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「貯蓄から投資へ」「老後2000万円問題」という話を聞くけど、「投資は難しそう」「なんとなく怖い」「なにから学べばいいか分からない」といった人向けに、様々なコンテンツを用意しています。ブルーモと一緒に、投資や金融について学んでいきましょう。

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【テスラ決算みどころ】ロボタクシーの動向とエネルギー事業に注目(TESLA)

【テスラ決算みどころ】ロボタクシーの動向とエネルギー事業に注目(TESLA)

本記事では、テスラの2024年1-3月期の決算を振り返りつつ、7月23日に控える2024年4-6月期発表の見どころを解説します。同社の株価は一時S&P500種構成銘柄の中で最も悪いパフォーマンスでしたが、前回決算から70%以上上昇し、見事V字回復を果たしています。前期の振り返り:3期連続の予想未達も株価上昇4月23日に発表された2024年1-3月期決算では、中国メーカーとの価格競争やEV需要の伸びの鈍化を背景に、予想を下回る売上高と利益になりました。営業利益率についても平均車両販売価格の低下から、前年同期比半減となる5.5%に低下しました。売上高:$213.0億(予想:$222.7億)EPS:$0.45(予想:$0.49) しかし、低価格モデル車の投入時期を2025年前半に前倒すと発表されたことで、株価は時間外取引で9%上昇しました。メディアからは「モデル2」と呼ばれ、2万5000ドルの販売価格と予想されていますが、実際に同格帯での発売が実現されれば競合メーカーの提供する格安EVと競合する可能性があります。また、ロボタクシーアプリ「CyberCab」のUIをプレビュー公開しました。テスラは2019年の投資家向け技術説明会にて、運転支援機能「フルセルフドライビング(FSD)」を搭載した完全自動運転車をリース販売し、テスラ提供の配車サービスプラットフォームに登録することで、オーナーカーをロボタクシーとして人々と共同利用できる構想を発表しました。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「テスラが自動運転を完成させると信じられなければ、テスラに投資すべきではない。我々はそれを実現する」と決算説明会で述べ、自動運転技術への自信を示しました。4-6月期の注目点:ロボタクシーの動向とエネルギー事業2024年4-6月期のテスラの「売上高予想は$243.3億、EPS予想は$0.61」、目標株価は203.8となっています。販売台数改善もEV市場の競争は激化テスラが7月2日に発表した、2024年4-6月期の納車台数は前年同期比4.8%減の44万3956台と2四半期連続でマイナスとなりましたが、市場予想の5%減ほど悪くなく、1-3月期の38万6810台を大きく上回ったことから、株価上昇を後押ししました。​しかし、米国の電気自動車(EV)市場におけるテスラのシェアは49.7%と四半期の市場シェアが初めて50%を下回りました。市場シェアの低下は、テスラがEV市場での優位性を失いつつあることを示しており、市場での競争激化に直面しています。ロボタクシーとFSDの最新情報はあるか一方、投資家はテスラを単にEVメーカーと評価することをやめ、自動運転タクシーの可能性を一部織り込みつつあります。アーク・インベストメント・マネジメントのキャシー・ウッド最高経営責任者(CEO)は、自動運転タクシー市場規模を8〜10兆ドル(約1267〜1584兆円)と位置付け、テスラのようなプラットフォームプロバイダーが半分を占めると見通しを示しています。7月11日、「ロボタクシー」の発表を当初の予定である8月8日から10月に延期することが報道され、株価は8%下落しましたが、その後2営業日で回復しています。また、FSDの採用率にも注目が集ります。FSDの価格は月額99ドルのサブスクリプションまたは8,000ドルの一括購入で、FSDから安定的した収益が得られれば、テスラの利益率とキャッシュフローは大幅に改善されることが期待できます。エネルギー生成・貯蔵事業が急成長7月2日、テスラのエネルギー生成・貯蔵部門は、第2四半期に9.4GWhのストレージ製品を展開し、前年同期比154%増加したことが発表されました。エネルギー事業の粗利率は25%と収益性が高く、テスラはエネルギー事業が着実に利益の源泉になっていると説明しています。モルガン・スタンレーは大型蓄電池を製造するエネルギー工場が完全に稼働すれば、テスラ車100万台を販売するのと同等の利益を生み出す可能性があると見積もっています。日本においてもエネルギー事業の拡大に向けて、テスラモーターズジャパンは5月20日付けで社名を「Tesla Motors Japan」から「Tesla Japan」へ変更しています。マクロ経済は追い風かまた、アメリカの金融市場で米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しが強まっていることから、自動車ローン金利の低下を通じてテスラの販売や利益率の追い風になる可能性が指摘されています。さらにトランプ政権が誕生し、EV購入に対する連邦税控除の廃止や関税の引き上げを実施すれば、テスラが恩恵を受ける可能性が高くなっています。

【アルファベット決算みどころ】YouTube・クラウドの好調つづくか(GOOGLE)

【アルファベット決算みどころ】YouTube・クラウドの好調つづくか(GOOGLE)

本記事では、アルファベットの2024年1-3月期の決算を振り返りつつ、7月23日に控える2024年4-6月期発表の見どころを解説します。同社の株価は年初来から約29%上昇し、S&P500指数の上昇率を上回るパフォーマンスとなっています。前期の振り返り:クラウド好調で増収増益、配当実施も発表4月25日に発表された2024年1-3月期決算では、売上高が前年比15%増、EPSが同62%増と市場予想を上回る堅調な結果でした。あわせて、初の配当実施と700億ドルの自社株買いの追加も発表し、時間外取引で株価は一時13%上昇となりました。売上高:$805.4億(予想:$787.1億)EPS:$1.89(予想:$1.51) セグメント別では、主力の広告事業の売上高は前年比約13%増の616億ドル。うち、Youtube広告が同21%増と成長を牽引しました。グーグルクラウドの売上高は前年比約28%増の96億ドル。同部門の営業利益は9億ドルと4倍以上に成長し、アナリスト予想の6億7240万ドルも大きく上回りました。ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)兼最高投資責任者(CIO)は「AIが当社クラウド顧客にもたらす恩恵にすっかり興奮している。AIソリューションズからの貢献が増えた」と述べました。4-6月期の注目点:AIソリューションとクラウドの成長性2024年4-6月期のアルファベットの「売上高予想は$841.6億、EPS予想は$1.83」、目標株価は196.9です。アナリストらは売上高、利益ともに堅調な業績を期待しており、YouTubeとグーグルクラウドの成長が鍵と見ています。AIソリューションの広告収益への影響は5月14日に開催されたGoogleの年次開発者会議「Google I/O 2024」では様々なAI機能の強力なパイプラインが披露され、同分野におけるリーダーシップを確立しようとするグーグルの姿勢を示したものとなりました。決算発表においても、AIアシスタント「Project Astra」などの最新情報を提供される可能性があり、AI機能がインターネット検索広告事業の収益にどのように貢献するか注目が集まります。一部のアナリストは、GoogleのAI推進がYouTubeのユーザーエンゲージメントの向上と広告収益の効率化に寄与していると指摘しています。ニールセンの6月視聴率調査によると、YouTubeは米国のテレビ視聴時間の9.9%を占め、米国消費者による視聴時間が最も長く、ネットフリックスが8.4%で2位となっています。クラウド部門の好調は続くかクラウド部門は好調ですが、同分野ではアルファベットはアマゾンとマイクロソフトに次ぐ第3位のサービスプロバイダーであり、新たな機会を狙い設備投資を増やしています。7月14日には、クラウドコンピューティング向けのサイバーセキュリティを提供する新興企業Wizと約230億ドル(3.6兆円)の買収交渉中であると報じられています。取引が実現した場合、クラウドコンピューティング分野における取り組みを後押しする可能性があります。4月4日に報道された、HubSpotの買収の可能性については、買収の保留が報じられています。

【米国市場サマリー】米中貿易摩擦の懸念や世界的システム障害もあり、大型テクノロジー銘柄は大幅下落

【米国市場サマリー】米中貿易摩擦の懸念や世界的システム障害もあり、大型テクノロジー銘柄は大幅下落

先週は、大型テクノロジー銘柄からの資金流出が続き、S&P500とNASDAQは週間で4月以来の大幅下落となりました。マクロ経済は好調なものの、トランプ前大統領の再選も含んだ米中貿易摩擦の懸念や世界的なシステム障害がテクノロジー株の下落相場を後押ししました。為替は、日米の要人発言を受けて一時的に円高に振れるも、週末にかけて反発しています。当局の為替介入はなかったとされています。こうした相場下落時のアクションについては以下記事もご覧ください。米国株式市場:大型テクノロジー株からの資金逃避でS&P500とNASDAQは4月以来の大幅下落7月15日(月) 米国株式市場は続伸し、トランプ前大統領の再選観測が強まり、規制緩和への期待が高まりました。FRBが9月にも利下げを始めるとの観測もあり、リスク選好度が上昇しました。FRBのパウエル議長は、米経済が景気後退を回避できるとの見方を示し、第2四半期のインフレ指標には目標回帰に向けた進展が見られたと述べました。暗号資産関連株も好調で、Coinbase Global、Marathon Digital Holdingsが10%以上も上昇しました。再生可能エネルギー関連株や中国企業株は下落しました。Goldman Sachs(GS.N)は2.6%上昇し、第2四半期決算で利益が2倍以上に増加しました。7月16日(火) ダウ工業株30種が終値で最高値を更新しました。6月の米小売売上高が予想を上回り、FRBが景気後退を回避しつつインフレを抑制するとの見方が強まりました。主要3株価指数は全て上昇しましたが、NVIDIAやMicrosoftなどの大型グロース株の下げがNASDAQの上昇を抑えました。UnitedHealth Groupは6.5%上昇し、Bank of Americaも5.3%上昇しました。7月17日(水) S&P 500とNASDAQが大幅安となりました。米中貿易摩擦の激化懸念から半導体株が急落しましたが、ダウ工業株30種は上昇し、3日連続で最高値を更新しました。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は6.8%下落し、NVIDIAやAppleの下落によりNASDAQは2.8%下落しました。FRBのベージュブックは経済活動が控えめなペースで拡大を維持したとの認識を示しました。金融市場は9月の利下げ開始確率を93.5%と織り込んでいます。7月18日(木) 主要株価3指数が軒並み大幅安となりました。大型グロース株から資金が流出し、相場は一時の上げから下げに転じました。投資家の不安心理を示すVIXは5月初旬以来の高水準を記録しました。S&P 500の主要11セクター中、ヘルスケア株の下げが最も大きく、エネルギー株は唯一上昇しました。Domino’s Pizzaは13.6%安でした。Netflixは第2四半期の新規会員数が市場予想を上回ったものの、第3四半期の見通しが慎重であったため引け後に下落しました。7月19日(金) 主要株価3指数が続落しました。世界的なシステム障害による混乱が長引き、不安が強まった市場では不確実性が高まりました。システム障害の原因はCrowdStrikeのセキュリティーソフトの障害とされ、CrowdStrikeの株価は11%急落しました。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は3.1%下落しました。Netflixは1.5%安、エネルギーセクターは最大の下げを記録しましたが、ヘルスケアと公益セクターは上昇しました。結果として、週の半ばから3日連続の下落で、特に半導体中心に大型グロース株が大きく下げて1週間を終えました。米経済のソフトランディングや金融緩和の見通しなどマクロ経済的には好調でしたが、大型テクノロジー銘柄から小型株への資金環流が続く中、トランプ前大統領の再選も含んだ米中貿易摩擦の懸念や世界的なシステム障害がテクノロジー株の下落相場を後押しした形になります。今週決算のあった主要銘柄のサマリー記事はこちらから。為替市場:日米要人発言で一時的に円高に振れる為替は、7月17日には米国のトランプ前大統領からドル高是正のコメントが、日本の河野太郎デジタル相から日銀への利上げ要求コメントがあり(後ほど直接求めたものではないと訂正)、一時的に円高が進みました。今回は当局の為替介入はなかったとみられています。しかし、その後は週末にかけて再び円安方向に振れ、1週間ではやや円高で終わりました。今週のマーケット:M7決算が始まり、大型テクノロジー銘柄の今後に注目今週(2024/7/22-7/26)は、AlphabetとTeslaの決算があり、資金流出で揺れるM7銘柄の決算が始まります。過去2週間下落している大型テクノロジー銘柄の相場を占う決算になりそうです。ブルーモの公式Xでも決算や指標の速報をお届けするので、興味ある方はフォローしてみてください。https://x.com/Bloomo_invest

