AI相場の次なる本命は?M7からインフラ銘柄へ

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【米国株】好決算の裏で調整局面懸念、市場が注視する3つのリスク

【米国株】好決算の裏で調整局面懸念、市場が注視する3つのリスク

米国株式市場の主要3指数は、10月28日に3営業日連続で終値ベースの過去最高値を更新し、ナスダック総合指数は年初から20%超の上昇、S&P500 指数も約15%の上昇率を示しました。しかしその後、11月4日には株価が急落。ナスダック総合指数とS&P 500指数はいずれも数週間ぶりの大幅下落となりました。足元で株価が高水準にあったことを背景に、「調整局面入り」ではないかとの見方も浮上し、投資家は警戒感と楽観の間で相場に臨んでいます。本記事では、現在米国市場で懸念されている主なリスク要因を整理します。好決算もリスク警戒が市場心理の重しに2025年第3四半期の決算発表では、多くの企業が市場予想を上回る好業績を示しました。LSEGのデータによれば、既に決算を発表したS&P 500構成企業315社のうち、83.2%がアナリスト予想を上回っており、過去平均の約67%を大きく上回っています。さらに、S&P 500指数の第3四半期の年間利益成長率は前年同期比で約14%と見込まれ、1か月前の見通しを約5ポイント上回る勢いです。しかし、好決算を背景にしつつも、連邦準備制度理事会(FRB)政策の行方、信用市場の動揺、政府閉鎖による経済への悪影響などが米国株市場の下押し要因として警戒されています。FRBの利下げ観測後退10月末のFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利が0.25%引き下げられ、9月に続く2会合連続の利下げとなりました。しかし、パウエル議長は記者会見で「12月会合での利下げは既定路線ではない」と述べ、追加利下げに慎重な姿勢を示したことで、市場が織り込んでいた年内の追加利下げ期待は後退しました。また、政府閉鎖による統計データの不足については「濃霧の中で運転するような状況では慎重にならざるを得ない」との例えを用い、データ欠如下での政策運営に慎重姿勢を示しています。これら一連の発言を受け、景気敏感セクター中心に売りが優勢となりました。12月利下げの確率はFOMC前の90%台から、11月6日時点のFedWatchでは約64.5%まで低下しています。高債務企業への信用リスク浮上一方で、10月末に市場ではオラクル社への信用不安が浮上しました。同社はAIインフラの拡充を目的に巨額の投資を行っており、借入や社債発行による資金調達を増加させています。モルガン・スタンレーの試算によると、オラクルの純負債残高が現在の約1,000億ドルから2028年度には約2,900億ドル(約44兆900億円)へとおよそ3倍に膨らむ見通しです。高い債務レバレッジが将来の業績維持を圧迫しかねないとの懸念は度々指摘されており、同社の債務不履行に備える5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の価格は10月時点で2023年10月以来の高水準に達し、投資家のリスク回避の姿勢が強まっています。AI需要を追い風に株価上昇を続けてきた米国市場ですが、こうした動きは高成長分野であっても過剰な債務拡大が企業の持続性を揺るがす可能性を示唆し、IT・ハイテク銘柄を中心に形成されてきた上昇相場に対して、投資家が慎重な見方を強める一因となりました。政府機関閉鎖の長期化加えて、米国では2025年度予算を巡る与野党対立により、10月1日から連邦政府機関の一部が閉鎖され、11月5日に過去最長を更新しました。上院共和党の指導部からは「週内に決着する可能性がある」との楽観的な発言も出ていますが、政府閉鎖の長期化による経済活動への悪影響は避けられません。議会予算局(CBO)は、2018年から2019年のトランプ大統領の国境の壁建設費用をめぐる対立での34日間の政府閉鎖によって国内総生産(GDP)が約110億ドル減少したと試算しています。もっとも、過去の事例では閉鎖解消後に経済が比較的速やかに正常化したケースも多く、市場も長期化リスクをある程度織り込んでいたため、現時点では株価への影響は限定的にとどまっています。市場調整は健全なプロセス11月4日に香港で開催されたGlobal Financial Leaders' Investment Summitにおいて、モルガン・スタンレーの最高経営責任者(CEO)であるテッド・ピック氏は、株式相場における10〜15%程度の調整は、マクロ経済への衝撃によるものではない限り「歓迎すべきもの」との見方を示しました。また、ゴールドマン・サックスCEOのデビッド・ソロモン氏は、今後12~24ヶ月の間に株式市場が10~20%下落する可能性はあり得るとしたものの、「うまくいかない可能性はたくさんあるが、現時点では短期的な結果の分布から見て、差し迫った危機感はない」との認識を示しています。現時点の米国株市場は、企業の好決算というポジティブな基盤を持ちながらも、利下げ観測の後退や高債務企業への信用リスク、政府機関閉鎖の長期化といった複数の不安要因を抱えています。こうした環境下では、一時的な調整が生じる可能性も念頭に置く必要があります。投資家にとっては、短期的な値動きに左右されず、金利動向や企業財務の健全性など構造的な要素を冷静に見極める慎重さが求められる局面といえるでしょう。

