRBのベージュブックは経済活動が控えめなペースで拡大を維持したとの認識を示しました。金融市場は9月の利下げ開始確率を93.5%と織り込んでいます。7月18日(木) 主要株価3指数が軒並み大幅安となりました。大型グロース株から資金が流出し、相場は一時の上げから下げに転じました。投資家の不安心理を示すVIXは5月初旬以来の高水準を記録しました。S&P 500の主要11セクター中、ヘルスケア株の下げが最も大きく、エネルギー株は唯一上昇しました。Domino’s Pizzaは13.6%安でした。Netflixは第2四半期の新規会員数が市場予想を上回ったものの、第3四半期の見通しが慎重であったため引け後に下落しました。7月19日(金) 主要株価3指数が続落しました。世界的なシステム障害による混乱が長引き、不安が強まった市場では不確実性が高まりました。システム障害の原因はCrowdStrikeのセキュリティーソフトの障害とされ、CrowdStrikeの株価は11%急落しました。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は3.1%下落しました。Netflixは1.5%安、エネルギーセクターは最大の下げを記録しましたが、ヘルスケアと公益セクターは上昇しました。結果として、週の半ばから3日連続の下落で、特に半導体中心に大型グロース株が大きく下げて1週間を終えました。米経済のソフトランディングや金融緩和の見通しなどマクロ経済的には好調でしたが、大型テクノロジー銘柄から小型株への資金環流が続く中、トランプ前大統領の再選も含んだ米中貿易摩擦の懸念や世界的なシステム障害がテクノロジー株の下落相場を後押しした形になります。今週決算のあった主要銘柄のサマリー記事はこちらから。為替市場:日米要人発言で一時的に円高に振れる為替は、7月17日には米国のトランプ前大統領からドル高是正のコメントが、日本の河野太郎デジタル相から日銀への利上げ要求コメントがあり(後ほど直接求めたものではないと訂正)、一時的に円高が進みました。今回は当局の為替介入はなかったとみられています。しかし、その後は週末にかけて再び円安方向に振れ、1週間ではやや円高で終わりました。今週のマーケット:M7決算が始まり、大型テクノロジー銘柄の今後に注目今週(2024/7/22-7/26)は、AlphabetとTeslaの決算があり、資金流出で揺れるM7銘柄の決算が始まります。過去2週間下落している大型テクノロジー銘柄の相場を占う決算になりそうです。ブルーモの公式Xでも決算や指標の速報をお届けするので、興味ある方はフォローしてみてください。https://x.com/Bloomo_invest

【決算サマリー】アメリカン・エキスプレス / ブラックストーン (American Express / Blackstone)

【決算サマリー】アメリカン・エキスプレス / ブラックストーン (American Express / Blackstone)

本記事では、アメリカン・エキスプレス(American Express)、ブラックストーン(Blackstone)の決算サマリーをお届けします。アメリカン・エキスプレス(American Express)クレジットカード大手American Expressは、富裕層顧客が旅行、外食、エンターテイメントに多くの支出を続けていることから、年間利益予測を引き上げました。第2四半期の利益は予想を上回り、プレミアム顧客層に焦点を当てた戦略の進展を示しました。American Expressの富裕層のカード保有者は、他の貸金業者が高借入コストによる需要低迷を警告する中、経済の弱さからある程度守られています。CEOのスティーブン・スクエリは、「プレミアムでクレジットスコアの高い顧客、良好なコスト管理、および成功した投資がコア事業の収益力を支えている」と述べています。同社は2024年の1株当たり利益を13.30ドルから13.80ドルと予測し、以前の12.65ドルから13.15ドルの範囲を上回りました。第2四半期の利益は30億2,000万ドル、1株当たり4.15ドルで、前年同期比39%増加しました。不正防止技術部門Accertifyの売却による一時的な利益を除くと、1株当たり利益は3.49ドルで、アナリストの予測である3.24ドルを上回りました。売上は9%増加して記録的な163億3,000万ドルに達しましたが、予想の165億9,000万ドルには届きませんでした。先月、同社はレストラン予約プラットフォームTockをSquarespaceから買収することで、ダイニング業界での地盤を拡大しました。アナリストによると、この買収は中小企業市場でのAmerican Expressの取り組みを支援する可能性があります。同社は、このセグメントを収益性が高いと見ていますが、最近の中小企業の成長の鈍化を懸念しています。ブラックストーン(Blackstone)厳しい不動産市場が依然としてBlackstoneに重くのしかかっていますが、株主は状況が好転することを期待しています。世界最大のプライベートマーケット資産運用会社であるBlackstoneの株価は、アナリストの予想を下回る第2四半期の利益にもかかわらず、決算後の取引で3%上昇しました。Blackstoneは、第2四半期の利益が1株当たり96セントと発表しましたが、これはアナリストの予想を2セント下回るものでした。それでも、前年の93セントからは増加しています。Blackstoneの主要な不動産事業のうち、オポチュニスティック不動産とコアプラス不動産は、それぞれ昨年比で5.3%と3.1%の損失を出しました。特にコアプラス部門には、圧力を受けている大規模ファンドBREITが含まれています。米国での借入コストの上昇は、不動産市場全体に影響を与え、同社にとって挑戦となっています。不動産はBlackstoneの資産1兆800億ドルの中で最大の部分を占めていますが、過去12ヶ月間で唯一損失を出したセグメントです。一方、プライベートエクイティ、クレジットおよび保険、マルチアセット投資の各セグメントはそれぞれ成長しました。Blackstoneの社長兼最高執行責任者であるJon Grayは、不動産価格は底を打ち、投資家が連邦準備制度理事会の金利引き下げを期待する中で市場は緩和されると述べています。純利益は4億4400万ドルで、前年の6億100万ドルから減少しました。ウォール街のアナリストの予想では、純利益は7億6000万ドルでした。第2四半期の資金流入額は約400億ドル、投資額は340億ドルで、「過去2年間で最高の投資活動レベル」を反映していると、CEOのStephen Schwarzmanは声明で述べました。CitiのアナリストであるChristopher Allenは木曜日の顧客向けのメモで、Blackstoneの全体的なパフォーマンスは混合しているものの、資金調達と投資のトレンドが改善していることから見通しは明るいと述べました。