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トランプトレードの注目銘柄は?トランプ再選が株価に与える影響

トランプトレードの注目銘柄は?トランプ再選が株価に与える影響

本記事では「トランプラリー」、「トランプトレード」について解説のうえ、2024年大統領選でのドナルド・トランプ氏再選が米国株市場に与える影響を考察します。今年の大統領選挙戦については、当初最後まで接戦が繰り広げられると予想されていましたが、6月の第1回討論会、7月のトランプ氏の暗殺未遂事件を受けて、米国では第2次トランプ政権が発足するとの見方が強まっています。大統領選のアノマリー(規則性や傾向)については過去の記事で解説していますので、関心のある方はあわせてご覧ください。トランプラリー、トランプトレードとは「トランプラリー」とは、2016年米国大統領選挙でのトランプ氏当選から生じた、米金利・株式・米ドルの急激な上昇を指します。トランプ政権の掲げる減税や財政出動などの経済政策期待から、米国長期金利が上昇し、外国為替市場ではドル高が進行しました。NYダウは45%、 S&P500は34%上昇し、米株式相場の上昇に伴って、日本をはじめ世界の株式相場も上昇しました。「トランプトレード」は、トランプ氏が大統領に当選した場合の政策を考慮した投資や資産売却を指します。今回の米国大統領選挙でも減税や規制緩和といったトランプ氏の公約に対する市場の期待感は強く、2016年の選挙においては当選後に始まったトランプトレードが前倒しで活発化しています。現在報道されているトランプ氏の公約・主張には以下のような内容が挙げられます。ただし、アナリストらは関税が経済に及ぼす影響については不透明感が強いと指摘しています。減税法人税を21%から15%に引き下げ中間層向けの減税株式売却益の減税関税引き上げ全ての貿易相手国に一律10%の関税中国からの輸入には60%超える対中関税を導入石油・天然ガス産業の推進、パリ協定から離脱米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の2026年5月の任期満了を認める方針JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)の財務長官への起用を検討トランプトレードの注目銘柄は?石油・天然ガス関連銘柄トランプ氏は石油・天然ガス投資や掘削活動の拡大方針を表明しており、エクソンモービル(XOM)などの石油生産会社やガソリン車メーカーは恩恵を受ける可能性があります。また、トランプ氏はバイデン政権による電気自動車(EV)普及政策を度々非難していますが、トランプ氏がEV購入に対する連邦税控除の廃止や関税の引き上げを実施すれば、競争が激化するEV市場でテスラ(TSLA)が恩恵を受ける可能性が高いです。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がトランプ氏に献金したことは報じられており、マスク氏はテスラの年次株主総会にてトランプ氏がサイバートラックの大ファンであることも述べています。ヘルスケア(製薬・医療保険)銘柄共和党が政権を奪取した場合、民主党とバイデン氏によるインフレ抑制法の下で導入された薬価抑制が実施される可能性が低くなり、イーライリリー(LLY)やメルク(MRK)などの製薬企業や、ユナイテッドヘルス(UNH)といった医療保険企業が規制緩和の恩恵を受ける見通しです。銀行・M&A関連銘柄トランプ政権では金融規制が緩和され、JPモルガン・チェース(JPM)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)などの銀行株が恩恵を受けるとみられています。また、反トラスト法(独占禁止法)の運用についても緩くなる公算が大きいことから、M&Aが活発化して、ゴールドマン・サックス(GS)やモルガン・スタンレー(MS)などの投資銀行にも注目が集まります。暗号資産関連銘柄トランプ氏は仮想通貨を支持する姿勢を示しており、仮想通貨に対する規制撤廃を公約しています。トランプ氏返り咲きの見方が強まると、コインベース・グローバル(COIN)やマラソン・デジタル・ホールディングス(MARA)などの暗号資産関連銘柄は大幅上昇しました。トランプ氏は、7月27日に開催されるビットコインカンファレンス「ビットコイン2024」への登壇も予定しています。

テクノロジー銘柄が下落する中、ダウ平均や小型株は好調?米国市場の現在地

テクノロジー銘柄が下落する中、ダウ平均や小型株は好調?米国市場の現在地

こんにちは。ブルーモ証券代表の中村です。7月8日週から、米国株式市場ではテクノロジー銘柄の大きな下落と、為替市場ではドル円の円高への是正が進んでいます。特に7月17日の米国市場ではNASDAQが2.7%超の大幅下落をしました。これは2024年冒頭から続いたグロース株上昇と円安進行に対する大きな変化(ショック)で、驚かれている方も多いのではないかと思います。本記事では、足下の米国市場で何が起きているかを解説していきたいと思います。相場下落時の対応については以下記事もご覧ください。米国株式市場に対する調整の背景大型テクノロジー銘柄に過度な資金集中が生じていた2024年はNASDAQが21.8%上昇、S&P500が17.8%上昇と大きな相場上昇が続いていました(年初来、202年7月17日終値ベース)。特に2024年第2四半期(4-6月)はNVIDIAをはじめとする半導体企業の決算が好調だったこともあり、テクノロジー株に投資が集中して株価が上昇する一方、伝統的な大型銘柄は伸び悩んでいました。具体的には、第2四半期でS&P500とNASDAQは四半期でそれぞれ3.9%、8.3%上昇しましたが、ダウ工業株30種は1.7%安でした。こうした大型テクノロジー企業の株価好調に支えられ、S&P500の指数に占めるマグニフィセント7銘柄の比率は30%超と、歴史的な高水準に達していました。好調な業績を背景にしているとはいえ、この資金集中に対する巻き戻しが生じる可能性があったと言えます。資金集中の巻き戻しの結果、7月17日にNASDAQが2.7%下落した際も、ダウ工業株30種は上昇しています。高金利下で過小評価されていた小型株に見直しテクノロジー株から資金移動が起きる中、大きく上昇していたのは米国小型株です。この小型株への資金シフトトレンドが明確に現れたのはRussel2000という米国の小型株インデックスで、米国企業の時価総額1001位から3000位の2000銘柄で構成されています。Russel2000はS&P500やNASDAQが落ちる中、先週から10%近く上昇しており、特徴的な動きとして注目を集めています。小型株は一般的に債務負担が大きい(=借入をして事業に投資する)ため、高金利下では業績が伸び悩む傾向にありますが、足下でFRBの利下げが確定路線になったことで、収益改善の見通しが立って上昇していると考えられます。米政府の対中強行姿勢で半導体株が下落また、足下での動きとして、米国政府が中国に対する最先端の半導体輸出に対して規制をかける可能性があると報じられており、これが半導体企業の業績にマイナスの影響を与えると懸念され、半導体株が大幅下落しています。中国に対する規制検討は現行のバイデン政権での報道ですが、大統領選の対抗馬であるトランプ前大統領も中国に対して強行姿勢のため、いずれが政権を取った場合でも大きな方向性に変わりはないとも見られています。一方、半導体株への期待は足下で高まり過ぎていたところでもあるので、決算を前に一旦の落ち着きを見せて良かったと評価するアナリストもいます。為替市場でのドル高是正の背景日米金利差是正に向けた進展ドル円は160円台と歴史的な高水準に達していましたが、大きな要因は米国と日本の金利差(高金利の米国に低金利の日本から資金が流出する)にありました。2024年は当初利下げが期待されていたものの、第1四半期で中々インフレが沈静化しないのを見て、日米金利差は縮まらない状態でした。ところが、足下の1−2ヶ月間は重要なインフレ指標であるCPIも予想を下回る数字を見せており、FRBの利下げ路線が固まったと見られています。この利下げ予測が日米金利差の縮小を期待させて、円高へのプッシュとなりました。さらに、それを後押しするように7月17日には米国のトランプ前大統領からドル高是正のコメントが、日本の河野太郎デジタル相から日銀への利上げ要求コメントがあり、さらに日米金利差の縮小を期待させる要因になっています。日本の当局による断続的な為替介入こうした円高方向の為替変動トリガーとなるイベントに対して、日本の政府・日銀が断続的な為替介入も続けています。5月の大型介入の後、追加での為替介入はないと見ていた市場関係者からはこれがサプライズとなり、足下の円高進行を支えています。今後の注目ポイント足下の米国市場は、資金が一部のテクノロジー企業から市場全体に循環している動きなので、ある程度分散して投資をしていれば大きな懸念がある状態ではないと言えます。米経済のソフトランディングが進む中、FRBはまだまだ利下げ余地を残しているので、市場全体が大きく落ち込み続けるリスクは低いと言えます。テクノロジー銘柄に集中投資している場合、今後どこまで資金流出が進むかがポイントです。次回決算で出てくる業績が大きなファクターになりますが、足下で一旦過度な期待への調整が入ったので、決算が良かった企業にとってはアップサイドの大きい環境になっています。この機に集中投資からリスクを下げて分散したり、ポートフォリオの構成を見直したい方は以下の記事をご覧ください。ドル円相場はより予測が難しいですが、直近で追加のサプライズは出にくい環境になっています。まず、為替介入は無限に投下されるわけではないので、ここだけに期待することは難しいと見られています。FRBのFOMC(利下げを決める会合)や日銀の金融政策決定会合を控えているので、会合後のコメントで何かサプライズが出れば相場変動の要因になります。7月30日・31日開催予定のFOMCと日銀金融政策決定会合には注目です。金融市場の全体像やFRBの仕組みについての解説はこちらをご覧ください。

