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【メタ決算みどころ】M7のダークホース、さらなる飛躍をみせるか(META)

【メタ決算みどころ】M7のダークホース、さらなる飛躍をみせるか(META)

本記事では、メタ・プラットフォームズの2023年10-12月期の決算を振り返りつつ、2024年第1-3月期決算の見どころを解説します。AIの進歩と好調な広告収益に支えられ、メタの株価は年初来から40%以上上昇し、米国株でトップパフォーマンスを記録しました。4月24日に控える2024年1-3月期決算でも、引き続き力強い成長を維持できるのでしょうか。前期の振り返り:広告好調で4半期連続の増収増益、配当実施も発表2月1日に発表された2023年10-12月期決算では、広告収益の増加と大規模なコスト削減が功を奏し、売上高が前年比25%増、純利益は前年比3倍となりました。あわせて、初の配当実施と500億ドルの自社株買いも発表し、翌日の株価は20%上昇となりました。売上高:$401.1億(予想:$390.2億)EPS:$5.33(予想:$4.96) 中核事業である広告収益は前年比24%の増加となりました。この成功の原動力は、AIを活用した広告パフォーマンスの改善にあります。2023年10-12月期に、Metaのサービス全体で配信された広告インプレッションは前年比21%増加し、広告あたりの平均価格は2%増加しました。これは、消費者にとっては関連性の高い広告が提供され、広告主にとってはキャンペーンの投資収益率を向上することを示します。Meta広告主の大半は、Meta広告の自動化ツール「Advantage+」を使用しており、誰に広告を表示するかやキャンペーン予算の最適化などを自動化することができます。短尺動画「Reels」の収益向上も貢献しました。Reelsは、インスタグラムとフェイスブック上で毎日35億回シェアされており、ユーザーのエンゲージメントが高まっています。また決算発表にて、ザッカ―バーグ氏は「AIとメタバースを発展させるというメタのビジョンは大きく前進した」と述べました。1-3月期の注目点:広告収益の伸びとAI・メタバース戦略の進捗広告収益の伸びはどれくらいかAI・メタバース戦略の進捗はLlama3の詳細発表かインフラ投資の最新情報はあるかスマートグラスにAI機能追加か広告収益の伸びはどれくらいかメタの収益は96%以上を広告事業で稼ぎ出していますが、今年はパリ五輪と米国大統領選挙の年であり、デジタル広告市場に有利なマクロ環境となっています。モルガン・スタンレーによると、オンライン広告の成長率が2023年の8%から2024年には12.5%へと加速すると見ています。さらに、短尺動画機能「Reels」の拡張、Meta広告の自動化ツール「Advantage+」プログラムなど、複数の成長ドライバーがあります。2024年1-3月期のメタの「売上高予想は$360.8億、EPS予想は$4.29」となっていますが、広告収益の持続的な成長が維持されるか注目が集まります。アナリストはメタに対して強気で、平均目標株価は$537です。AIとメタバース戦略の進捗はメタは「general intelligence」の構築とオープンソース化により、誰もが恩恵を得られるようにすることを長期ビジョンに据え、AIとメタバースの開発に長年投資しており、これらの領域からの収益化が進むかが重要です。✅ Llama3の詳細発表か4月18日、メタの次世代大規模言語モデル「Llama3」のスモールバージョンが2つリリースされました。パタメータ数はそれぞれ約80億個と約7050億個で、同規模ではトップパフォーマンスのオープンソースモデルとなっています。約4000億のパラメータを持つ、完全なLlama3モデルは後日のリリースを予定しており、テキスト入力だけでなく画像入力も理解できるマルチモーダルである可能性が高いほか、Claude3や GPT-4と競合できるとのことです。Llama3のスモールバージョンのプロモーションと合わせて、詳細情報が決算発表で説明されるか注目が集まります。✅ インフラ投資の最新情報はあるかメタはコストと外部サプライヤーへの依存を削減するために、昨年にAIチップ「MTIA」を発表しました。4月10日には、後継となる「MTIA」の第2世代チップを発表しています。初代に比べ、処理性能は3倍に改善され、レコメンデーションや生成AIモデルに対応。既にメタのデータセンターで稼働しています。✅ スマートグラスにAI機能追加かメタの経営陣は前回の決算にて、「人々は携帯電話を取り出してボタンを押したり、見たいものに向けたりすることなく、AIとシームレスに頻繁に連動する新しいカテゴリーのデバイスを求めるようになると思います。スマートグラスは、このための魅力的なファクターになると思いますし、メタのAIとメタバースのビジョンがどのように結びついているかを示す良い例です」と述べました。ニューヨーク・タイムズは、4月にRay-BanスマートグラスへのAI機能の追加が発表されると報じられており、製品デモが披露される可能性があります。