トランプトレードの注目銘柄は?トランプ再選が株価に与える影響

トランプトレードの注目銘柄は?トランプ再選が株価に与える影響

本記事では「トランプラリー」、「トランプトレード」について解説のうえ、2024年大統領選でのドナルド・トランプ氏再選が米国株市場に与える影響を考察します。今年の大統領選挙戦については、当初最後まで接戦が繰り広げられると予想されていましたが、6月の第1回討論会、7月のトランプ氏の暗殺未遂事件を受けて、米国では第2次トランプ政権が発足するとの見方が強まっています。大統領選のアノマリー(規則性や傾向)については過去の記事で解説していますので、関心のある方はあわせてご覧ください。トランプラリー、トランプトレードとは「トランプラリー」とは、2016年米国大統領選挙でのトランプ氏当選から生じた、米金利・株式・米ドルの急激な上昇を指します。トランプ政権の掲げる減税や財政出動などの経済政策期待から、米国長期金利が上昇し、外国為替市場ではドル高が進行しました。NYダウは45%、 S&P500は34%上昇し、米株式相場の上昇に伴って、日本をはじめ世界の株式相場も上昇しました。「トランプトレード」は、トランプ氏が大統領に当選した場合の政策を考慮した投資や資産売却を指します。今回の米国大統領選挙でも減税や規制緩和といったトランプ氏の公約に対する市場の期待感は強く、2016年の選挙においては当選後に始まったトランプトレードが前倒しで活発化しています。現在報道されているトランプ氏の公約・主張には以下のような内容が挙げられます。ただし、アナリストらは関税が経済に及ぼす影響については不透明感が強いと指摘しています。減税法人税を21%から15%に引き下げ中間層向けの減税株式売却益の減税関税引き上げ全ての貿易相手国に一律10%の関税中国からの輸入には60%超える対中関税を導入石油・天然ガス産業の推進、パリ協定から離脱米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の2026年5月の任期満了を認める方針JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)の財務長官への起用を検討トランプトレードの注目銘柄は?石油・天然ガス関連銘柄トランプ氏は石油・天然ガス投資や掘削活動の拡大方針を表明しており、エクソンモービル(XOM)などの石油生産会社やガソリン車メーカーは恩恵を受ける可能性があります。また、トランプ氏はバイデン政権による電気自動車(EV)普及政策を度々非難していますが、トランプ氏がEV購入に対する連邦税控除の廃止や関税の引き上げを実施すれば、競争が激化するEV市場でテスラ(TSLA)が恩恵を受ける可能性が高いです。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がトランプ氏に献金したことは報じられており、マスク氏はテスラの年次株主総会にてトランプ氏がサイバートラックの大ファンであることも述べています。ヘルスケア(製薬・医療保険)銘柄共和党が政権を奪取した場合、民主党とバイデン氏によるインフレ抑制法の下で導入された薬価抑制が実施される可能性が低くなり、イーライリリー(LLY)やメルク(MRK)などの製薬企業や、ユナイテッドヘルス(UNH)といった医療保険企業が規制緩和の恩恵を受ける見通しです。銀行・M&A関連銘柄トランプ政権では金融規制が緩和され、JPモルガン・チェース(JPM)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)などの銀行株が恩恵を受けるとみられています。また、反トラスト法(独占禁止法)の運用についても緩くなる公算が大きいことから、M&Aが活発化して、ゴールドマン・サックス(GS)やモルガン・スタンレー(MS)などの投資銀行にも注目が集まります。暗号資産関連銘柄トランプ氏は仮想通貨を支持する姿勢を示しており、仮想通貨に対する規制撤廃を公約しています。トランプ氏返り咲きの見方が強まると、コインベース・グローバル(COIN)やマラソン・デジタル・ホールディングス(MARA)などの暗号資産関連銘柄は大幅上昇しました。トランプ氏は、7月27日に開催されるビットコインカンファレンス「ビットコイン2024」への登壇も予定しています。

【決算サマリー】ネットフリックス / ドミノピザ (Netflix/ Domino's Pizza)

【決算サマリー】ネットフリックス / ドミノピザ (Netflix/ Domino's Pizza)

本記事では、今週決算のあった、ネットフリックス(Netflix)、ドミノピザ(Domino's Pizza)の決算サマリーをお届けします。ネットフリックス(Netflix)Netflixの株価は、決算発表後に上下しました。同社が6月期の利益で市場予想を上回ったものの、売上が予想とほぼ一致したためです。Netflixは、「ブリジャートン」、「ベイビー・レインディア」、「ジェントルメン」といった人気シリーズにより予想を上回る会員増加を示しましたが、予想を超えることはできず、株価は一時下落しました。しかし、その後1.5%上昇し、再び横ばいとなりました。ストリーミングテレビは、従来の「リニア」チャンネルから視聴者を奪っており、最新のニールセンのデータによれば、NetflixとアルファベットのYouTubeがそれぞれが米国の視聴時間の8.4%と9.9%を占めています。Netflixの共同CEOであるテッド・サランドスは、YouTubeで配信された決算説明会で、「リニアが衰退する中、私たちにはまだ多くの成長余地がある」と述べました。Netflixの6月期の結果は、同社が売上を増やし、営業利益率を拡大し続けていることを示しました。株価は今年32%上昇し、S&P 500の16%の上昇を上回っています。市場の今年の利益予想に対して株価収益率35倍と高評価を受けており、買い推奨が保有推奨の2倍となっています。4月には、Netflixが2025年から四半期ごとの会員数を公表しないと発表した際に、一部の投資家は会員増加が終わる兆候と見なしましたが、6月には会員数の増加が続きました。第2四半期の会員数は16%増加し、8百万人増加して合計2億7,770万人に達しました。これは市場の予想を上回りました。特にアジア太平洋地域での成長が顕著で、収益がドル高にもかかわらず増加しました。Netflixの売上は第2四半期で17%増加し、95億6千万ドルに達しました。純利益は21億5千万ドル、1株当たり4.88ドルで、ウォール街の予想を上回りました。第3四半期の売上は13.9%増加し97億ドルになると予想していますが、これは市場の予想をやや下回ります。しかし、9月の利益は1株当たり5.10ドルと予想されており、予想を上回っています。2024年の売上成長予測も14%から14.5%に引き上げました。Netflixは、毎年健全な売上成長と営業利益率の拡大を目指していると、CFOのスペンサー・ノイマン氏は述べました。第2四半期の営業利益率は27.2%で、前年同期の22.4%から5ポイント上昇しています。Wedbushのアナリスト、アリシア・リース氏は、Netflixが高成長低利益から低成長高利益のビジネスモデルに転換していると指摘していますが、成長の減速はすぐには見られないとしています。Netflixは、ゲームやライブイベント、広告支援型のサブスクリプション層など、新たな収益源を拡大しています。広告支援型のサブスクリプションは、米国で6.99ドルの料金で提供され、第2四半期には新規加入の45%以上を占めました。CEOのグレッグ・ピーターズは、YouTubeとNetflixが異なるニーズを満たしており、Netflixは高額な映画やテレビシリーズを制作する唯一のストリーミングサービスであると述べました。Wedbushのリース氏は、「Netflixはストリーミング戦争でほぼ克服不可能なリードを確立しており、競合他社はNetflixのビジネスモデルを再現しようとして苦戦するだろう」と書いています。ドミノピザ(Domino's Pizza)Domino’s Pizzaは、業界全体が減速する中でも、第2四半期においてプロモーションの頻度を増やさずに売上を成長させました。しかし決算後に株価は下落しています。同社のCEO、ラッセル・ワイナーは「消費者が混乱することなく、全メニューにわたる割引が提供される」と述べています。第2四半期にはカリフォルニア州のファストフード労働者の最低賃金上昇に伴い価格を1.5%引き上げました。売上は前年同期比7.1%増の11億ドルで、アナリスト予想をわずかに下回りましたが、他の多くのファストフードチェーンよりも強い成長を見せました。米国の店舗の既存店売上は4.8%、海外では2.1%増加し、全体の売上は44.3億ドルとなりました。利益は前年同期比30.8%増の1株当たり4.03ドルで、アナリスト予想の3.68ドルを上回りました。利益増加の約80%は、中国地域の独占フランチャイズであるDPC Dashへの投資に関連する未実現利益の変動によるものです。昨年、DPCは香港で上場し、ロックアップ期間終了後もDomino’sはDPC株を売却していません。Domino’sは昨年、2028年までに1,100店舗の新規開店と年間7%の売上増を目指す「Hungry for MORE」成長計画を発表しました。第2四半期には主に国際市場で228店舗を新規開店し、53店舗を閉鎖しました。しかし、日本とフランスの主要フランチャイズが抱える課題により、今年の国際市場での純店舗数増加が予定より175から275店舗少なくなる可能性があるとされています。この発表を受けて、Domino’sの株価は木曜日の取引で13.5%下落しました。ワイナーCEOは、これらの市場での課題に対する投資家の反応は過剰であり、中国とインドのフランチャイズは予測を上方修正していると述べています。閉鎖される店舗は非常に低い売上を記録しており、全体的な業績への影響は限定的であるとされています。