リスクオフとは?相場下落時の3つのオプション

リスクオフとは?相場下落時の3つのオプション

こんにちは、ブルーモ証券代表の中村です。米国株市場は近年右肩上がりで上昇していますが、上昇相場には「調整」と呼ばれる短期的な下落局面が必ず生まれます。これは、過熱した株価を適正水準に修正するような取引が生まれ、それまでとは逆方向に株価が揺れることを意味します。上昇相場の中で投資を始めた方も多く、下落局面を初めて経験する方もいると思うので、相場が下落した時にどうすれば良いのか、いくつか判断材料を提供できればと思います。ブルーモでは、リバランス機能によってポートフォリオの組み替えを簡単に実行できるので、今後の運用を迷っているユーザーの皆さんも是非読んでみてください。(最終更新:2024年7月)目次前提:長期投資であれば時間は味方リスクオフとは?「何もしない」以外の3つのオプションオプション1:株式に追加投資していくオプション2:安全資産の比率を高めるオプション3:一時的に安全資産に逃避する安全資産とは?おすすめのリスクオフ先米国短期債券ゴールド足下の市場で何が起きているのか(2024年4月時点)米国利下げ延期見通しと中東情勢で、上昇相場に調整が入った下落相場の中でも上がっているポートフォリオは?前提:長期投資であれば時間は味方まず基本的な部分ですが、長期で分散した投資をしている場合、足下の相場が下落しても慌てる必要はありません。投資期間が1ヶ月のような短期ではなく、10年以上のような長期であれば、世界経済が成長する中でリターンが出る確率は高いです。以下は当社HPにも掲載している過去30年の株式相場推移ですが、少なくとも米国市場は過去に大きなショック(ドットコムバブル、リーマンショック、コロナショック)もありましたが、長期的に株式市場は上昇しています。もう少し細かく月次のS&P500指数の動きから、各ショックの継続期間と下落幅をまとめたものは以下になります。足下の相場下落はここまで大きな話になっていませんが、ワーストシナリオを知る意味で参考になります。なので、長期的な資産運用をするのであれば「ここで投資をやめる」は得策ではなく、「何もしない」でも大きな問題はないです。ただ、足下の下落に対して何か動きたい方に向けて、いくつかのオプションを解説したいと思います。リスクオフとは?「何もしない」以外の3つのオプション投資用語で「リスクオフ」とは、投資家が相場の下落に備えて金融資産をリスクの高い商品からリスクの低い商品(安全資産)に移すことを言います。逆に「リスクオン」とは、投資家がリスクの高い商品に移行することを指します。足下の相場に対して「リスクオフ」をするかどうかは、今後の市場に対する見立てに依存します。以下に「何もしない」パターン以外の投資オプションを、市場への見立てによってまとめました。オプション1:株式に追加投資していく仮に足下の相場下落が一時的な場合、下落した価格で投資できるチャンスと考えることができます。投資からのリターンは、投資している銘柄の平均取得単価(投資時の株価平均)と時価の差分で生まれるので、株価が低い時に資金をたくさん入れると、当然ですが将来上昇した時のリターンも大きくなります。なので、投資銘柄の平均取得単価を下げるため、新たに現金を投入して追加投資することがオプションになります。注意点としては、株価の下落がさらに続く場合、追加投資分も含めてしばらく損失が出るので、相場の下げ止まりに確信が持てない場合、分割して徐々に資金を入れていくのが得策です。積立投資設定をしている方は、何も設定を変えないと基本はこのオプションで投資が続きます。オプション2:安全資産の比率を高める相場が下落しても影響を受けない安全資産のポートフォリオ比率を高め、相場変動に対する影響を中和するオプションで、今回のオプション1とオプション3の中間に当たります。具体的には株式・暗号資産・不動産といったリスクの高い商品を売却し、債券などのリスクの低い商品に投資するリバランスを実行することになります。相場変動への影響中和は下落時も上昇時も同じなので、相場上昇時のリターンも限定的になる点には注意が必要です。基本は一時的に安全資産の比率を高める想定ですが、今回のような相場下落に備え、安全資産をこの先もある程度組み込むのも良いでしょう。オプション3:一時的に安全資産に逃避する3つ目は相場下落に対して最も大きな動きになりますが、一時的にポートフォリオ全体を安全資産で構成してリバランスするというオプションになります。相場下落の影響は全く受けなくなるので、どれだけ市場が悪化しても資産が減ることはなくなります(安全資産そのものに変動がある場合を除く)。「ここで投資をやめる」に近いように感じるかも知れませんが、大きな違いは「一時的なこと」「安全資産からも一定のリターンを期待する」点にあります。「一時的なこと」とは、上昇のタイミングでのリスクオン(安全資産から株式等にリバランスすること)を実行し、上昇局面でのリターンを取り逃がさないことを意味します。このオプションを取る場合、いつ戻すかをその後も検討するのが大事です。安全資産とは?おすすめのリスクオフ先現金以外の安全資産として、ブルーモからも投資できる代表的なものを2つ紹介します。うまく活用すれば下落相場でも一定のリターンを期待できます。米国短期債券安全資産の一番代表的なものは債券(特に国債)です。債券は一定の利率を設定して発行された借入のための有価証券です。国債であれば借入元は政府なので、(特に先進国なら)債務不履行のリスクはほとんどなく、利率から安定したリターンを期待できます。今回の相場下落の大きな要因にもなっている「米国の高金利」ですが、これは裏を返すと米国の債券の利率が高いことを意味しています。なので、米国債に投資することで相場変動を回避しつつ、日本の金利よりは遥かに高いリターン(2024年4月時点で年利回り5%程度)を得ることができます。ただし、リスクオフを目的に債券投資する場合、気をつけないといけないのが「短期債であること」です。長期債の場合、金利が上がると価格が下がる関係にあるため、米国の利下げがさらに遅れるとそのタイミングで価格下落に直面するリスクがあります。ブルーモでも取り扱っている具体的な商品としては、「米国短期国債ETF(SHV)」と「米ドル建て投資適格変動金利ETF(FLRN)」がリスクの低さからおすすめです。米国短期国債ETF(SHV)残存期間1年未満の米国債に投資するETFで、流動性が極めて高いため、金利が上下してもほとんど価格が変動しません。過去5年間の値動きでも、+0.47%~-0.71%の間でしか動いておらず、ほぼ現金見合いとも言える変動の低さです。ここまで安全だとリターンも低そうですが、足下の米国金利の高さから分配年利回りは2024年4月時点で5.27%と、安全資産としては安定したインカムリターンを提供してくれます。米ドル建て投資適格変動金利ETF(FLRN)こちらは変動金利債に投資するETFで、投資債券の金利自体が市場水準に合わせて変動するので、金利の影響での価格変動は限定的です。こちらも2024年4月時点の分配金利回りは5.97%と、一定のインカムリターンを提供してくれます。SHVも同様ですが、短期債は金利が下落するとそれに伴い分配金利回りもすぐ下がるので、将来的にも年5%のリターンを約束されているわけではなく、金利下落局面(そしておそらくは株価上昇局面)での見直し検討は必要です。ゴールドもう一つの代表的な安全資産がゴールド(金)です。信用リスクのない(投資先が破綻したりがない)現物資産として、金はリスクオフのタイミングで買われる傾向にあります。最近は世界の中央銀行が運用先として金を買っていることから、さらに相場が上がっており、株式市場が下落する中でも金は上がり続けています。金に手軽に投資する方法は、ETFを購入することで、ブルーモでもゴールドETF(GLD)を取り扱っています。ゴールドETFは過去5年で83%上昇しており、過去1ヶ月間でも9.3%上昇しています。ただし、短期債と違って、金は現物資産の取引状況によって下落する可能性もあるので注意が必要です。資産価格の変動をどれだけ排除したいかで、短期債ETFにするかゴールドETFにするかを決めると良いでしょう。足下の市場で何が起きているのか(2024年4月時点)米国利下げ延期見通しと中東情勢で、上昇相場に調整が入った2024年第二四半期は世界的に株式市場が調整局面に入り、4/15-4/19の1週間で米国のS&P500指数は3.8%下落、日本の日経平均も5%下落するなど、大きな市場変動が起きています。そもそもの話として、4月に入ってからの株式市場で何が起きているかを振り返ります。2024年の株式相場は、米国での利下げ期待により好調でした(上昇を続けていました)。利下げで企業業績が良くなり、株価上昇を見越した投資家が米国株への投資を進めたことで、相場全体が上がっていました。ここに「利下げ延期見通し」と「中東情勢の不安定化」が飛び込んできました。「利下げ延期見通し」は、米国経済の強すぎる指標(物価指数など)が明らかになることで、FRBが利下げを予想通りには実行できない見通しが出てきたことを意味します。経済が強いのは良いことなのですが、結果的に利下げ延期見通しになって株式相場を下落させています。「中東情勢の不安定化」は、イスラエルと周辺勢力の関係が悪化することで原油の流通に問題が出て、原油価格の高騰から経済の低成長につながるのではないかという株価を伸びにくくしています。大きな危機が顕在化している状況ではなく、米国に限れば実体経済は堅調ですが、上記による不確実性から株式市場のリスクオフが進んでいるのが現状です。下落相場の中でも上がっているポートフォリオは?ブルーモでは、「週間比ランキング」から直近でどんなユーザーのポートフォリオが評価損益で上昇しているか分かります。今週の動きを見ると、高配当株の公式ポートフォリオをコピーして運用しているユーザーのポートフォリオが伸びていました。具体的には「ダウの犬」「高配当株式セレクション」の公式ポートフォリオは週間比で1.8%くらいの上昇を見せていました(同期間でS&P500は3.8%下落)。また、債券ETFをミックスした公式ポートフォリオも価格変動しておらず、一定の分配金利回りがあることを考えると、これらのポートフォリオをコピーして運用している場合もリスクオフ時の投資としてはうまくいっていそうです。セクター特化のポートフォリオでは、「小売・生活必需品」「金融サービス」の週間比上昇が大きく、リスク時に強いセクターも見えています。