ナスダック100、2025年の採用候補は?指数の仕組みと銘柄入れ替えの基準を解説

ナスダック100、2025年の採用候補は?指数の仕組みと銘柄入れ替えの基準を解説

本記事では、ナスダック100指数の仕組みと銘柄入れ替えの基準、そして2025年に浮上している組み入れ候補銘柄について解説します。ナスダック100とはナスダック100は、ナスダック取引所に上場する大手非金融企業100社で構成される株価指数であり、テクノロジー企業の比重が高いことが特徴です。2000年以降、テクノロジーセクターの企業は指数の55〜60%を占めていますが、1990年時点では30%程度とセクター構成の変遷が産業構造の変化を映し出しています。1985年1月31日の設定以来、指数の年率リターンは約14%と極めて高いパフォーマンスを記録しています。出所:Nasdaq Index Research指数は最新の市場動向を反映させるため、四半期ごとにリバランスが行われます。また、少数銘柄への過度な集中を防ぐ目的で、上位5銘柄の合計ウエイトを38.5%、上位5銘柄以外の1社当たりのウエイトを4.4%に制限する独自のルールが設けられています。2023年7月には「Magnificent Seven」と呼ばれる大型テック銘柄への集中を是正するため、四半期以外での例外的な特別リバランスが実施されました。発表前後には、大型テックの株価が調整する場面も見られ、市場では需給への影響が意識されました。構成銘柄の入れ替え基準ナスダック100の構成銘柄は、毎年12月に定期的な入れ替え(リコンスティテューション)が行われます。発表から実施まで数営業日という短期間で需給が変化しやすく、新規採用銘柄は上昇、除外銘柄は軟調になる傾向が過去確認されています。また、買収・上場廃止・他市場への移転などにより、既存銘柄が指数要件を満たさなくなった場合、除外銘柄の代わりに「繰り上がり枠」として新規企業が即時追加されるケースもあります。2025年の5月のショッピファイ(SHOP)や2021年8月のクラウドストライク(CRWD)の追加は、この「臨時採用」の例となります。構成銘柄に採用されるためには、以下の条件を満たす必要があります。採用基準上場市場:「Nasdaq Global Select Market」または「Nasdaq Global Market」に主要上場として登録流動性:過去3か月の平均日次売買代金が500万ドル以上浮動株比率:発行株式のうち浮動株比率が10%以上時価総額:上記条件を満たす企業の中で、非金融セクター時価総額上位100社過去40年間で500社以上が構成銘柄として組み入れられてきましたが、現在も残るのはアップル(AAPL)、マイクロン・テクノロジー(MU)、インテル(INTC)、KLA(KLAC)、パッカー(PCAR)、そしてコストコ・ホールセール(COST)の6社のみです。 2025年の注目候補銘柄市場では、2025年の入れ替え候補としていくつかの企業名が浮上しています。コインベース・グローバル(COIN)コインベースは、米国最大級の暗号資産取引プラットフォームとして、仮想通貨市場の活況とステーブルコイン規制整備を背景に株価を大きく伸ばしており、2025年10月29日時点の時価総額は約930億ドルです。2025年5月にはS&P 500指数への採用され、ETF需要を通じた需給面での追い風も強まっています。昨年末にナスダック100入りしたマイクロ・ストラテジーの採用直前時価総額が約920億ドルとほぼ同水準にあることから、構成銘柄入りの有力候補とみなされています。エクイニクス(EQIX)エクイニクスは、REIT形態のデータセンター企業であり、AIインフラやクラウド移行の進展を背景に、構造的な需要拡大が続いています。2025年10月29日時点の時価総額は約840億ドルとナスダック100非採用銘柄では最大級で、流動性の高さからも、市場では長らく採用候補とみなされてきました。特に、AI関連テーマが指数構成の中核に据えられる流れの中で、同社の採用可能性が改めて注目されています。