【決算サマリー】ジョンソン・エンド・ジョンソン / アボット・ラボラトリーズ / インテュイティブ・サージカル(Johnson&Johnson / Abbot Laboratories / Intuitive Surgical)

【決算サマリー】ジョンソン・エンド・ジョンソン / アボット・ラボラトリーズ / インテュイティブ・サージカル(Johnson&Johnson / Abbot Laboratories / Intuitive Surgical)

本記事では、今週決算のあったジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson&Johnson)、アボット・ラボラトリーズ(Abbot Laboratories)、インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical)の決算サマリーをお届けします。ジョンソン・エンド・ジョンソン (Johnson&Johnson)Johnson&Johnsonは、第2四半期の業績が予想を上回り、通年の利益予測を引き下げました。決算後の株式市場では、Johnson&Johnson株は3.7%上昇しました。同社は、通年の調整後の1株当たり利益を$9.97から$10.07と見込んでおり、以前の目標である$10.57から$10.62を下回っています。ガイダンスの引き下げは、最近の買収に関連するコストを反映しています。過去2か月で、Johnson&Johnsonはショックウェーブ・メディカル、プロテオロジックス、イエロー・ジャージ・セラピューティクスの買収を完了しました。これらの取引の総額は約152億ドルです。Leerink Partnersのアナリスト、デビッド・ライジンガーは、新しいガイダンスには改善された業績からの5セントの上昇が含まれているが、買収による68セントの打撃も含まれていると指摘しています。全体として、Johnson&Johnsonは第2四半期の売上高が224.5億ドル、調整後の1株当たり利益が$2.82でした。利益は10.2%増加し、売上高は4.3%増加しました。これらの数値は、それぞれ$2.71と$223.3億ドルの予想を上回りました。ただし、結果には注意点があります。薬品売上高は予想を2%上回りましたが、医療技術部門はアナリストの予測を3%下回りました。ライジンガー氏は、調整後の利益が予想を上回ったのは、研究開発費が予想よりも少なかったためだと指摘しています。革新的な医薬品部門は144.9億ドルの売上を上げ、報告ベースで5.5%増加しました。医療技術部門の売上は2.2%増加して79.6億ドルでした。アナリストは、薬品売上が141.3億ドル、医療技術の収益が81.7億ドルと予測していました。Johnson&Johnsonは通年の利益見通しを引き下げたものの、売上予測は880億ドルから884億ドルを維持しました。アボット・ラボラトリーズ(Abbot Laboratories)Abbot Laboratoriesの株価は、糖尿病事業の第2四半期の成長とガイダンスの引き上げを発表したにもかかわらず、株価は4.4%下落しました。6月30日に終了した四半期で、Abbot Laboratoriesは1株あたり1.14ドルの利益を上げ、売上高は103.8億ドルでした。利益は前年同期比で約6%増加し、アナリスト予想を3セント上回りました。売上高は厳密には4%増加し、自然成長ベースでは9.3%増加しました。医療機器部門がアボットの第2四半期の成績を牽引し、売上は厳密には10.2%増加し、47.3億ドルに達しました。自然成長ベースでは12.1%増加し、予想を上回りました。心臓の電気系統を分析する電気生理学製品の売上は自然成長ベースで16.7%増加しました。糖尿病ケアの売上は予想通りで、FreeStyle Libreからの売上は16億ドルに達し、自然成長ベースで20.4%増加しました。Abbot Laboratoriesは前四半期と同様に約25万人の新規ユーザーを追加しました。栄養製品の売上も予想通りでしたが、海外で販売される既存の医薬品は予想を下回りました。Abbot Laboratoriesは今年の1株当たり利益を4.61ドルから4.71ドルに引き上げました。新しいガイダンスの中間値は以前の予想を上回ります。売上見通しも引き上げられ、今年の自然成長率は9.5%から10%になると予想しています。インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical)Intuitive Surgicalの株価は木曜日の取引終了後に急上昇しました。同社は第2四半期の収益予想を大きく上回ったためです。6月期には、Intuitive Surgicalは調整後1株当たり利益を1.78ドルと発表し、前年同期比で25%以上の増加を記録し、予想の1.54ドルを大きく上回りました。売上も14%増加して20億1,000万ドルとなり、予想の19億7,000万ドルを上回りました。GraniteSharesの最高収益責任者であるポール・マリノ氏は、同社が供給制約を乗り越え、売上と利益を伸ばしていると述べました。GraniteSharesはIntuitive Surgicalの株をNasdaq Select Disruptors(DRUP)ETFで保有しています。特に、同社の主力製品であるda Vinciロボット手術システムを使用した手術件数は前年同期比で17%増加し、予想の15%を上回りました。Ionマシンを使用した手術件数は82%増加しました。これにより、一度使用すると廃棄される器具とアクセサリの売上も16%増加し、12億4,000万ドルとなり、予想の12億3,000万ドルを上回りました。また、da Vinciシステムの設置ベースは9,203システムに増加し、前年同期比で14%増加しました。その中には、今年米国で発売された最新のda Vinci Robotic Surgery 5システムが70台含まれています。

【マイクロソフト決算みどころ】Azureの好調続くか、設備投資額にも注目(Microsoft)

【マイクロソフト決算みどころ】Azureの好調続くか、設備投資額にも注目(Microsoft)

本記事では、マイクロソフトの2024年1-3月期の決算を振り返りつつ、2024年4-6月期発表の見どころを解説します。前期の振り返り:Azureの好調続き、予想を上回る増収増益に4月25日に発表された2024年1-3月期では、クラウド部門が全体の伸びを牽引し、売上高が前年同期比17%増、純利益は同20%増と市場予想を上回る結果となり、時間外取引で株価が約4%上昇しました。売上高:$618.6億(予想:$608.6億)EPS:$2.94(予想:$2.82) インテリジェント・クラウド部門の売上高は21%増の267 億ドルで、うちアジュールの売上高が31%増と市場予想の29%を上回る結果となりました。エイミー・フッド最高財務責任者(CFO)は「われわれが予想していた水準をかなり上回った」とインタビューで述べています。4-6月期の注目点:Azureの成長性とAI投資のコスト圧力2024年4-6月期の「売上高予想は$643.7億、EPS予想は$2.93」、平均目標株価は$493です。アナリストらは売上高、利益ともに堅調な業績を期待しており、注目は引き続きクラウド部門と同社のAI戦略に集まります。ただし、直近の米国株式市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)による9月利下げ観測が高まる中、割高感のある大型グロース株から割安感のあるバリュー株や中小型株に投資資金がシフトする動き(セクターローション)が見られています。マイクロソフトについても、決算発表において成長の勢いにかげりが見られれば、株価にとって逆風となる可能性があるので注意が必要です。クラウド部門の成長は市場予想を超えるかマイクロソフトのクラウド部門は、同社で最も成長しているセグメントであり、クラウド部門での予想を上回る成長が株価上昇の要因のひとつとなってきました。直近3四半期において、Azureは競合のAWSよりも速いペースで成長しており、世界のクラウドインフラ市場でのシェアを25%にまで伸ばし、シェア首位であるAWSの31%に近づきました。5月に開催された開発者向け年次イベント「Microsoft Build 2024」においても、AzureのAI機能の強化や新サービスが発表されました。アナリストらは、マイクロソフトの生成AIにおける取り組みが収益化の機会を促進し、クラウドインフラ市場シェアの獲得を加速させる可能性が高いと考えています。他部門でも堅調な2桁成長が期待また、Office 365の業績もマイクロソフトの主な成長要因と認識されています。「生産性とビジネスプロセス」部門は、E3/E5プレミアムサブスクリプションプランの好調な販売に加えて、 Copilot for Microsoft 365の初期販売が成功したことにより、ユーザーあたりの平均収益 (ARPU) が増加し、前年同期比 10%の安定した成長が見込まれています。同様に、ウィンドウズを含む「モアパーソナルコンピューティング」部門についても、PC出荷台数の回復が続き、2桁台前半の成長で進むと予想されています。AI投資が利益を圧迫しないかまた、エイミー 氏が設備投資額について、4-6月期は大幅に増加との見通しを示しており、AI投資におけるコスト圧力にも注目が集まります。前四半期では、設備投資額が140億ドルと過去最高に達するなか、2025年度の営業利益率は前年比で 1 ポイント程度しか下がらないという同社のガイダンスに市場は安心しました。直近においては、地政学的リスクの抑制に向けた東南アジア市場での事業拡大やヨーロッパでのインフラ整備が多数報道されています。インドネシアでのAI・クラウドのインフラ整備 17億ドル(約2660億円)マレーシアでのデジタルインフラ構築 22億ドル(約3400億円)フランスでのAI・クラウドのインフラ整備 40億ユーロ(約6720億円)スペインでの新データセンター建設 67億ドル(約1.1兆円)