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【米国市場サマリー】米中貿易摩擦の懸念や世界的システム障害もあり、大型テクノロジー銘柄は大幅下落

【米国市場サマリー】米中貿易摩擦の懸念や世界的システム障害もあり、大型テクノロジー銘柄は大幅下落

先週は、大型テクノロジー銘柄からの資金流出が続き、S&P500とNASDAQは週間で4月以来の大幅下落となりました。マクロ経済は好調なものの、トランプ前大統領の再選も含んだ米中貿易摩擦の懸念や世界的なシステム障害がテクノロジー株の下落相場を後押ししました。為替は、日米の要人発言を受けて一時的に円高に振れるも、週末にかけて反発しています。当局の為替介入はなかったとされています。こうした相場下落時のアクションについては以下記事もご覧ください。米国株式市場:大型テクノロジー株からの資金逃避でS&P500とNASDAQは4月以来の大幅下落7月15日(月) 米国株式市場は続伸し、トランプ前大統領の再選観測が強まり、規制緩和への期待が高まりました。FRBが9月にも利下げを始めるとの観測もあり、リスク選好度が上昇しました。FRBのパウエル議長は、米経済が景気後退を回避できるとの見方を示し、第2四半期のインフレ指標には目標回帰に向けた進展が見られたと述べました。暗号資産関連株も好調で、Coinbase Global、Marathon Digital Holdingsが10%以上も上昇しました。再生可能エネルギー関連株や中国企業株は下落しました。Goldman Sachs(GS.N)は2.6%上昇し、第2四半期決算で利益が2倍以上に増加しました。7月16日(火) ダウ工業株30種が終値で最高値を更新しました。6月の米小売売上高が予想を上回り、FRBが景気後退を回避しつつインフレを抑制するとの見方が強まりました。主要3株価指数は全て上昇しましたが、NVIDIAやMicrosoftなどの大型グロース株の下げがNASDAQの上昇を抑えました。UnitedHealth Groupは6.5%上昇し、Bank of Americaも5.3%上昇しました。7月17日(水) S&P 500とNASDAQが大幅安となりました。米中貿易摩擦の激化懸念から半導体株が急落しましたが、ダウ工業株30種は上昇し、3日連続で最高値を更新しました。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は6.8%下落し、NVIDIAやAppleの下落によりNASDAQは2.8%下落しました。FRBのベージュブックは経済活動が控えめなペースで拡大を維持したとの認識を示しました。金融市場は9月の利下げ開始確率を93.5%と織り込んでいます。7月18日(木) 主要株価3指数が軒並み大幅安となりました。大型グロース株から資金が流出し、相場は一時の上げから下げに転じました。投資家の不安心理を示すVIXは5月初旬以来の高水準を記録しました。S&P 500の主要11セクター中、ヘルスケア株の下げが最も大きく、エネルギー株は唯一上昇しました。Domino’s Pizzaは13.6%安でした。Netflixは第2四半期の新規会員数が市場予想を上回ったものの、第3四半期の見通しが慎重であったため引け後に下落しました。7月19日(金) 主要株価3指数が続落しました。世界的なシステム障害による混乱が長引き、不安が強まった市場では不確実性が高まりました。システム障害の原因はCrowdStrikeのセキュリティーソフトの障害とされ、CrowdStrikeの株価は11%急落しました。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は3.1%下落しました。Netflixは1.5%安、エネルギーセクターは最大の下げを記録しましたが、ヘルスケアと公益セクターは上昇しました。結果として、週の半ばから3日連続の下落で、特に半導体中心に大型グロース株が大きく下げて1週間を終えました。米経済のソフトランディングや金融緩和の見通しなどマクロ経済的には好調でしたが、大型テクノロジー銘柄から小型株への資金環流が続く中、トランプ前大統領の再選も含んだ米中貿易摩擦の懸念や世界的なシステム障害がテクノロジー株の下落相場を後押しした形になります。今週決算のあった主要銘柄のサマリー記事はこちらから。為替市場:日米要人発言で一時的に円高に振れる為替は、7月17日には米国のトランプ前大統領からドル高是正のコメントが、日本の河野太郎デジタル相から日銀への利上げ要求コメントがあり(後ほど直接求めたものではないと訂正)、一時的に円高が進みました。今回は当局の為替介入はなかったとみられています。しかし、その後は週末にかけて再び円安方向に振れ、1週間ではやや円高で終わりました。今週のマーケット:M7決算が始まり、大型テクノロジー銘柄の今後に注目今週(2024/7/22-7/26)は、AlphabetとTeslaの決算があり、資金流出で揺れるM7銘柄の決算が始まります。過去2週間下落している大型テクノロジー銘柄の相場を占う決算になりそうです。ブルーモの公式Xでも決算や指標の速報をお届けするので、興味ある方はフォローしてみてください。https://x.com/Bloomo_invest

【米国市場サマリー】弱いCPI結果で9月利下げが確定路線に。テクノロジー銘柄からの資金シフトと為替介入で市場は大きく変動

【米国市場サマリー】弱いCPI結果で9月利下げが確定路線に。テクノロジー銘柄からの資金シフトと為替介入で市場は大きく変動

先週は、前半の株式市場はS&P500とNASDAQの最高値更新が続きましたが、米CPI結果で利下げが確定路線になると、テクノロジー銘柄から中小型株への資金移動が起こり、最近の市場上昇を支えた大型テクロジー銘柄は急落しました。金曜には反発したため、1週間で見ると大きな変化なく終わりました。為替は、米CPI結果に合わせた政府・日銀による為替介入が実施され、2夜連続で大きく円高が進みました。160円台で推移していたドル円は157円台にまで戻しています。米国株式市場:CPI結果でインフレ沈静化は明確に。資金は大型テクノロジー銘柄から中小型株に移動7月8日(月) 米国株式市場はS&P 500とNASDAQが最高値を更新しました。特にNVIDIAが約2%、Intelが6%以上、Advanced Micro Devices (AMD)が4%上昇し、フィラデルフィア半導体指数(SOX)を1.9%押し上げました。市場はFRBによるインフレ抑制の進展を見極めようとしており、FRBのパウエル議長の議会証言にも関心が集まっています。7月9日(火) S&P 500とNASDAQが最高値を更新して取引を終えました。NVIDIAが2.5%高と上昇を主導し、他の半導体株の下落を相殺しました。Microsoftは1.4%下落しましたが、Teslaは3.7%高で年初来の上昇率は5%となりました。FRBのパウエル議長は議会証言で、一段と良好な経済データが得られれば利下げの根拠が強まると述べました。市場は年内0.5%の利下げを引き続き織り込み、9月の0.25%利下げの確率は約72%と予想しています。7月10日(水) NASDAQとS&P 500が過去最高値を更新して取引を終えました。NASDAQは7営業日連続、S&P 500は6営業日連続で最高値を更新しました。パウエル議長の議会証言を受け、FRBが9月に利下げするとの期待が高まりました。フィラデルフィア半導体指数が2.4%高で過去最高値を更新しました。NVIDIA、Micron Technology、AMDがそれぞれ上昇し、Appleも1.9%高で過去最高値を更新しました。7月11日(木) NASDAQが急落し、S&P 500も下落しましたが、ダウ工業株30種は小幅高でした。米労働省が発表した6月のCPIは予想外に下落し、9月利下げ観測が高まりました。CMEのFedWatchによると、9月利下げ確率は90%超となりました。大型株は売られ、MicrosoftとAmazonは2%以上、Meta Platformsは約4%下落しました。Teslaは8.4%急落しましたが、中小型株は上昇し、Russell 2000は3.6%上昇しました。7月12日(金) S&P 500とダウ工業株30種が取引時間中の史上最高値を更新し、上昇して取引を終えました。FRBが9月に利下げに踏み切るとの見方が優勢になりました。AppleやNVIDIAが1%以上上昇しましたが、大手銀行株はまちまちの決算を発表し、振るいませんでした。Russell 2000は1.1%高となり、3日続伸しました。市場は9月までに利下げが実施される確率を94%と予想しています。結果として、週の前半は利下げ期待主導で株価の最高値更新が続きましたが、CPI結果で利下げ見通しが固まると大型テクノロジー銘柄からその他の銘柄に資金が移動し、グロース市場は急落する局面となりました。過去数ヶ月間過小評価されていた中小型株に対する見直しと、大型テクノロジー銘柄の急速な株価上昇に対する調整が起きたと理解できます。市場が大きく変動する際に改めて気をつけたポートフォリオの分散についての記事と、グロース株の成長に注目されがちな中でバリュー株投資についても焦点を当てた記事はこちらから。為替市場:弱いCPIと2度の為替介入で大きく円高へ為替は、米国のCPI結果で9月の利下げがほぼ確実視されたタイミングの11日、政府・日銀による為替介入が実行され、大幅な円高が進みました。また、12日にも円高が進む局面があり、2夜連続で為替介入が行われたと見られています。ドル円は157円台にまで戻しています。前回5月は介入後に相場はすぐ円安に戻っていきましたが、市場ではさらに追加での為替介入を警戒する声も出ており、来週の相場に注目です。今週のマーケット:決算シーズンの本格開始、金融銘柄とヘルスケア銘柄から今週(2024/7/15-7/19)は、決算シーズンが本格開始し、バフェットも多く保有するBank of Americaなどの大手金融機関や大型ヘルスケア企業の決算に注目です。ブルーモの公式Xでも決算や指標の速報をお届けするので、興味ある方はフォローしてみてください。https://x.com/Bloomo_invest