【テスラ決算みどころ】株価のV字回復はあるか (TESLA)

【テスラ決算みどころ】株価のV字回復はあるか (TESLA)

本記事では、テスラの前期の決算を振り返りつつ、2024年1-3月期決算の見どころを解説します。テスラは4月23日に、2024年1-3月期決算の発表を予定していますが、同期の株価成長率は29%下落とS&P500種構成銘柄の中で最も悪いパフォーマンスとなり、逆風に立たされている状況です。今回の決算で、V字回復を図ることはできるのでしょうか?前期の振り返り:EV需要減速と度重なる値下げで予想未達1月24日に発表された、2023年10-12月期決算では予想を下回る利益と売上高、そして2024年の販売台数の伸びは鈍化すると発表されたことで、株価は翌日の取引で12%下落し、時価総額にして約800億ドル(約12兆円)が吹き飛びました。売上高:$251.7億(予想:$258.7億)EPS:$0.71(予想:$0.73) アナリストの業績予想を下回るのは2四半期連続で、営業利益率は前年同期比ほぼ半減となる8.2%に低下しました。利益率への影響については、複数の報道がなされています。平均車両販売価格の低下ピックアップトラック「サイバートラック」の生産立ち上げコストAIを含む研究開発費用の増加競合メーカーとの競争が激しさを増すなか、テスラは1年以上にわたり度重なる値下げを行ってきました。値下げにより販売増を達成したものの、利益率は圧迫され、既存の大手自動車メーカーと同程度となりました。ただし値下げは一旦終了し、3月下旬から4月にかけて北米で1000ドル、欧州で2000ユーロの値上げを実施しています。また、ギガファクトリー・テキサスで次世代車両の立ち上げに取り組むため、2024年の販売台数の伸び率は2023年に比べて著しく低くなると予告しました。2023年の納車台数は前年比38%の大幅増加となりましたが、テスラは複数年にわたり年平均の伸び率を50%と見込んでいました。1-3月期の注目点:「自動運転」実現の兆しを見られるのか3期連続の予想未達となるのか株価を押し上げる新たな材料は発表されるのか✅ FSDとロボタクシー事業は自動運転の実現を確信したのか✅ 低価格モデルは予定通り2025年に投入されるか✅ インド市場への新規参入を発表か3期連続の予想未達となるのか4月2日に発表された、2024年第1-3月期の納車台数は前年同期比8.5%減の38万6810台と予告通りの販売台数減少となりました。事前のアナリスト予想ではEVの需要減速と競争激化を考慮し、平均44万3027台と予想を下方修正しましたが、市場予想を12%下回る結果となりました。2023年11月末から「サイバートラック」の出荷が始まりましたが、マスク氏の「キャッシュフローに大きく貢献するようになるには少なくとも1年半かかる」という過去の発言もあり、現状はまだ全体の業績に大きく影響しないと想定されています。調査会社のマークラインズによると、サイバートラックの販売台数は2024年2月末時点で1000台にとどまっています。納車台数発表の翌日、テスラの株価はマイナス4.9%と急落。さらに、アナリストたちによる第1四半期決算の業績下方修正が相次ぎました。株価は販売鈍化を織り込まれてきたものの、不十分だったことが示された結果となりました。4月23日の決算発表で、下方修正された市場予測を上回る業績や見通しを示せるかが鍵となります。2024年1-3月期の「売上高予想は$228.6億、EPS予想は$0.47」となっています。株価を押し上げる新たな材料は発表されるのかまた、業績悪化を打ち消すようなポジティブな材料が発表されるかも焦点になります。直近では注目に値する報道が相次いでいます。✅ FSDとロボタクシー事業は自動運転の実現を確信したのかマスク氏は3月25日、運転支援機能「フルセルフドライビング(FSD)」を搭載可能な全ての米国車に対して1カ月間無償で提供し、米国の従業員に対して納車前にFSDのデモや説明を義務付けたことを発表しました。従来、FSDは有料オプションとして1万2000ドル(約180万円)で提供されていますが、トライアル期間終了後は月額99ドルのサブスクリプションも可能となっています。FSDは利用者から収集される走行データの蓄積により開発を加速しています。FSD利用者の増加は多様なデータが集まり、さらなる開発の進展が見込まれます。また、マスク氏は4月5日(米国時間)に、Xに「テスラのロボタクシーを8月8日に発表する」との投稿をしました。テスラは2019年の投資家向け技術説明会にて、FSDを搭載した完全自動運転車をリース販売し、テスラ提供の配車サービスプラットフォーム「TESLA NETWORK」に登録することで、オーナーカーをロボタクシーとして人々と共同利用できる構想を発表しました。マイカーを使用しない時間帯に、テスラのアプリでボタンをタップすると自分の車両を共有車両として追加でき、ロボタクシーとして稼いでもらえることができ、さらにタクシーの運賃でリース費用の一部を賄うことができるとしています。ロボタクシー実現には最低でも自動運転レベル4が必要となるが、現状のFSDは運転手の負担を一部軽減する程度のADAS(先進運転支援システム)にとどまっています。ただし、マスク氏は2週間毎にFSDのアップデートを公表すると述べており、4月下旬もしくは5月に大幅な機能向上を予告しています。これら一連の発表を受け、「テスラはソフトウェアサービスによる新たな収益の柱を構築しようとしている」、「FSDの完全自動運転実現の道筋が見えたのではないか」など様々な見方がなされています。決算発表にて、何かしら自動運転の実現について良好な進捗が発表された場合、株価を押し上げる材料として好感される可能性が高いです。✅ 低価格モデルは予定通り2025年に投入されるか2023年10-12月期決算説明会では、低価格EVを2025年後半に投入する計画が発表されましたが、モデル仕様や明確な販売時期は明らかになってません。メディアからは「モデル2」と呼ばれ、2万5000ドルの販売価格と予想されていますが、実際に2025年の生産目標と同格帯での発売が実現されれば競合メーカーの提供する格安EVと競合する可能性があります。しかし、予定通りの生産に関しては疑問も投げかけられています。テスラは新モデルを発売する際、最初に示したスケジュールから数ヶ月、ときには数年遅れて納車しています。サイバートラックも2019年の発表当時、2021年の納車開始を予定していましたが、実際には2年遅れの納品となりました。4月5日ロイターの「低価格モデルの開発中止」の報道を受け、テスラの株価は一時6%超下落となりました(直後に開発中止は、マスク氏からXで否定されました)が、低価格モデルの生産開始時期がずれ込むことがあれば、同様の株価の低下が予想されます。✅ インド市場への新規参入を発表かマスク氏は4月22日の週にニューデリーでモディ首相と面会を予定しており、これとは別にインド市場への進出と20-30億ドル規模のEV工場建設について発表される可能性があると報じられています。インドは中国とのギャップを縮めるべく、EVなど重要な分野の製造業を強化するために多額の補助金を割り当てています。この動きに関しても、インド政府が3年以内にインド現地工場でEVを生産開始する企業に対して、EVの関税を引き下げる税制優遇を発表したことに続くものです。