テクノロジー銘柄が下落する中、ダウ平均や小型株は好調?米国市場の現在地

テクノロジー銘柄が下落する中、ダウ平均や小型株は好調?米国市場の現在地

こんにちは。ブルーモ証券代表の中村です。7月8日週から、米国株式市場ではテクノロジー銘柄の大きな下落と、為替市場ではドル円の円高への是正が進んでいます。特に7月17日の米国市場ではNASDAQが2.7%超の大幅下落をしました。これは2024年冒頭から続いたグロース株上昇と円安進行に対する大きな変化(ショック)で、驚かれている方も多いのではないかと思います。本記事では、足下の米国市場で何が起きているかを解説していきたいと思います。相場下落時の対応については以下記事もご覧ください。米国株式市場に対する調整の背景大型テクノロジー銘柄に過度な資金集中が生じていた2024年はNASDAQが21.8%上昇、S&P500が17.8%上昇と大きな相場上昇が続いていました(年初来、202年7月17日終値ベース)。特に2024年第2四半期(4-6月)はNVIDIAをはじめとする半導体企業の決算が好調だったこともあり、テクノロジー株に投資が集中して株価が上昇する一方、伝統的な大型銘柄は伸び悩んでいました。具体的には、第2四半期でS&P500とNASDAQは四半期でそれぞれ3.9%、8.3%上昇しましたが、ダウ工業株30種は1.7%安でした。こうした大型テクノロジー企業の株価好調に支えられ、S&P500の指数に占めるマグニフィセント7銘柄の比率は30%超と、歴史的な高水準に達していました。好調な業績を背景にしているとはいえ、この資金集中に対する巻き戻しが生じる可能性があったと言えます。資金集中の巻き戻しの結果、7月17日にNASDAQが2.7%下落した際も、ダウ工業株30種は上昇しています。高金利下で過小評価されていた小型株に見直しテクノロジー株から資金移動が起きる中、大きく上昇していたのは米国小型株です。この小型株への資金シフトトレンドが明確に現れたのはRussel2000という米国の小型株インデックスで、米国企業の時価総額1001位から3000位の2000銘柄で構成されています。Russel2000はS&P500やNASDAQが落ちる中、先週から10%近く上昇しており、特徴的な動きとして注目を集めています。小型株は一般的に債務負担が大きい(=借入をして事業に投資する)ため、高金利下では業績が伸び悩む傾向にありますが、足下でFRBの利下げが確定路線になったことで、収益改善の見通しが立って上昇していると考えられます。米政府の対中強行姿勢で半導体株が下落また、足下での動きとして、米国政府が中国に対する最先端の半導体輸出に対して規制をかける可能性があると報じられており、これが半導体企業の業績にマイナスの影響を与えると懸念され、半導体株が大幅下落しています。中国に対する規制検討は現行のバイデン政権での報道ですが、大統領選の対抗馬であるトランプ前大統領も中国に対して強行姿勢のため、いずれが政権を取った場合でも大きな方向性に変わりはないとも見られています。一方、半導体株への期待は足下で高まり過ぎていたところでもあるので、決算を前に一旦の落ち着きを見せて良かったと評価するアナリストもいます。為替市場でのドル高是正の背景日米金利差是正に向けた進展ドル円は160円台と歴史的な高水準に達していましたが、大きな要因は米国と日本の金利差(高金利の米国に低金利の日本から資金が流出する)にありました。2024年は当初利下げが期待されていたものの、第1四半期で中々インフレが沈静化しないのを見て、日米金利差は縮まらない状態でした。ところが、足下の1−2ヶ月間は重要なインフレ指標であるCPIも予想を下回る数字を見せており、FRBの利下げ路線が固まったと見られています。この利下げ予測が日米金利差の縮小を期待させて、円高へのプッシュとなりました。さらに、それを後押しするように7月17日には米国のトランプ前大統領からドル高是正のコメントが、日本の河野太郎デジタル相から日銀への利上げ要求コメントがあり、さらに日米金利差の縮小を期待させる要因になっています。日本の当局による断続的な為替介入こうした円高方向の為替変動トリガーとなるイベントに対して、日本の政府・日銀が断続的な為替介入も続けています。5月の大型介入の後、追加での為替介入はないと見ていた市場関係者からはこれがサプライズとなり、足下の円高進行を支えています。今後の注目ポイント足下の米国市場は、資金が一部のテクノロジー企業から市場全体に循環している動きなので、ある程度分散して投資をしていれば大きな懸念がある状態ではないと言えます。米経済のソフトランディングが進む中、FRBはまだまだ利下げ余地を残しているので、市場全体が大きく落ち込み続けるリスクは低いと言えます。テクノロジー銘柄に集中投資している場合、今後どこまで資金流出が進むかがポイントです。次回決算で出てくる業績が大きなファクターになりますが、足下で一旦過度な期待への調整が入ったので、決算が良かった企業にとってはアップサイドの大きい環境になっています。この機に集中投資からリスクを下げて分散したり、ポートフォリオの構成を見直したい方は以下の記事をご覧ください。ドル円相場はより予測が難しいですが、直近で追加のサプライズは出にくい環境になっています。まず、為替介入は無限に投下されるわけではないので、ここだけに期待することは難しいと見られています。FRBのFOMC(利下げを決める会合)や日銀の金融政策決定会合を控えているので、会合後のコメントで何かサプライズが出れば相場変動の要因になります。7月30日・31日開催予定のFOMCと日銀金融政策決定会合には注目です。金融市場の全体像やFRBの仕組みについての解説はこちらをご覧ください。