【米国市場サマリー】弱い雇用統計を受け、Teslaをはじめ大型グロース株が躍進。指数は過去最高値を更新

【米国市場サマリー】弱い雇用統計を受け、Teslaをはじめ大型グロース株が躍進。指数は過去最高値を更新

先週は、弱い雇用統計が利下げ期待を形成し、大型グロース株が目覚ましい上昇を見せました。結果、S&P500とNASDAQは過去最高値を更新し、特にNASDAQは週間で3%を超える上昇となりました。一方、成長はTeslaをはじめとしたM7銘柄に集中しているという不均衡も見られています。為替は、円安が進行していましたが、米国の利下げ期待によって週後半は円高が進行。1週間で見ると大きな変化はありませんでした。米国株式市場:弱い雇用市場が利下げ期待を形成し、大型グロース株が躍進7月1日(月) 米国株式市場は上昇し、AppleやTeslaなどの大型グロース株がNASDAQを押し上げました。ダウ工業株30種とS&P 500種は小幅高で取引を終えました。Appleは2.9%、Microsoftは2%、Amazonは2.2%上昇しました。Teslaは第2四半期の納車データ発表を控え、6.1%高となりましたが、半導体株は下落し、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は1週間ぶりの安値付近に押し下げられました。7月2日(火) 主要株価3指数が軒並み上昇し、特にTeslaや大型グロース株が主導しました。Teslaは第2四半期の納入台数が予想よりも小幅な減少にとどまり、1月初め以来の高値に上昇しました。米国債利回りが低下する中、Apple、Amazon、Alphabetといった大型グロース株も買われました。FRBのパウエル議長は、インフレが鈍化する確信を持つ前に一段のデータを確認する必要があると述べました。半導体株はまちまちでしたが、NVIDIAは1.3%下落しました。7月3日(水) S&P 500とNASDAQが過去最高値を更新して取引を終えました。経済指標の発表を受け、FRBによる9月利下げ観測が高まりました。Teslaは6.5%急伸し、6カ月ぶり高値に近づきました。フィラデルフィア半導体株指数は1.92%上昇する中、NVIDIAは4.6%上昇しました。7月4日(木) 独立記念日で市場休場7月5日(金) 主要株価指数が上昇し、NASDAQとS&P 500が過去最高値を更新しました。米労働市場の軟調さを示すデータを受け、9月の利下げ見方が強まりました。上昇を牽引したのは大型株で、Microsoftは約1.5%上昇し、Meta Platformsは約5.9%上昇して終値で最高値を更新しました。米労働省が発表した6月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比20万6000人増となり、失業率は約2年半ぶりの高水準に上昇しました。結果として、大型グロース株や半導体株が主要指数を押し上げ、特にNASDAQとS&P 500は過去最高値を複数回更新した1週間でした。米労働市場の軟調さを示すデータがFRBび9月利下げ観測を強め、株高の要因となりました。TeslaやMeta Platformsが大きく上昇し、Microsoftも最高値を更新し、M7銘柄の好調が目立ちました。7月5日から対象期間に入る「サマーラリー」など市場のアノマリー(規則性)をまとめた記事は以下からご覧になれます。為替市場:米国の利下げ期待が高まり、円安進行は一旦落ち着く為替は、週半ばまでは円安が進行しましたが、米国の弱い雇用統計から形成された利下げ期待により、ドル円の金利差縮小を想定しが円高が進みました。1週間を通すと相場に大きく変化はなく終わっています。来週は、日銀の債券市場参加者会合が開催されるため、今後の国債買い入れについてどのような発言がされるかも注目です。今週のマーケット:最重要指標のCPIが公表され、今期の決算発表が始まる今週(2024/7/8-7/12)は、インフラ動向を占う最重要指標であるCPIが公表され、今後の利下げ期待に大きく影響すると考えられます。また、金融機関を皮切りに今期の決算発表も始まります。ブルーモの公式Xでも決算や指標の速報をお届けするので、興味ある方はフォローしてみてください。https://x.com/Bloomo_invest

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【テスラ決算みどころ】ロボタクシーの動向とエネルギー事業に注目(TESLA)

【テスラ決算みどころ】ロボタクシーの動向とエネルギー事業に注目(TESLA)

本記事では、テスラの2024年1-3月期の決算を振り返りつつ、7月23日に控える2024年4-6月期発表の見どころを解説します。同社の株価は一時S&P500種構成銘柄の中で最も悪いパフォーマンスでしたが、前回決算から70%以上上昇し、見事V字回復を果たしています。前期の振り返り:3期連続の予想未達も株価上昇4月23日に発表された2024年1-3月期決算では、中国メーカーとの価格競争やEV需要の伸びの鈍化を背景に、予想を下回る売上高と利益になりました。営業利益率についても平均車両販売価格の低下から、前年同期比半減となる5.5%に低下しました。売上高:$213.0億(予想:$222.7億)EPS:$0.45(予想:$0.49) しかし、低価格モデル車の投入時期を2025年前半に前倒すと発表されたことで、株価は時間外取引で9%上昇しました。メディアからは「モデル2」と呼ばれ、2万5000ドルの販売価格と予想されていますが、実際に同格帯での発売が実現されれば競合メーカーの提供する格安EVと競合する可能性があります。また、ロボタクシーアプリ「CyberCab」のUIをプレビュー公開しました。テスラは2019年の投資家向け技術説明会にて、運転支援機能「フルセルフドライビング(FSD)」を搭載した完全自動運転車をリース販売し、テスラ提供の配車サービスプラットフォームに登録することで、オーナーカーをロボタクシーとして人々と共同利用できる構想を発表しました。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「テスラが自動運転を完成させると信じられなければ、テスラに投資すべきではない。我々はそれを実現する」と決算説明会で述べ、自動運転技術への自信を示しました。4-6月期の注目点:ロボタクシーの動向とエネルギー事業2024年4-6月期のテスラの「売上高予想は$243.3億、EPS予想は$0.61」、目標株価は203.8となっています。販売台数改善もEV市場の競争は激化テスラが7月2日に発表した、2024年4-6月期の納車台数は前年同期比4.8%減の44万3956台と2四半期連続でマイナスとなりましたが、市場予想の5%減ほど悪くなく、1-3月期の38万6810台を大きく上回ったことから、株価上昇を後押ししました。​しかし、米国の電気自動車(EV)市場におけるテスラのシェアは49.7%と四半期の市場シェアが初めて50%を下回りました。市場シェアの低下は、テスラがEV市場での優位性を失いつつあることを示しており、市場での競争激化に直面しています。ロボタクシーとFSDの最新情報はあるか一方、投資家はテスラを単にEVメーカーと評価することをやめ、自動運転タクシーの可能性を一部織り込みつつあります。アーク・インベストメント・マネジメントのキャシー・ウッド最高経営責任者(CEO)は、自動運転タクシー市場規模を8〜10兆ドル(約1267〜1584兆円)と位置付け、テスラのようなプラットフォームプロバイダーが半分を占めると見通しを示しています。7月11日、「ロボタクシー」の発表を当初の予定である8月8日から10月に延期することが報道され、株価は8%下落しましたが、その後2営業日で回復しています。また、FSDの採用率にも注目が集ります。FSDの価格は月額99ドルのサブスクリプションまたは8,000ドルの一括購入で、FSDから安定的した収益が得られれば、テスラの利益率とキャッシュフローは大幅に改善されることが期待できます。エネルギー生成・貯蔵事業が急成長7月2日、テスラのエネルギー生成・貯蔵部門は、第2四半期に9.4GWhのストレージ製品を展開し、前年同期比154%増加したことが発表されました。エネルギー事業の粗利率は25%と収益性が高く、テスラはエネルギー事業が着実に利益の源泉になっていると説明しています。モルガン・スタンレーは大型蓄電池を製造するエネルギー工場が完全に稼働すれば、テスラ車100万台を販売するのと同等の利益を生み出す可能性があると見積もっています。日本においてもエネルギー事業の拡大に向けて、テスラモーターズジャパンは5月20日付けで社名を「Tesla Motors Japan」から「Tesla Japan」へ変更しています。マクロ経済は追い風かまた、アメリカの金融市場で米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しが強まっていることから、自動車ローン金利の低下を通じてテスラの販売や利益率の追い風になる可能性が指摘されています。さらにトランプ政権が誕生し、EV購入に対する連邦税控除の廃止や関税の引き上げを実施すれば、テスラが恩恵を受ける可能性が高くなっています。

【アルファベット決算みどころ】YouTube・クラウドの好調つづくか(GOOGLE)

【アルファベット決算みどころ】YouTube・クラウドの好調つづくか(GOOGLE)

本記事では、アルファベットの2024年1-3月期の決算を振り返りつつ、7月23日に控える2024年4-6月期発表の見どころを解説します。同社の株価は年初来から約29%上昇し、S&P500指数の上昇率を上回るパフォーマンスとなっています。前期の振り返り:クラウド好調で増収増益、配当実施も発表4月25日に発表された2024年1-3月期決算では、売上高が前年比15%増、EPSが同62%増と市場予想を上回る堅調な結果でした。あわせて、初の配当実施と700億ドルの自社株買いの追加も発表し、時間外取引で株価は一時13%上昇となりました。売上高:$805.4億(予想:$787.1億)EPS:$1.89(予想:$1.51) セグメント別では、主力の広告事業の売上高は前年比約13%増の616億ドル。うち、Youtube広告が同21%増と成長を牽引しました。グーグルクラウドの売上高は前年比約28%増の96億ドル。同部門の営業利益は9億ドルと4倍以上に成長し、アナリスト予想の6億7240万ドルも大きく上回りました。ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)兼最高投資責任者(CIO)は「AIが当社クラウド顧客にもたらす恩恵にすっかり興奮している。AIソリューションズからの貢献が増えた」と述べました。4-6月期の注目点:AIソリューションとクラウドの成長性2024年4-6月期のアルファベットの「売上高予想は$841.6億、EPS予想は$1.83」、目標株価は196.9です。アナリストらは売上高、利益ともに堅調な業績を期待しており、YouTubeとグーグルクラウドの成長が鍵と見ています。AIソリューションの広告収益への影響は5月14日に開催されたGoogleの年次開発者会議「Google I/O 2024」では様々なAI機能の強力なパイプラインが披露され、同分野におけるリーダーシップを確立しようとするグーグルの姿勢を示したものとなりました。決算発表においても、AIアシスタント「Project Astra」などの最新情報を提供される可能性があり、AI機能がインターネット検索広告事業の収益にどのように貢献するか注目が集まります。一部のアナリストは、GoogleのAI推進がYouTubeのユーザーエンゲージメントの向上と広告収益の効率化に寄与していると指摘しています。ニールセンの6月視聴率調査によると、YouTubeは米国のテレビ視聴時間の9.9%を占め、米国消費者による視聴時間が最も長く、ネットフリックスが8.4%で2位となっています。クラウド部門の好調は続くかクラウド部門は好調ですが、同分野ではアルファベットはアマゾンとマイクロソフトに次ぐ第3位のサービスプロバイダーであり、新たな機会を狙い設備投資を増やしています。7月14日には、クラウドコンピューティング向けのサイバーセキュリティを提供する新興企業Wizと約230億ドル(3.6兆円)の買収交渉中であると報じられています。取引が実現した場合、クラウドコンピューティング分野における取り組みを後押しする可能性があります。4月4日に報道された、HubSpotの買収の可能性については、買収の保留が報じられています。

【決算サマリー】アメリカン・エキスプレス / ブラックストーン (American Express / Blackstone)