50年以上、連続増配を続ける銘柄?

50年以上、連続増配を続ける銘柄?

ブルーモで新たに取扱いを開始した、「ヘルスケア」・「小売・生活必需品」セクター関連の5銘柄をご紹介します。Abbott Laboratories (ABT) Danaher (DHR) Colgate Palmolive (CL)Mondelez International (MDLZ)Target (TGT) 実は、このなかに50年以上一貫して増配を続ける配当成長株が3銘柄含まれるのですが、皆さまご存知でしょうか?ヘルスケアヘルスケア関連銘柄として、Abbott Laboratories (ABT) とDanaher (DHR) を追加しました。✅ Abbott Laboratoriesは、医療デバイスやジェネリック医薬品等の事業を展開する、グローバルヘルスケア企業です。投資管理会社のPolen Capitalは、2023年第4四半期の投資家向けレターの中で「長期的な成長見通しに変化はないにもかかわらず、株価は割安になっており、この成長企業のポジションを追加する魅力的な機会となっている。」と述べています。昨年12月、Abbott Laboratoriesは7.8%増配し、52年連続の増配を記録しました。✅ Danaherは、グローバルに展開する大手医療機器サプライヤーで、特にライフサイエンスと診断分野での強みが際立っています。戦略的買収による事業の成長に重点を置いており、直近では、医学研究用の抗体や試薬などを製造・販売するAbcam社を買収し、2023年の総収益が0.5%増加しました。小売・生活必需品小売・生活必需品関連銘柄として、Colgate Palmolive (CL)、Mondelez International (MDLZ)、Target (TGT) を追加しました。✅ Colgate Palmoliveは、口腔ケア衛生市場の世界的リーダーであり、パーソナルケア、ホームケア、ペット用品の分野で世界中の家庭に愛される製品を提供しています。近年は、スキンケアブランドの買収を複数完了し、プレミアムスキンケアのポートフォリオを拡大しています。Colgate Palmoliveは、62年一貫して増配を続けており、先月末に新たに四半期配当の4.2%増額を発表しました。✅ Mondelez Internationalは、オレオ、リッツをはじめとする世界中で愛されるスナック製品を製造・販売する企業です。特に、チョコレート、ビスケットカテゴリに重点を置き、長期的には収益の約90%をこれらのカテゴリーから生み出す予定です。✅ Targetは、アメリカ合衆国を中心に展開する大手小売業者で、衣料品・家電・食品など幅広い商品を高品質・低価格で提供することで知られています。ピックアップサービスや配送サービス、eコマースプラットフォームの強化に注力し、株価は2022年10月初旬に底を打って以来75%以上上昇しています。また、過去55年間にわたり一貫して配当を増加させてきました。

利下げ開始時点でパフォーマンスの良い市場セクターは?