リスクオフとは?相場下落時の3つのオプション

リスクオフとは?相場下落時の3つのオプション

こんにちは、ブルーモ証券代表の中村です。米国株市場は近年右肩上がりで上昇していますが、上昇相場には「調整」と呼ばれる短期的な下落局面が必ず生まれます。これは、過熱した株価を適正水準に修正するような取引が生まれ、それまでとは逆方向に株価が揺れることを意味します。上昇相場の中で投資を始めた方も多く、下落局面を初めて経験する方もいると思うので、相場が下落した時にどうすれば良いのか、いくつか判断材料を提供できればと思います。ブルーモでは、リバランス機能によってポートフォリオの組み替えを簡単に実行できるので、今後の運用を迷っているユーザーの皆さんも是非読んでみてください。(最終更新:2024年7月)目次前提:長期投資であれば時間は味方リスクオフとは?「何もしない」以外の3つのオプションオプション1:株式に追加投資していくオプション2:安全資産の比率を高めるオプション3:一時的に安全資産に逃避する安全資産とは?おすすめのリスクオフ先米国短期債券ゴールド足下の市場で何が起きているのか(2024年4月時点)米国利下げ延期見通しと中東情勢で、上昇相場に調整が入った下落相場の中でも上がっているポートフォリオは?前提:長期投資であれば時間は味方まず基本的な部分ですが、長期で分散した投資をしている場合、足下の相場が下落しても慌てる必要はありません。投資期間が1ヶ月のような短期ではなく、10年以上のような長期であれば、世界経済が成長する中でリターンが出る確率は高いです。以下は当社HPにも掲載している過去30年の株式相場推移ですが、少なくとも米国市場は過去に大きなショック(ドットコムバブル、リーマンショック、コロナショック)もありましたが、長期的に株式市場は上昇しています。もう少し細かく月次のS&P500指数の動きから、各ショックの継続期間と下落幅をまとめたものは以下になります。足下の相場下落はここまで大きな話になっていませんが、ワーストシナリオを知る意味で参考になります。なので、長期的な資産運用をするのであれば「ここで投資をやめる」は得策ではなく、「何もしない」でも大きな問題はないです。ただ、足下の下落に対して何か動きたい方に向けて、いくつかのオプションを解説したいと思います。リスクオフとは?「何もしない」以外の3つのオプション投資用語で「リスクオフ」とは、投資家が相場の下落に備えて金融資産をリスクの高い商品からリスクの低い商品(安全資産)に移すことを言います。逆に「リスクオン」とは、投資家がリスクの高い商品に移行することを指します。足下の相場に対して「リスクオフ」をするかどうかは、今後の市場に対する見立てに依存します。以下に「何もしない」パターン以外の投資オプションを、市場への見立てによってまとめました。オプション1:株式に追加投資していく仮に足下の相場下落が一時的な場合、下落した価格で投資できるチャンスと考えることができます。投資からのリターンは、投資している銘柄の平均取得単価(投資時の株価平均)と時価の差分で生まれるので、株価が低い時に資金をたくさん入れると、当然ですが将来上昇した時のリターンも大きくなります。なので、投資銘柄の平均取得単価を下げるため、新たに現金を投入して追加投資することがオプションになります。注意点としては、株価の下落がさらに続く場合、追加投資分も含めてしばらく損失が出るので、相場の下げ止まりに確信が持てない場合、分割して徐々に資金を入れていくのが得策です。積立投資設定をしている方は、何も設定を変えないと基本はこのオプションで投資が続きます。オプション2:安全資産の比率を高める相場が下落しても影響を受けない安全資産のポートフォリオ比率を高め、相場変動に対する影響を中和するオプションで、今回のオプション1とオプション3の中間に当たります。具体的には株式・暗号資産・不動産といったリスクの高い商品を売却し、債券などのリスクの低い商品に投資するリバランスを実行することになります。相場変動への影響中和は下落時も上昇時も同じなので、相場上昇時のリターンも限定的になる点には注意が必要です。基本は一時的に安全資産の比率を高める想定ですが、今回のような相場下落に備え、安全資産をこの先もある程度組み込むのも良いでしょう。オプション3:一時的に安全資産に逃避する3つ目は相場下落に対して最も大きな動きになりますが、一時的にポートフォリオ全体を安全資産で構成してリバランスするというオプションになります。相場下落の影響は全く受けなくなるので、どれだけ市場が悪化しても資産が減ることはなくなります(安全資産そのものに変動がある場合を除く)。「ここで投資をやめる」に近いように感じるかも知れませんが、大きな違いは「一時的なこと」「安全資産からも一定のリターンを期待する」点にあります。「一時的なこと」とは、上昇のタイミングでのリスクオン(安全資産から株式等にリバランスすること)を実行し、上昇局面でのリターンを取り逃がさないことを意味します。このオプションを取る場合、いつ戻すかをその後も検討するのが大事です。安全資産とは?おすすめのリスクオフ先現金以外の安全資産として、ブルーモからも投資できる代表的なものを2つ紹介します。うまく活用すれば下落相場でも一定のリターンを期待できます。米国短期債券安全資産の一番代表的なものは債券(特に国債)です。債券は一定の利率を設定して発行された借入のための有価証券です。国債であれば借入元は政府なので、(特に先進国なら)債務不履行のリスクはほとんどなく、利率から安定したリターンを期待できます。今回の相場下落の大きな要因にもなっている「米国の高金利」ですが、これは裏を返すと米国の債券の利率が高いことを意味しています。なので、米国債に投資することで相場変動を回避しつつ、日本の金利よりは遥かに高いリターン(2024年4月時点で年利回り5%程度)を得ることができます。ただし、リスクオフを目的に債券投資する場合、気をつけないといけないのが「短期債であること」です。長期債の場合、金利が上がると価格が下がる関係にあるため、米国の利下げがさらに遅れるとそのタイミングで価格下落に直面するリスクがあります。ブルーモでも取り扱っている具体的な商品としては、「米国短期国債ETF(SHV)」と「米ドル建て投資適格変動金利ETF(FLRN)」がリスクの低さからおすすめです。米国短期国債ETF(SHV)残存期間1年未満の米国債に投資するETFで、流動性が極めて高いため、金利が上下してもほとんど価格が変動しません。過去5年間の値動きでも、+0.47%~-0.71%の間でしか動いておらず、ほぼ現金見合いとも言える変動の低さです。ここまで安全だとリターンも低そうですが、足下の米国金利の高さから分配年利回りは2024年4月時点で5.27%と、安全資産としては安定したインカムリターンを提供してくれます。米ドル建て投資適格変動金利ETF(FLRN)こちらは変動金利債に投資するETFで、投資債券の金利自体が市場水準に合わせて変動するので、金利の影響での価格変動は限定的です。こちらも2024年4月時点の分配金利回りは5.97%と、一定のインカムリターンを提供してくれます。SHVも同様ですが、短期債は金利が下落するとそれに伴い分配金利回りもすぐ下がるので、将来的にも年5%のリターンを約束されているわけではなく、金利下落局面(そしておそらくは株価上昇局面)での見直し検討は必要です。ゴールドもう一つの代表的な安全資産がゴールド(金)です。信用リスクのない(投資先が破綻したりがない)現物資産として、金はリスクオフのタイミングで買われる傾向にあります。最近は世界の中央銀行が運用先として金を買っていることから、さらに相場が上がっており、株式市場が下落する中でも金は上がり続けています。金に手軽に投資する方法は、ETFを購入することで、ブルーモでもゴールドETF(GLD)を取り扱っています。ゴールドETFは過去5年で83%上昇しており、過去1ヶ月間でも9.3%上昇しています。ただし、短期債と違って、金は現物資産の取引状況によって下落する可能性もあるので注意が必要です。資産価格の変動をどれだけ排除したいかで、短期債ETFにするかゴールドETFにするかを決めると良いでしょう。足下の市場で何が起きているのか(2024年4月時点)米国利下げ延期見通しと中東情勢で、上昇相場に調整が入った2024年第二四半期は世界的に株式市場が調整局面に入り、4/15-4/19の1週間で米国のS&P500指数は3.8%下落、日本の日経平均も5%下落するなど、大きな市場変動が起きています。そもそもの話として、4月に入ってからの株式市場で何が起きているかを振り返ります。2024年の株式相場は、米国での利下げ期待により好調でした(上昇を続けていました)。利下げで企業業績が良くなり、株価上昇を見越した投資家が米国株への投資を進めたことで、相場全体が上がっていました。ここに「利下げ延期見通し」と「中東情勢の不安定化」が飛び込んできました。「利下げ延期見通し」は、米国経済の強すぎる指標(物価指数など)が明らかになることで、FRBが利下げを予想通りには実行できない見通しが出てきたことを意味します。経済が強いのは良いことなのですが、結果的に利下げ延期見通しになって株式相場を下落させています。「中東情勢の不安定化」は、イスラエルと周辺勢力の関係が悪化することで原油の流通に問題が出て、原油価格の高騰から経済の低成長につながるのではないかという株価を伸びにくくしています。大きな危機が顕在化している状況ではなく、米国に限れば実体経済は堅調ですが、上記による不確実性から株式市場のリスクオフが進んでいるのが現状です。下落相場の中でも上がっているポートフォリオは?ブルーモでは、「週間比ランキング」から直近でどんなユーザーのポートフォリオが評価損益で上昇しているか分かります。今週の動きを見ると、高配当株の公式ポートフォリオをコピーして運用しているユーザーのポートフォリオが伸びていました。具体的には「ダウの犬」「高配当株式セレクション」の公式ポートフォリオは週間比で1.8%くらいの上昇を見せていました(同期間でS&P500は3.8%下落)。また、債券ETFをミックスした公式ポートフォリオも価格変動しておらず、一定の分配金利回りがあることを考えると、これらのポートフォリオをコピーして運用している場合もリスクオフ時の投資としてはうまくいっていそうです。セクター特化のポートフォリオでは、「小売・生活必需品」「金融サービス」の週間比上昇が大きく、リスク時に強いセクターも見えています。