FRBが利下げを実行も年内追加利下げは不透明に。GAFAM決算でAI投資が増加|米国市場サマリー

FRBが利下げを実行も年内追加利下げは不透明に。GAFAM決算でAI投資が増加|米国市場サマリー

先週は、米中対話進展観測と決算期待を背景に週前半は上昇基調となり、主要3指数が過去最高を更新する場面がありました。27日はテクノロジー中心に買いが広がり、ダウ・S&P500・NASDAQがそろって最高値圏で推移しました。28日もPayPalやUPSの好決算が支えとなり、相場は連日の高値更新となりました。一方、29日のFOMCは0.25%の利下げを決定したものの、Powell議長が「12月の追加利下げは保証されない」と示唆し、引けはまちまちでした。  30日はMeta Platformsが巨額の一時的税負担やAI向けCAPEX増額を示した後に急落し、ハイテクを中心に調整が広がりました。しかし31日はAmazonがAWS売上20%増など強い決算を発表して急伸し、主要指数は持ち直しました。総じて、通商や金融政策の不透明感が残るなかでもAI関連をはじめとする好決算が下支えとなり、高値圏を維持する一週間となりました。為替は、週初に153円台へ上昇後、28日は153.25のダブルトップ形成から一時152円割れへ反落しました。29日は151.7~152.5円で持ち合い、30日は日銀の据え置きを受けて円安が加速し、8カ月半ぶりの154.45円まで上伸しました。31日は片山財務相のけん制発言でやや押し戻されつつも154円前後で高止まりしました。週間レンジは約151.7~154.5円でした。米国株式市場:FRBの利下げが実施、GAFAM決算はAI投資増加が鮮明に10月27日(月) 米国株式市場は大幅続伸し、ダウ平均・S&P500・NASDAQがそろって終値で過去最高を更新しました。米中対話の進展観測と、今週相次ぐメガテック決算・FOMC(利下げ観測)への期待がリスク選好を後押ししました。特にNVIDIAやMicrosoftなど大型テックが買いを主導し、半導体関連も堅調でした。10月28日(火) 主要3指数は続伸し、NASDAQが主導して再び過去最高を更新しました。米中摩擦の沈静化期待とテック高が相場を支え、FOMC前ながら金利警戒は限定的でした。場中にはMicrosoftが時価総額で4兆ドル超えを初めて終値で維持し、NVIDIAは米エネルギー省向けAIスーパーコンピュータ計画などを手掛かりに買われました(S&P500+0.2%、ダウ+0.3%)。10月29日(水) FOMCは0.25%の利下げを決定しましたが、Powell議長が「12月の追加利下げは確約できない」と発言したことで、引けはまちまちとなりました(ダウ小幅安、S&P500ほぼ横ばい、NASDAQは小幅高)。引け後はMeta Platformsが決算で2026年に向けたAI投資拡大・CAPEX上振れ見通しを示し、時間外で不安定な値動きとなりました。10月30日(木) ハイテク中心に反落しました。Meta PlatformsがAIインフラ投資拡大を背景に急落し、金額規模の大きい社債起債の準備報道も重石となってグロース株に利益確定売りが波及しました。オプション需給がS&P500の7,000ポイント近辺でボラティリティを高めたとの指摘もあり、指数は広く下押ししました。10月31日(金) Amazonが決算でAWS売上+20%と予想超の伸びを示し急伸、NASDAQとS&P500を押し上げました。主要3指数はそろって上昇し、週・月ともに上昇で締めくくりました(S&P500+0.3%、NASDAQ+0.6%、ダウ+0.1%)。AI関連の設備投資サイクル継続期待が改めて意識され、年末に向けたリスクオンが優勢となりました。為替市場:日銀の金利据え置きで円安は続く為替は、153円台で始まった後も総じてドル高・円安基調で推移し、週後半にかけて上値を伸ばしました。27日(月)は米中対話やFOMC前の思惑からドル買いが先行し、153.26円近辺まで上昇する場面がありました(当日レンジは概ね152.66~153.25円)。 28日(火)は日本の閣僚発言や米財務長官のコメントを受け円がいったん反発し、17時時点で152.15円とやや円高方向に戻しました。29日(水)はFOMCを前に方向感が鈍く、日中は151.54~152.53円のレンジで推移しました。30日(木)は日銀の据え置きと米側のタカ派的な受け止めからドル高が進み、NY時間には154.45円と8カ月ぶり高値を付ける場面がありました(東京17時は153.43~45円)。31日(金)は財務相の「為替動向を高い緊張感で注視」発言もあり円がわずかに持ち直したものの、17時は154.30~32円と高止まりで週を終えました。 週間レンジはおおむね151.5~154.5円で、FOMC後の利下げ観測後退と日銀据え置きがドル買い優勢の地合いを支えました。ブルーモの公式Xでは決算や指標の速報をお届けしているので、興味ある方はフォローしてみてください。https://x.com/Bloomo_invest