【決算サマリー】アメリカン・エキスプレス / ブラックストーン (American Express / Blackstone)

本記事では、アメリカン・エキスプレス(American Express)、ブラックストーン(Blackstone)の決算サマリーをお届けします。アメリカン・エキスプレス(American Express)クレジットカード大手American Expressは、富裕層顧客が旅行、外食、エンターテイメントに多くの支出を続けていることから、年間利益予測を引き上げました。第2四半期の利益は予想を上回り、プレミアム顧客層に焦点を当てた戦略の進展を示しました。American Expressの富裕層のカード保有者は、他の貸金業者が高借入コストによる需要低迷を警告する中、経済の弱さからある程度守られています。CEOのスティーブン・スクエリは、「プレミアムでクレジットスコアの高い顧客、良好なコスト管理、および成功した投資がコア事業の収益力を支えている」と述べています。同社は2024年の1株当たり利益を13.30ドルから13.80ドルと予測し、以前の12.65ドルから13.15ドルの範囲を上回りました。第2四半期の利益は30億2,000万ドル、1株当たり4.15ドルで、前年同期比39%増加しました。不正防止技術部門Accertifyの売却による一時的な利益を除くと、1株当たり利益は3.49ドルで、アナリストの予測である3.24ドルを上回りました。売上は9%増加して記録的な163億3,000万ドルに達しましたが、予想の165億9,000万ドルには届きませんでした。先月、同社はレストラン予約プラットフォームTockをSquarespaceから買収することで、ダイニング業界での地盤を拡大しました。アナリストによると、この買収は中小企業市場でのAmerican Expressの取り組みを支援する可能性があります。同社は、このセグメントを収益性が高いと見ていますが、最近の中小企業の成長の鈍化を懸念しています。ブラックストーン(Blackstone)厳しい不動産市場が依然としてBlackstoneに重くのしかかっていますが、株主は状況が好転することを期待しています。世界最大のプライベートマーケット資産運用会社であるBlackstoneの株価は、アナリストの予想を下回る第2四半期の利益にもかかわらず、決算後の取引で3%上昇しました。Blackstoneは、第2四半期の利益が1株当たり96セントと発表しましたが、これはアナリストの予想を2セント下回るものでした。それでも、前年の93セントからは増加しています。Blackstoneの主要な不動産事業のうち、オポチュニスティック不動産とコアプラス不動産は、それぞれ昨年比で5.3%と3.1%の損失を出しました。特にコアプラス部門には、圧力を受けている大規模ファンドBREITが含まれています。米国での借入コストの上昇は、不動産市場全体に影響を与え、同社にとって挑戦となっています。不動産はBlackstoneの資産1兆800億ドルの中で最大の部分を占めていますが、過去12ヶ月間で唯一損失を出したセグメントです。一方、プライベートエクイティ、クレジットおよび保険、マルチアセット投資の各セグメントはそれぞれ成長しました。Blackstoneの社長兼最高執行責任者であるJon Grayは、不動産価格は底を打ち、投資家が連邦準備制度理事会の金利引き下げを期待する中で市場は緩和されると述べています。純利益は4億4400万ドルで、前年の6億100万ドルから減少しました。ウォール街のアナリストの予想では、純利益は7億6000万ドルでした。第2四半期の資金流入額は約400億ドル、投資額は340億ドルで、「過去2年間で最高の投資活動レベル」を反映していると、CEOのStephen Schwarzmanは声明で述べました。CitiのアナリストであるChristopher Allenは木曜日の顧客向けのメモで、Blackstoneの全体的なパフォーマンスは混合しているものの、資金調達と投資のトレンドが改善していることから見通しは明るいと述べました。

経済コラム

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トリプルウィッチングとは?市場の変動に注意

トリプルウィッチングとは?市場の変動に注意

トリプルウィッチング(Triple Witching)とは、米国市場において個別株オプション・株価指数先物・株価指数オプションの3つのデリバティブ商品が同日に決済期日を迎えることを指します。この日は投資家が期限切れのポジションをクローズ、ロールアウト、または相殺するため、特に取引の最後の1時間に取引活動が急増する傾向があり、市場のボラティリティが高まることが特徴です。トリプルウィッチングは通常、3月、6月、9月、12月の第3金曜日に発生します。2024: 3月15日 / 6月21日 / 9月20日 / 12月20日2025: 3月21日 / 6月20日 / 9月19日 / 12月19日2026: 3月20日 / 6月19日 / 9月18日 / 12月18日クアドラプルウィッチングとはまた、トリプルウィッチングに加えてもう1つ個別株先物の満期が重なり、4つの金融商品が同日に決済期日を迎える現象をクアドラプルウィッチング(Quadruple Witching)といいます。この日もトリプルウィッチングと同様に、3月、6月、9月、12月の第三金曜日に訪れます。ただし、個別株先物は2002年11月から2020年9月まではシカゴ取引所で取引されていましたが、現在は米国で取引されていません。トリプルウィッチングは強気か弱気か歴史的に見ると、トリプルウィッチングの日は市場にとって「上昇」の日でも「下降」の日でもなく、市場の方向性を予測するのが非常に難しい日です。取引量と流動性が増える傾向があるため、一部の投資家は短期的な取引チャンスとして捉えることがありますが、多くの投資家はこの日の動きを基に来週以降の市場動向を読み解くことを避ける傾向があります。また、重要な経済指標の発表やFOMCの政策決定など、より広範なマクロ経済イベントが重なると、市場に大きな動きを引き起こす可能性があることに注意することが重要です。

利下げで注目?外国債券の基礎知識と金利との関係

利下げで注目?外国債券の基礎知識と金利との関係

本記事では、外国債券投資を始めたい方に向けて、債券の基礎知識と金利との関係について解説します。目次債券とは外国債券の種類外国債券投資の利点債券と金利の関係利下げサイクルで注目される債券投資世界で利下げが本格化する2024年債券とは債券は、政府や企業が資金調達するために発行する借用証書の一種です。投資家は債券を購入することで、発行者にお金を貸し、その見返りとして定期的に利子を受け取り、満期時には元本が返済(償還)されます。外国債券の種類債券は、発行体や通貨によって区分されます。広義には「発行体」、「発行地」、「通貨」いずれかが外国の債券を外国債券とし、狭義には元本の払い込み・利子の受け取り・償還すべてが外貨で行われる債券をさします。以下は主要な外貨建債券の種類です。外貨建債券の種類公社債:国や地方公共団体、政府系機関などが発行する債券。国債、政府関係機関債など国際機関債:世界銀行(国際復興開発銀行)など国際機関が発行する債券民間債:民間企業が発行する債券。社債など外国債券投資の利点債券は「利子の支払日」や「償還日」があらかじめ決まっているため、定期的な収入を得ることができ、計画的に資金運用が可能です。また、満期まで保有すれば元本額が払い戻されるため、株式投資に比べて安全な運用ができ、他の投資と組み合わせることでポートフォリオのリスクを分散することもできます。そして、外国債券ならではのメリットとして、利回りの高さと、為替変動による差益があります。日本国債は安全性が高い一方で、長期にわたり低金利政策が続いているため、利回りが非常に低いのが現状です。外国債券は、相対的に高い利回りが期待でき、投資家にとって魅力的な選択肢となります。ただし、一般に金利の高い債券は信用リスクも高い傾向があるので、そのトレードオフを理解して選ぶ必要があります。発行体の信用リスクや健全性を図るには発行体の「格付け」が参考になります。格付けは、格付機関が発行体の債務支払能力を評価し、信用力を示したもので、格付けが高い発行体ほど債務不履行に陥る可能性は少なくなります。また、債券購入後に円安が進行すると、利子や償還金、売却益を受け取る時に為替差益(為替レートの変動によって生じる利益)を得ることができます。逆に、円高が進行した場合には損失が発生する可能性もあるため、適切なリスク管理が求められます。債券と金利の関係債券価格と金利は逆の動きをする「逆相関」と呼ばれる性質を持っています。金利が上がると、新しく発行される債券の利率が高くなるため、既存の債券の利率が相対的に低くなり、既存の債券の価格は下がります。一方で、金利が下がると、新しく発行される債券の利率が低くなるため、既存の債券の利率が相対的に高くなり、債券価格は上がります。利下げサイクルで注目される債券投資利下げサイクルでは債券価格が上昇するほか、中央銀行が金利を低く保つため、債券の利回りが安定します。過去の市場変動をふりかえると、政策金利が利下げに転換するような局面では、景気減速による企業業績の悪化から株式やハイイールド債等のリスク資産は軟調に推移し、国債などの高格付けの債券はパフォーマンスが好調になる傾向があります。具体的には、ITバブルが崩壊した2000年5月末から2003年6月末にかけて米政策金利は6%超の水準から1%台まで引き下げられ、この間に米国株式は28.2%下落したのに対して、米国債は35.6%上昇しました。またリーマンショックの2006年6月末から2008年12月末にかけて、米政策金利は5%台から0%近辺に引き下げら、この間に米国株式は25.1%下落し、米国債は29.5%上昇しました。世界で利下げが本格化する2024年主要中央銀行のなかでは、3月にスイス中銀、5月にスウェーデン中銀、6月5日にカナダ中銀が、それぞれ利下げを実施しました。欧州中央銀行(ECB)は、6月6日の理事会で、中銀預金金利を4.0%から3.75%へと0.25%ポイント引き下げる決定を行いました。米国では、今年に入ってからの物価指数が比較的高い水準で推移していたことから利下げ期待はやや後退していますが、米連邦準備制度理事会(FRB)も2024年後半に利下げに踏み切る可能性があると期待されています。