【決算サマリー】バンク・オブ・アメリカ / モルガン・スタンレー / ユナイテッドヘルス (Bank of America / Morgan Stanley / UnitedHealth)

【決算サマリー】バンク・オブ・アメリカ / モルガン・スタンレー / ユナイテッドヘルス (Bank of America / Morgan Stanley / UnitedHealth)

本記事では、7月16日に決算のあったバンク・オブ・アメリカ(Bank of America)、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)、ユナイテッドヘルス(UnitedHealth)の決算サマリーをお届けします。Bank of AmericaとMorgan Stanleyともに資本市場業務の収入増により予想を上回る業績を上げており、特にBank of Americaは純金利収入が好転するガイダンスを出したことで株価が上昇しています。UniterHealthはサイバー攻撃被害の懸念が広がる中、好調な利益によって株価が上昇しています。バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)Bank of Americaは、16日に発表した第2四半期の売上と利益が予想を上回り、投資銀行および資産管理手数料が増加したと報告しました。好調なガイダンスにより株価は上昇しています。1株当たり利益は83セントで、予想の80セントを上回り、売上は255.4億ドルで予想の252.2億ドルを上回りました。前年同期比で利益は6.9%減の69億ドルとなり、純金利収入が高金利の影響で減少しましたが、売上は1%弱の増加となりました。特に投資銀行手数料は29%増の15.6億ドルで予想の15.1億ドルを上回り、資産管理手数料は14%増の33.7億ドルとなり、これによりウェルスマネジメント部門の収入は6.3%増の55.7億ドルとなりました。また、純金利収入は3%減の138.6億ドルで予想と一致しました。しかし、この指標に関する新しいガイダンスが投資家に自信を与えました。純金利収入は銀行がローンで得る収益と預金者に支払う利息の差額で、銀行にとって主要な収益源の一つです。Bank of Americaは、純金利収入が今年第4四半期には約145億ドルに増加すると予測しました。これは、純金利収入が第2四半期に底を打つとの経営陣の以前の説明を裏付けるものです。Wells Fargoの株価は純金利収入の数値が期待外れだったために下落しましたが、Bank of Americaの株価は純金利収入の新たなガイダンスにより5.4%上昇しました。モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)Morgan Stanleyは、第2四半期の利益と売上が市場の予想を上回ったと発表しました。これは予想以上に強いトレーディングと投資銀行業務の結果によるものです。具体的には、1株当たり利益は1.82ドルで、予想の1.65ドルを上回り、売上は150.2億ドルで、予想の143億ドルを上回りました。前年同期比で利益は41%増の30.8億ドル、売上は12%増の150.2億ドルとなりました。株価は同社のウェルスマネジメント部門が利息収入の減少で予想を下回ったため一時的に下落しましたが、16日には1%弱の上昇に転じました。ウェルスマネジメント部門の収入は2%増の67.9億ドルで、予想の68.8億ドルを下回り、利息収入は前年同期比で17%減少し17.9億ドルとなりました。これは富裕層の顧客が金利環境の影響でより高利回りの資産に預金を移し続けたためと説明されました。一方、四半期中の取引と投資銀行業務の反発により、同社の資本市場中心のビジネスモデルが恩恵を受けました。通常とは異なり、機関投資家向けトレーディング部門がウェルスマネジメント部門を上回る収益を上げました。株式トレーディングの収入は18%増の30.2億ドルで、予想を約3.3億ドル上回りました。債券トレーディングの収入は16%増の19.9億ドルで、予想を1.3億ドル上回りました。投資銀行業務の収入は51%増の16.2億ドルで、予想を2.2億ドル上回りました。これは主に非投資適格企業による負債調達の増加によるものです。CEOのテッド・ピックは「資本市場環境の改善に伴い、当社は再び強力な四半期業績を達成した。戦略の実行を続け、株主に成長と長期的な価値を提供するために良好なポジションにいる」と述べました。ユナイテッドヘルス(UnitedHealth)UnitedHealthの株価は16日の決算発表後に上昇しました。同社の予想を上回る利益が、2月に発生したサイバー攻撃によるコスト増への懸念を和らげたためです。株価は6%以上上昇しています。UnitedHealthの1株当たり利益は6.80ドルで、アナリスト予想の6.66ドルを上回り、売上も989億ドルで市場の予想をわずかに上回りました。しかし、同社は技術部門であるChange Healthcareに対する2月のサイバー攻撃の影響が残っていることを認めました。この攻撃により、同社は支払いシステムが混乱し、一部のパートナーに90億ドル相当のローンを提供する必要が生じ、年間の利益に1株当たり1.90ドルから2.05ドルの影響があると見込まれています。以前の予測は1.15ドルから1.35ドルの影響でした。5月には、CEOのアンドリュー・ウィッティが上院金融委員会でサイバー攻撃について証言し、ハッカーが「かなりの量」のデータを盗んだ可能性が高いと警告しました。また、医療損失率(保険会社が医療請求に支出する保険料ドルの割合)も、6月30日に終了した四半期で約2ポイント上昇し、85.1%となりました。今回決算での利益の上昇は、下落から始まった2024年を逆転する機会を与えるものです。決算前の月曜日終値時点で株価は年初来で2.1%下落していました。