利下げ開始時点でパフォーマンスの良い市場セクターは?

皆さま、過去8回の連邦準備理事会の利上げサイクルにおいて、利下げ開始時点でパフォーマンスの良かった市場セクターをご存知でしょうか?Goldman Sachsが2024年1月14日に公表した顧客向けレポートによると、1番目は「ヘルスケア」セクター、次いで2番目は「生活必需品」セクターとなっています。この2セクターは景気変動の影響を受けにくく、業績が安定していくる「ディフェンシブセクター」として伝統的に位置付けられています。2024年3月のFOMC経済見通しにおいて、FRBは年内3回の利下げを想定していることが示されました。そのような環境を踏まえ、ブルーモではユーザーが運用時にコピーできる公式ポートフォリオに新たに「ヘルスケア」と「小売・生活必需品」のセクター特化ポートフォリオを追加しましたのでお知らせします。ヘルスケアヘルスケアポートフォリオは、医薬品・医療機器・医療サービスに関連する企業を集めています。構成銘柄はS&P500 ヘルスケアセクターの時価総額上位10銘柄を抽出しており、「バンドエイド」で知られる医薬品大手のジョンソン・エンド・ジョンソンやファイザー等の銘柄が含まれます。ポートフォリオの構成比率は各銘柄均等配分の10%となっています。近年、ヘルスケアセクターでは肥満症治療薬関連銘柄が注目を集めており、攻めの一面も見せています。肥満症治療薬の潜在市場は1000億ドル規模と言われ、ヘルスケアセクター時価総額首位の「イーライリリー」は、肥満症薬の利用拡大への期待から過去1年間で株価が約2倍に急騰しました。今年はバークシャーハサウェイと並んで、大型ハイテク7銘柄「マグニフィセント・セブン」以外での時価総額1兆ドル(約150兆円)越えを期待されています。小売・生活必需品小売・生活必需品ポートフォリオは、生活に密着したサービスや商品を提供する企業を集めています。構成銘柄はS&P500 生活必需品セクターの時価総額上位10銘柄を抽出しており、洗濯洗剤の「アリエール」や消臭剤の「ファブリーズ」で知られる日用品世界最大手のP&G、コカ・コーラ等の馴染みの深い銘柄が含まれます。ポートフォリオの構成比率は各銘柄均等配分の10%となっています。記事冒頭にて言及しましたGoldman Sachsのレポートにて、同社チーフ米国株ストラテジストDavid Kostin氏は「生活必需品企業の株式はS&P500と比較して割安であり、今は投資する絶好の時期」と述べています。

急成長セクターの新規銘柄5選

急成長セクターの新規銘柄5選

ブルーモ証券で新たに取扱いを開始した、急成長セクター(暗号資産、AI・半導体、サイバーセキュリティ)の5銘柄をご紹介します。暗号資産✅ 暗号資産関連銘柄として、MicroStrategy (MSTR) を追加しました。元々はBIソフトウェアの会社ですが、大量のビットコインを購入・保有することで、同社の株価はビットコイン価格と強く連動するようになっています。ビットコインETFの取扱が始まっていない日本では、株式市場を通じてビットコインを間接保有する(=金融所得課税が適用される)手段としても注目されています。AI・半導体✅ AI関連銘柄として、Super Micro Computer(SMCI)を追加しました。同社はデータ処理をするサーバー提供する企業ですが、近年はAIサーバー関連企業として注目され、過去1年で株価は10倍以上に上昇しています。GPU大手のNVIDIAとAMDどちらの製品も使えるサーバーを提供していることから、必要不可欠な存在としてポジショニングが評価されています。✅ 半導体関連銘柄として、Lam Research (LRCX) を追加しました。半導体の製造装置を提供する会社としてトップクラスのポジションにいます。GPUを提供するNVIDAやAMDに対してサプライチェーン上流にいる企業で、サプライチェーン下流のSMCIとともに、急増するGPU需要に後押しされて急成長中です。サイバーセキュリティ✅ サイバーセキュリティ関連銘柄として、CrowdStrike (CRWD) とCloudflare (NET) を追加しました。両社ともサイバーセキュリティ分野でトップクラスの企業で、事業上もパートナーシップを結んでいます。CrowdStrikeはサイバー攻撃の検知・対応ソリューションを提供するのに対し、CloudflareはWebサイトを安全に素早く読み込むためのソリューションを提供しています。