スタグフレーションとは?米国経済の行方に警戒

スタグフレーションとは?米国経済の行方に警戒

本記事では「スタグフレーション」とは何か、なぜ米国経済にスタグフレーションの懸念が浮上しているのかを解説します。目次スタグフレーションとはなぜ、米国経済のスタグフレーション懸念が浮上したのか第1四半期GDP低迷をきっかけに意識FRBは堅調な景気評価を維持景気後退を示したISM景況指数雇用統計で一安心も、焦点はCPIか投資家がとるべきリスクヘッジはスタグフレーションとはスタグフレーション(stagflation)は、景気後退を意味する「スタグネーション(stagnation)」と物価上昇を表す「インフレーション(inflation)」を組み合わせ用語で、経済成長が停滞し、インフレ率が高く、失業率が高い状態を指します。米金融市場については、連邦準備理事会(FRB)が景気の悪化を引き起こすことなく消費者物価を抑制する「ゴルディロックス」シナリオが期待されていましたが、1-3月期の物価上昇率の高止まりや原油高を受けて、インフレ再燃への警戒感が高まっていました。なぜ、米国経済にスタグフレーション懸念が浮上したのか第1四半期GDP低迷をきっかけに意識4月25日に発表された第1四半期の国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率1.6%増と昨年第4四半期の3.4%の半分以下に落ちただけでなく、市場予想の2.5%を大きく下回る結果となりました。一方、第1四半期のコアPC物価指数は3.7%上昇しと市場予想を上回り、インフレの根強さを示しました。経済成長の減速と高いインフレ率がスタグフレーションへの懸念を煽り、米利下げ開始予想は一時12月に後ずれしました。ただし、バンク・オブ・アメリカのアナリストらは、第1四半期GDPが予想を下回ったのは主に貿易赤字の拡大と企業の在庫積み増しペース鈍化の影響であり、消費者の需要は依然として底堅く、スタグフレーションの兆候を示すものではないと指摘しています。FRBは堅調な景気評価を維持4月30日から5月1日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、FRBは政策金利を5.25-5.5%で据え置くことを決定しました。発表された声明文では、米国経済の現状について「経済活動は堅調なペースで拡大し、雇用の伸びは引き続き力強く、失業率は低いままである」と全体的な評価を維持しました。パウエル議長は会見で、第1四半期GDPの低迷については「在庫投資、政府支出、純輸出を除いた民間最終消費支出は2023年下半期と同じくらい好調」で重要視しない姿勢を示し、労働市場は1年前ほどではないにせよ引き続き逼迫していると述べました。米経済がスタグフレーションに陥るリスクについては、インフレ率が一時10%を超え、失業率も高水準だった1970年代終盤(※)とは状況が大きく異なると指摘。現在は成長が底堅く、インフレ率も3%を下回っており、「スタグ」も「フレーション」も見られないとの認識を示しました。※米国で深刻なスタグフレーションが最後に発生したのは、1970 年代のオイルショックです。第一次オイルショック(1973 年〜)は第4次中東戦争におけるアラブの石油禁輸措置、第二次オイルショック(1979年〜)はイラン革命に起因しました。第二次オイルショックによる高インフレは、FRBが金利を引き上げてインフレを緩和しようとしたため、経済は不況に陥り、失業率は10%超えまで上昇しました。景気後退を示したISM景況指数しかし、5月1日に発表された4月のISM製造業景況指数は、49.2と好不況の境目とされる50を下回り、市場予想を下回る結果となりました。さらに、米国経済を牽引してきたサービス業も、ISMサービス業景況指数が49.4と50を下回り、2022年末ぶりの低水準に。堅調なペースで拡大していた経済が勢いを失い始めていることを示す結果となる一方で、支払価格の上昇や担当者のコメントからはインフレ圧力の根強さが示唆され、スタグフレーションへの懸念が高まりました。ISM非製造業景況調査委員会のアンソニー・ニエベス委員長は、「ビジネス全般が総じて減速しつつあると調査の回答者は指摘した」と述べつつも、「基準値の50を下回っているからといって過度に興奮する必要もない」と語っています。雇用統計で一安心も、焦点はCPIか5月3日に発表された4月の雇用統計は、雇用者数の減速や賃金上昇率の鈍化など、労働市場の逼迫が緩和し、インフレ圧力が和らぎつつあることを示しました。 また失業率は3.9%に上昇したものの、引き続き低水準となりました。市場はゴルディロックスを想起させる結果に反応し、年内に25bpの利下げ2回との見方を再び織り込みました。ただし、雇用統計はブレの大きい統計とされており、単月の結果をもって見通しを判断することは必ずしも適切ではありません。一部アナリストは、米金融政策にとって消費者物価指数(CPI)の方が雇用統計のデータよりもはるかに重要であると指摘しており、5月15日に発表されるCPIと小売売上高の結果に注目が集まります。投資家がとるべきリスクヘッジ直近の米経済指標は強弱が混在しており、中長期的にも景況動向の不透明感が強まっています。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは、FRBが景気後退を引き起こすことなくインフレを抑制できると期待しているものの、スタグフレーションの可能性はあると警告しています。では、投資家はスタグフレーションでの資産減少リスクを回避するために何ができるでしょうか?最適なポートフォリオは、投資家個人の財務目標、リスク許容度、投資期間によって異なるため、万能な答えはありません。しかし、一般的に、スタグフレーション状況では、「公益事業」と「エネルギー」セクターが最もパフォーマンスを上げており、スタグフレーション懸念の2022年に最もパフォーマンスの良いセクターであったとバンク・オブ・アメリカは顧客向けレポートで述べています。また、インフレ加速時に好成績を収めることが多いコモディティへの投資や、価格決定力が強く消費者に高いコストを転嫁できる企業への投資も選択肢として考えられます。ブルーモでは、相場下落時の投資オプションについても解説しております。ご関心のある方は、こちらもぜひご覧ください。

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バリュー投資とグロース投資とは?投資戦略の選び方

バリュー投資とグロース投資とは?投資戦略の選び方

本記事では、バリュー投資とグロース投資について紹介し、投資スタイルの選び方のポイントを解説します。バリュー投資とはバリュー投資は、ウォーレン・バフェット氏も活用する運用手法で、企業の実態に比べて、株価が割安な銘柄に投資する方法です。優良企業なのに市場が注目していない場合や、悪材料の発表に市場が過剰反応した場合、このような状態になります。特徴低PER(株価収益率)や低PBR(株価純資産倍率)の企業を選定配当利回りが高い企業が多い長期的に安定したリターンを期待経済不況時にも安定感を持つメリットリスクが比較的低い: 割安な株を選ぶため、投資資金が減少するリスクが少ない配当収入: 高配当銘柄が多いため、インカムゲインが得られやすいデメリット成長性が低い: 割安な株は成長余地が少ない場合が多く、大きなキャピタルゲインが得られにくい市場評価の遅れ: 真の価値が市場で認められるまで時間がかかることがあるグロース投資とはグロース投資は、企業の売上高や利益が急速に伸びている企業に投資する方法で、株価の上昇から利益を得ることを目指す投資戦略です。マグニフィセント7銘柄への投資など、グロース株にはITや先進技術を扱う企業が多いです。特徴売上高や利益が急速に伸びている企業を選定配当利回りが低い、もしくは無配当の企業が多い長期的に高いリターンを期待市場の景気拡大時に高いパフォーマンスを示すメリット成長性が高い: 高成長企業に投資するため、大きなキャピタルゲインが期待できる市場のトレンドに乗りやすい: 成長株は市場の注目を集めやすく、短期的にも価格上昇が見込まれる。デメリットリスクが高い: 企業の成長が期待通りにいかない場合のリスクが高い配当が少ない: 利益を再投資に回すため、配当が少ないか無配当の企業が多いバリュー投資とグロース投資の選び方バリュー投資とグロース投資はそれぞれ異なる魅力を持っています。バリュー投資は安定性と配当収入を重視し、グロース投資は成長性と高リターンを狙います。どちらの投資戦略が適しているかは、あなたの投資目標やリスク許容度、市場環境によります。以下のポイントを参考に、自分に合った投資スタイルを見つけてください。1. リスク許容度リスクを抑えたい場合はバリュー投資高リターンを狙い、リスクを取れる場合はグロース投資グロース株とバリュー株を比べると、株価の振れ幅はグロース株のほうが大きいです。つまりグロース投資は「ハイリスク・ハイリターン」、バリュー投資は相対的に「ローリスク・ローリターン」といえます。2. 投資期間長期的に安定したリターンを狙うならバリュー投資中長期で大きな成長を狙うならグロース投資バリュー投資は、長期的な視点で見ると、市場の変動に対して安定したパフォーマンスを示しやすい傾向にあります。一方、成長株は市場の注目を集めやすく、短期間で価格が上昇する可能性があります。3. 市場環境金利上昇局面や経済が後退している時期にはバリュー投資金利低下局面や経済成長が期待される時期にはグロース投資高金利環境下では、既に安定した収益を上げている企業が評価されやすく、配当利回りの高い銘柄が魅力的になるため、バリュー投資が有利になります。一方、低金利環境下では、高成長が期待される企業が資金を調達しやすくなり、株価も上昇しやすいため、グロース投資が有利になります。また、景気が拡大している時期には、企業の業績が全般的に好調となるため、グロース投資が有利です。反対に、景気が後退している時期には、安定した収益を上げている企業や割安な株が見直されやすいため、バリュー投資が有利です。不況時には市場全体が下落することが多いですが、バリュー株は比較的安定したパフォーマンスを示すことがあります。