【決算サマリー】ゴールドマン・サックス / ブラックロック (Goldman Sachs / BlackRock)

【決算サマリー】ゴールドマン・サックス / ブラックロック (Goldman Sachs / BlackRock)

本記事では、7月15日に決算のあったゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、ブラックロック(BlackRock)の決算サマリーをお届けします。両社ともに決算後の株価は上昇しています。Goldmanは債券トレーディングの好調な結果により売上・利益共に予想を上回り、BlackRockは売上は予想に届かないものの利益は予想を上回りました。ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)Goldman Sachsは第2四半期の決算で利益と売上が予想を上回ったことを発表しました。主な要因は債券トレーディングの好調な結果と貸倒引当金の減少です。ゴールドマンの株価は決算発表後に1%以上上昇しました。具体的には、1株当たり利益が$8.62で、アナリスト予想の$8.34を上回り、売上は$127.3億ドルで予想の$124.6億ドルを上回りました。利益は前年同期比で150%増加し、$30.4億ドルに達しました。前年同期の結果は商業不動産と消費者向け事業の売却に関連する減損の影響を受けていました。特に債券トレーディング部門の収入は17%増加して$31.8億ドルとなり、予想を約$2.2億ドル上回りました。この成長は、金利、通貨、および住宅ローン取引市場での活動の増加によるものです。他の部門では、株式トレーディング収入が7%増加して$31.7億ドルとなり、これは予想に一致しました。また、ウェルスマネジメント部門の収入は27%増加して$38.8億ドルとなり、予想とほぼ一致しました。プラットフォームソリューション部門の収益も2%増加して$6.69億ドルとなり、予想の$6.52億ドルをわずかに上回りました。さらに、消費者ローンの縮小がプラスの影響を与え、四半期の貸倒引当金は54%減少して$2.82億ドルとなりました。これは、予想の$4.35億ドルを大幅に下回る結果です。しかし、Goldmanの有名な投資銀行業務はライバルに比べて期待を下回りました。投資銀行手数料は21%増加して$17.3億ドルとなりましたが、予想の$18億ドルを下回りました。特にアドバイザリー手数料が$6.88億ドルで、予想の$7.57億ドルを下回ったことが影響しています。Goldmanの投資銀行手数料の増加率は、JPMorgan ChaseやCitiの50%以上の増加に比べて低いものでした。Goldmanの最高財務責任者(CFO)であるデニス・コールマンは、ゴールドマンがM&A市場でのシェアで依然として1位であり、前年同期比で好調な結果に注目すべきと述べました。ウォール街のビジネスが不振だった2023年を経て、Goldmanには高い期待が寄せられています。6大米国銀行の中で、Goldmanは投資銀行業務とトレーディングに最も依存して収益を上げているためです。先週、ライバルのJPMorganとCitiは、投資銀行手数料の急増と予想以上の株式取引結果により、期待を上回る結果を発表していました。ブラックロック(BlackRock)BlackRockは、第2四半期の利益が前年比で11%増加し、アナリストの予測を上回ったと発表しましたが、同社のファンドへの総流入額、特に長期ファンドの流入額は市場の期待に届きませんでした。同社の株価は決算後におよそ0.6%上昇しました。BlackRockの第2四半期の調整後純利益は15.5億ドルで、前年同期の14億ドルを上回りました。1株当たりの調整後利益は10.36ドルで、前年同期の9.28ドルを上回り、売上は48億ドルで前年同期の44.6億ドルを上回りました。世界最大の資産運用会社であるBlackRockは、市場が過去最高値に達し、プライベートマーケットへの進出を積極的に進めた結果、運用資産は前年比13%増の10.64兆ドルに達しました。共同創設者兼最高経営責任者のラリー・フィンク氏は、プライベートマーケット、リテールでの好調な債券収入、ETFへの流入がオーガニックな成長を牽引していると述べました。BlackRockは、技術プラットフォーム「アラジン」とプライベートマーケットビジネスを活用し、広範な機会を最大限に活用しています。今年、BlackRockは、125億ドルでプライベートインフラ投資会社Global Infrastructure Patnersを、32億ドルでプライベートクレジットや不動産のアナリティクスを販売するPreqinを買収しました。BlackRockは、プライベートマーケットやテクノロジー、ポートフォリオマネジメントに注力し、これらの分野での成長を目指しています。今年の株価は2.7%上昇し、S&P 500の19%の上昇に比べるとやや控えめです。

【ネットフリックス決算みどころ】広告付きプランで収益拡大か(NETFLIX)

【ネットフリックス決算みどころ】広告付きプランで収益拡大か(NETFLIX)

本記事では、米動画配信サービス大手ネットフリックス(NFLX)の2024年1-3月期の決算を振り返り、7月18日に控える2024年4-6月期決算の見どころを解説します。同社の株価は年初来から約38%上昇し、S&P500指数の上昇率の2倍を上回るパフォーマンスとなっています。オプション市場は決算発表後に約±8%の変動を織り込んでいます。前期の振り返り:好業績も見通しが予想届かず株価下落4月18日に発表された2024年1-3月期決算では、会員数の伸びが追い風となり、売上高・EPSともに市場予想を上回る結果となりました。有料会員数は2億6,960万に達し、前四半期からの純新規会員数の増加は933万と、市場予想平均の倍近くとなりました。売上高:$93.7億(予想:$92.7億)EPS:$5.28(予想:$4.51) しかし、4-6月期の見通しが市場予想を下回ったほか、2025年の第1四半期から「新規加入者数」の報告を停止すると発表したことから、時間外取引で株価が4.2%下落しました。非公開に転じた理由について、グレッグ・ピーターズ共同最高経営責任者(CEO)は「事業にとって最も重要と思われる主要な指標に焦点を当てたい」と説明し、同社がサブスクリプションを中心としたビジネスモデルから、広告をはじめとする新たな収益源に移行していく姿勢が示されました。売上高見通しについても、引き続き会員数の増加が成長をけん引する一方、プランの値上げや広告収入の増加が今後寄与すると述べました。4-6月期の注目点:広告付き安価プランの成長性2024年4-6月期のネットフリックスの「売上高予想は$95.3億、EPS予想は$4.74」、平均目標株価は$670.2です。市場の注目は、新規会員数の動向および同社の広告戦略に集まると想定されています。広告付きプランで会員数・収益拡大かネットフリックスは、2023年半ばから同一世帯以外のアカウント共有の取り締まりを強化し、会員数を大きく押し上げました。しかし、取り締まりによる力強い成長は鈍化し、広告付きの安価プランによる加入者の拡大が続くと見込まれています。広告付きプランを利用するユーザー数は、2024年5月中旬時点で合計4000万人に達し、1月の約2300万人から急増しています。また、広告収入の増加から、広告付きプランは広告なしプランよりもユーザーあたりの収益が多くなる予想されています。同社は広告技術への投資も増やしており、2025年末までに自社製の広告プラットフォームを導入する計画を発表しています。広告に適した、スポーツコンテンツの拡充ネットフリックスは直近、アメフトやレスリングの生中継などライブスポーツ関連の契約を多数発表しており、決算発表ではスポーツコンテンツの提供拡大に関する最新情報が提供される可能性があります。アナリストらは、同社がスポーツ中継に力を入れているのは広告ビジネスを成長させるためだと考えており、ライブスポーツコンテンツの拡充が視聴者と広告主を引きつけ、広告付きプランの成長を促進することを期待しています。

【ジョンソン・エンド・ジョンソン決算みどころ】好決算で株価回復なるか(Johnson & Johnson)

【ジョンソン・エンド・ジョンソン決算みどころ】好決算で株価回復なるか(Johnson & Johnson)

本記事では、米大手ヘルスケア企業であるジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の2024年1-3月期の決算を振り返り、7月17日に控える2024年4-6月期決算の見どころを解説します。同社は、がん治療薬「カービクティ」の供給制約、主力薬「ステラーラ」の特許切れ、タルク製品をめぐる法的訴訟と苦境が続いており、株価が年初来から約6.3%下落し、52週間の安値付近で取引されています。前期の振り返り:予想範囲内の収益と見通しで株価下落4月16日に発表された2024年1-3月期決算では、売上高が前年同期比3.9%増、EPSが同12.4%増となりましたが、売上高が予想範囲内でありガイダンスも保守的であったことから、株価は2.1%下落となりました。売上高:$213.8億(予想:$214.0億)EPS:$2.71(予想:$2.64) セグメント別では、「医薬品」部門の売上高が前年同期比2.5%増の136億ドルとなりました。また、医療機器やコンタクトレンズを扱う「メドテック」部門の売上高は前年同期比6.3%増の78億ドルでした。ホアキン・デュアト最高経営責任者(CEO)は、決算説明会で複数の事業買収を考慮できる財務柔軟性があることを言及し、事業買収に積極的に取り組む姿勢を見せました。4-6月期の注目点:リスク・リターンのバランス2024年4-6月期のジョンソン・エンド・ジョンソンの「売上高予想は$223.4億、EPS予想は$2.71」、平均目標株価は$171.8です。緩やかな成長が期待も、法的訴訟の行方がリスクにジョンソン・エンド・ジョンソンは、昨年「バンドエイド」や「リステリン」等を販売する消費者向けヘルスケア事業を分社化し、利益率の高い「医薬品」と「医療機器」セグメントに注力していることから、成長を加速させるのに有利な立場にあると考えられます。経営陣は2025年から2030年にかけて年間5〜7%の売上成長率を予測し、2025年までに医薬品部門の年間売上高を600億ドルに成長させることを目標としています。直近では、4月に心疾患用の医療機器メーカーのショックウェーブ・メディカルの買収を発表し、7月にはバイオ医薬品会社のイエロージャージー社の買収を完了したことから、心臓病治療分野とアトピー性皮膚炎分野での地位を強化することが期待されています。同社が直面している最大のリスクと不確実性は、現在進行形の法的訴訟です。ジョンソン・エンド・ジョンソンは今後数年間、訴訟費用と和解費用で数十億ドルを負担する可能性が高くなっています。そのため、企業として安定に成長し、配当も3.3%と高水準ながら、株価が伸び悩む状況となっています。ただし、機関投資家による株式保有率が約7割と高いことから、株価は機関投資家の取引に左右される可能性があります。

【米国市場サマリー】弱いCPI結果で9月利下げが確定路線に。テクノロジー銘柄からの資金シフトと為替介入で市場は大きく変動

【米国市場サマリー】弱いCPI結果で9月利下げが確定路線に。テクノロジー銘柄からの資金シフトと為替介入で市場は大きく変動

先週は、前半の株式市場はS&P500とNASDAQの最高値更新が続きましたが、米CPI結果で利下げが確定路線になると、テクノロジー銘柄から中小型株への資金移動が起こり、最近の市場上昇を支えた大型テクロジー銘柄は急落しました。金曜には反発したため、1週間で見ると大きな変化なく終わりました。為替は、米CPI結果に合わせた政府・日銀による為替介入が実施され、2夜連続で大きく円高が進みました。160円台で推移していたドル円は157円台にまで戻しています。米国株式市場:CPI結果でインフレ沈静化は明確に。資金は大型テクノロジー銘柄から中小型株に移動7月8日(月) 米国株式市場はS&P 500とNASDAQが最高値を更新しました。特にNVIDIAが約2%、Intelが6%以上、Advanced Micro Devices (AMD)が4%上昇し、フィラデルフィア半導体指数(SOX)を1.9%押し上げました。市場はFRBによるインフレ抑制の進展を見極めようとしており、FRBのパウエル議長の議会証言にも関心が集まっています。7月9日(火) S&P 500とNASDAQが最高値を更新して取引を終えました。NVIDIAが2.5%高と上昇を主導し、他の半導体株の下落を相殺しました。Microsoftは1.4%下落しましたが、Teslaは3.7%高で年初来の上昇率は5%となりました。FRBのパウエル議長は議会証言で、一段と良好な経済データが得られれば利下げの根拠が強まると述べました。市場は年内0.5%の利下げを引き続き織り込み、9月の0.25%利下げの確率は約72%と予想しています。7月10日(水) NASDAQとS&P 500が過去最高値を更新して取引を終えました。NASDAQは7営業日連続、S&P 500は6営業日連続で最高値を更新しました。パウエル議長の議会証言を受け、FRBが9月に利下げするとの期待が高まりました。フィラデルフィア半導体指数が2.4%高で過去最高値を更新しました。NVIDIA、Micron Technology、AMDがそれぞれ上昇し、Appleも1.9%高で過去最高値を更新しました。7月11日(木) NASDAQが急落し、S&P 500も下落しましたが、ダウ工業株30種は小幅高でした。米労働省が発表した6月のCPIは予想外に下落し、9月利下げ観測が高まりました。CMEのFedWatchによると、9月利下げ確率は90%超となりました。大型株は売られ、MicrosoftとAmazonは2%以上、Meta Platformsは約4%下落しました。Teslaは8.4%急落しましたが、中小型株は上昇し、Russell 2000は3.6%上昇しました。7月12日(金) S&P 500とダウ工業株30種が取引時間中の史上最高値を更新し、上昇して取引を終えました。FRBが9月に利下げに踏み切るとの見方が優勢になりました。AppleやNVIDIAが1%以上上昇しましたが、大手銀行株はまちまちの決算を発表し、振るいませんでした。Russell 2000は1.1%高となり、3日続伸しました。市場は9月までに利下げが実施される確率を94%と予想しています。結果として、週の前半は利下げ期待主導で株価の最高値更新が続きましたが、CPI結果で利下げ見通しが固まると大型テクノロジー銘柄からその他の銘柄に資金が移動し、グロース市場は急落する局面となりました。過去数ヶ月間過小評価されていた中小型株に対する見直しと、大型テクノロジー銘柄の急速な株価上昇に対する調整が起きたと理解できます。市場が大きく変動する際に改めて気をつけたポートフォリオの分散についての記事と、グロース株の成長に注目されがちな中でバリュー株投資についても焦点を当てた記事はこちらから。為替市場:弱いCPIと2度の為替介入で大きく円高へ為替は、米国のCPI結果で9月の利下げがほぼ確実視されたタイミングの11日、政府・日銀による為替介入が実行され、大幅な円高が進みました。また、12日にも円高が進む局面があり、2夜連続で為替介入が行われたと見られています。ドル円は157円台にまで戻しています。前回5月は介入後に相場はすぐ円安に戻っていきましたが、市場ではさらに追加での為替介入を警戒する声も出ており、来週の相場に注目です。今週のマーケット:決算シーズンの本格開始、金融銘柄とヘルスケア銘柄から今週(2024/7/15-7/19)は、決算シーズンが本格開始し、バフェットも多く保有するBank of Americaなどの大手金融機関や大型ヘルスケア企業の決算に注目です。ブルーモの公式Xでも決算や指標の速報をお届けするので、興味ある方はフォローしてみてください。https://x.com/Bloomo_invest