なぜポートフォリオが投資で重要なのか?作成・運用のコツを解説

なぜポートフォリオが投資で重要なのか?作成・運用のコツを解説

ポートフォリオとは、投資を行う株式や債券などの金融資産の組み合わせを意味します。「何に、どのくらい投資するか」という保有したい資産と比率の2つを決めることで、ポートフォリオは作成でき、その資産配分を「アセットアロケーション」といいます。例えば、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)の上場ポートフォリオは、アップルをはじめとする41銘柄で構成されており、上位5銘柄で75%以上の資産配分となっています。なぜ、ポートフォリオが投資で重要なのか?リスクヘッジができる複数の資産・銘柄に資産を分散させて運用することによって、一つの資産の一つの銘柄を保有する場合よりも期待する利益やリスク許容度に近い投資を行うことができます。リスクの異なる資産をどのくらいの比率で持つのか視覚的にわかるようにすることで、いま運用している銘柄でリスクを分散できているか、またリスクの取り方や期待する利益が自分の利益に見合ったものになっているかを確認することができます。ポートフォリオの違いによるリスク度合いの変化については、以下の動画をご覧ください。始めのうちは高いリターンを求めてリスクの大きい資産を運用していた人も、生活の変化によって、リスクの低い資産を多く持って資産をできるだけ減らさないようにしたいと考えるようになるかもしれません。そうした際にもポートフォリオがあると、持っている資産とその比率から「この資産をもう少し増やしておこう」「代わりにこれはもう少し減らしてしまおう」といったことを考えやすくなります。どうやってポートフォリオを作ればいいの?ポートフォリオに正解はなく、投資のゴールやリスク許容度、投資のスタイルに応じて様々な組み合わせのポートフォリオを作ることができます。特に以下のようなポイントは、あなたならではのポートフォフォリオを作るヒントになるでしょう。1. 投資対象の特徴を理解する投資をするにあたっては、株式や債券、不動産等、様々な資産に投資をすることができます。また、例えば株式の中でも特定の会社の株式に投資をするのか、それらを組み合わせたETFに投資をするのかによって将来的な利益もリスクも大きく異なります。例えば、一般的に株式は比較的将来的に大きな利益を期待できる一方でリスクが大きく、反対に債券は将来的に期待できる利益は小さい一方でリスクも小さいと言われています。2.リスクの分散度合いを理解する一般的にはより多くの銘柄を保有することで、リスクは分散できると考えられます。しかしながら、仮に多くの銘柄を保有していたとしても、必ずしもリスクを分散できていない可能性もあります。例えば、あなたが仮に銀行の株式を3つ保有していた場合には、もちろん一つの銀行の株式を保有する場合よりもリスクを抑えた投資を行うことができますが、銀行の業界全体で株価が下がった場合には、あなたの資産もその分減ってしまいます。銀行の他にもエネルギーやヘルスケア等他のセクターの会社の銘柄を保有しておくことで、よりリスクを分散することができます。このように、業種や地域、さらには資産を分散して投資できているかをみることによって、リスクを分散できているかどうかを確認することができます。あなたならではのポートフォリオを作成するのに困った時は、専門家や著名な投資家が実際に作成しているポートフォリオや、あなたの身の回りの人が作成しているポートフォリオを参考にしてみることをお勧めします。ポートフォリオを作ったあとはどうすればいいの?ポートフォリオとは、「一回作ったら終わり」というものではなく、継続的に見直しをしていく必要があります。資産配分が目標に沿っているかどうかを確認仮に株式を50%、債券を50%のポートフォリオを作成したとします。始めのうちはあまり大きな変化はありませんが、時間が経って、例えば、株式の値段が上がり、債券の値段が下がることで株式が70%、債券が30%のポートフォリオになってしまうことがあります。この場合にはあなたが当初想定していたリスク許容度とは異なるポートフォリオを保有してしまうことになります。そのため、始めに作成していたポートフォリオに合わせて保有する資産を調整する必要があります。このように、当初想定していたポートフォリオと実際に保有しているポートフォリオがずれてしまった時に、売買を行うことによって再度資産の比率を当初想定していた比率に調整することを「リバランス」といいます。リバランスをすることで、当初想定していたポートフォリオを継続的に保有し続けることができます。投資戦略の調整また、生活環境の変化等によってポートフォリオの見直しも必要になってきます。最初は大きな利益を求めてリスクの大きい資産を多く持っていたとしても、生活が変化し、投資のゴールやリスクの許容度も変化すると、それに合わせてリスクの小さい資産の比率を増やしたりと、あなたの生活に合わせてポートフォリオ自体を変える場合も出てきます。ポートフォリオを作成し、投資をした後も、ポートフォリオの運用状況や生活の変化に応じた投資のゴール、リスクの許容度を定期的に見直していけると良いでしょう。

米国経済の先行きを読み解く、重要経済指標の見方

米国経済の先行きを読み解く、重要経済指標の見方

本記事では、主な米国経済指標をわかりやすく解説します。目次なぜ米経済指標が重要なのか主な米経済指標の種類と見方物価動向を見る指標:個人消費支出(PCE)/ 消費者物価指数(CPI)/ 生産者物価指数(PPI)雇用動向を見る指標:雇用統計 / 新規失業保険申請件数景況動向を見る指標:国内総生産(GDP)/ ISM製造業景況指数 なぜ米経済指標が重要なのか経済指標は、連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を決定する際の重要な情報源であり、パウエル議長をはじめとするFRB高官は「米政策金利の次の動きはデータ次第で判断」と繰り返し発言をしています。特に足元の米国経済は、景況感が低いなかインフレ再燃懸念と先行きが不透明なため、経済の状況を反映する経済指標の重要性が一層高まっています。また、コンセンサス予想と結果の差分は株式市場や為替市場などマーケットに影響を与えます。予想はアナリストによる事前予測値で、相場はこの値を織り込みながら推移しています。そのため、重要指標の結果の上振れや下振れに市場は敏感に反応する傾向にあります。主な米経済指標の種類と見方金融政策を除く重要度の高い経済指標には、主に「物価」「雇用」「景況」動向を示す3種類があります。1. 物価動向を見る指標FRBの2大政策目標のひとつは「物価の安定」です。米国の個人消費はGDPの約7割を占めており、その物価動向は米国の景気動向を見るうえで重要視されます。現在のような金融引き締め局面であれば、政策の目的は物価上昇を抑えることにあるので、物価動向を示す指標が予想よりも上振れすれば株価は下落し、下振れすれば株価は上昇しやすくなります。個人消費支出(PCE: Personal Consumption Expenditures)重要度:★★★★公表日:毎月末 夏時間 21:30 / 冬時間 22:30公表機関:米商務省経済分析局(PCEホーム画面に遷移)FRBが物価上昇の判断をする際に重視するのが、個人消費の物価動向を示すPCEデフレータで、四半期毎の FOMC(連邦公開市場委員会)にて参加者の見通しが公表されます。PCEデフレータは個人消費支出の名目値から実質値を割って算出され、消費段階での物価上昇圧力を測る尺度として用いられます。プラスであればインフレを、 マイナスであればデフレを示し、消費者行動の変化を反映します。また、PCE デフレーターから季節性要因を受ける食料品とエネルギー価格を除いて算出した「PCEコアデフレーター」はインフレ度合いを測る指標として、FRBが特に重要視していることで知られています。消費者物価指数(CPI: Consumer Price Index)重要度:★★★★★公表日:毎月15日前後 夏時間 21時30分/ 冬時間 22時30分公表機関:米国労働省労働統計局(CPIホーム画面に遷移)消費者物価指数は物価動向を把握する際に最も重要な指標で、消費者が購入するモノやサービスの価格変動を示す指標です。同月であれば、PCEデフレータよりCPIの発表時期が2週間程早いので、株式市場や為替市場などマーケットの関心が高くなっています。すべての対象品目によって算出される「総合指数」から、季節性要因を受ける食料品とエネルギー価格を除いて算出した「コアCPI」は注目度が高く、エコノミストはインフレ指標として総合指数よりコア指数を重視しています。生産者物価指数(PPI: Producer Price Index)重要度:★★★★公表日:毎月15日前後 夏時間 21時30分/ 冬時間 22時30分公表機関:米国労働省労働統計局(PPIホーム画面に遷移)消費者物価指数が買い手側の価格変動を表すのに対して、生産者物価指数は売り手側の価格変動を表した指標です。米国内の製造業者が出荷した製品の販売価格変動を示す指標で、出荷時点での価格が調査対象のため輸送費や流通マージンなどは含みません。消費者物価指数と同様に、すべての対象品目によって算出される「総合指数」と、食料品とエネルギーを除いて算出した「コアPPI」があります。また、生産者物価指数は商品の流通過程の川上に位置するため、消費者物価指数の先行指標と言われています。生産コストの上昇により起こるコストプッシュ型のインフレが進行している場合は、消費者物価指数と対比させることで価格転嫁の状況が把握できます。一般的に物価の上昇局面ではPPIが上昇し、その後でCPIが上昇していくという経路をたどります。2. 雇用動向を見る指標FRBの2大政策目標のもうひとつは「雇用の最大化」で、FRBが政策金利を検討する際に、労働市場の動向を把握する上で雇用動向のデータを重視しています。データが良好であれば量的緩和の縮小や利上げ観測に、悪化すれば緩和の拡大や利下げ観測につながります。雇用統計重要度:★★★★★公表日:毎月第1金曜日 夏時間 21時30分/ 冬時間 22時30分公表機関:米国労働省労働統計局(雇用統計ホーム画面に遷移)雇用統計は雇用情勢を把握する際に最も重要な指標で、事業調査と家庭調査をもとに雇用情勢を示す10数項目の指標が発表されます。なかでも、注目度が高いのは「非農業部門雇用者数」、「失業率」、「平均時給」の3つの指標です。①非農業部門雇用者数(NFP: Nonfarm Payrolls)非農業部門雇用者数は、労働市場全体の雇用環境を把握するために用いられる指標で、農業部門を除いた民間企業や政府機関に雇用されている就業者数を表しています。前月比での雇用者数の増減が、事前予想値と結果の値が大きく乖離すると、市場は大きく反応します。②失業率失業率は、米国内の16歳以上の働く意思がある失業者を労働人口(失業者+就業者)割って算出しています。失業率は景気に対して遅効性がり、長期的な労働市場の変化のトレンドとして見られることの多いデータです。③平均時給農業部門を除いた主要産業の1時間あたりの平均賃金をまとめたものです。平均賃金が上昇すると、個人消費の増加また企業にとっての労働コストの上昇につながる可能性があるため、景気やインフレ圧力を確認するための指標として注目されています。新規失業保険申請件数重要度:★★★公表日:毎週木曜日 夏時間 21時30分/ 冬時間 22時30分公表機関:労働省雇用訓練局(失業保険申請件数ニュースリリース画面に遷移)新規失業保険申請件数は、前週に失業保険を初めて申請した人数を示した指標です。週次でデータが公表されるため、雇用情勢をタイムリーに把握できる利点があり、雇用統計に約2~3カ月先行するといわれています。特に、雇用統計の算出の対象期間となる12日を含む週の結果は注目度は高くなっています。3. 景況動向を見る指標国内総生産(GDP: Gross domestic product)重要度:★★★★公表日:(夏時間)/ (冬時間)公表機関:米商務省経済分析局GDPは、国内で生み出された財やサービスの生産を通じて一定期間内に生み出された付加価値の総額で、「名目GDP」と物価変動の影響を除外した「実質GDP」があります。四半期ごとに「速報値」「改定値」「確報値」の順で発表され、速報値は該当期間の1ヶ月後、改定値は2ヶ月後、確定値は3ヶ月後に発表されます。最初に発表される速報値が注目されやすく、GDP成長率が前期比での変化の度合いで経済状況を把握することができます。ISM製造業景況指数 重要度:★★★★公表日:毎月第1営業日 夏時間23:00 / 冬時間24:00公表機関:全米供給管理協会(ISM: Institute for Supply Management)ISM製造業景況指数は、全米の製造業約350社の仕入れ担当者へのアンケート調査を基に算出する、製造業の景況を示す指標です。月始めに発表されることから米国景気の先行指標として注目されています。調査項目について、前月比で「改善」、「同じ」、「悪化」の3択で回答結果を集計し、0~100で指数を算出します。50を景気動向の分岐点とし、50を上回れば景況感が良く、下回れば景況感が悪いとみなされます。また、毎月第3営業日に発表される非製造業部門を対象とした「ISM非製造業景況指数」も先行指標として注目を集めます。

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